サソリってどんな生き物なのですか?~刺されると本当に死ぬ?
独特なフォルムからコアなファンが多いのがサソリです。
大きなハサミを有し、尾に毒針があることが特徴で、誰もが知っている怖いイメージのある生き物です。
しかし、サソリについての生態などについて詳しく知っている方は少ないと思います。
ここではサソリの生態や飼育方法、毒などについてご紹介します。
どのような生き物なのか?
サソリ(蠍)とは、節足動物門鋏角亜門クモ綱サソリ目に属する動物の総称です。毒を持っていることで有名ですが、実際に刺された人が命に関わるほどの毒を持っている種類はごく一部であると言われています。
意外と知られていないのがその歴史です。実は4億3千万年以上前から存在していたことが確認されています。
現存する陸上生活を送る節足動物として世界最古にあたります。
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体の構造としては、腹部から長い尾部が伸びており、尾部は節に分かれ曲がるのが特徴です。最後の節は少し膨らんでおり、曲がった毒針がついています。
脚は8本4対になっており、すべて同じような長さです。
その様相から甲殻類と勘違いされることもありますが、実はクモの仲間なのです。
現存する世界最大の品種は、アフリカに生息するダイオウサソリ(エンペラースコーピオン)であり、体長は最大で20cm以上に達します。
サソリの生態をご存知ですか?
エサを取った時にハサミでエサを固定し、尾部の針で毒液を注入、その後ハサミで小さく千切って補食します。
サソリは肉食で、主に昆虫などを食べますが、場合によってはトカゲなどの小動物を襲うこともあるようです。
大食いではなく絶食に耐えるものが多く、中には一年以上の絶食に耐えられるものもいます。
サソリは夜行性で、基本的に昼間は岩の下や土の中など狭い空間にいることが多く、元来非活動的な生き物です。じっと獲物を待っているのが特徴です。
サソリの配偶行動として、婚姻ダンスを行うことはよく知られています。
オスとメスがそれぞれハサミをつかみ合い、前後左右に動き続けます。品種によっては数時間もそのダンスを続けることああるようです。
産まれた子供はメス親の上にのぼり、しばらくそこで生活をしますが、1週間から10日ほどで自立します。
婚姻ダンスの相性が悪い場合はどちらか一方を殺してしまったり、メスがオスを捕食したりすることもあります。
ただ野生においてはそのケースは稀だと言われています。
サソリの分布に関しては、世界中に繁殖しており、種の数は1,000以上にものぼります。
熱帯地方に多く分布していますが、中には寒冷地域にも生息する種もいるのが特徴です。
また湿潤な地域や砂漠地域などにも生息しており、適応範囲が広い生き物です。
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どのように飼育するのか
サソリのエサは生餌が基本です。国内で手に入るエサとしては、コオロギやバッタ、カイコなどがあります。
また冷凍したピンクマウス、ヤモリ、コオロギ、バッタなども食べます。
爬虫類や猛禽類用に作られた100%マウスのソーセージ(レップミール)なども食べます。エサの種類は単一化せず、さまざまなものを与えるのが大切です。
また肉のかたまりだけでなく、骨や内臓などが含まれているものを与えることによって、バランスの取れたエサにすることができます。
サソリを飼育するうえで注意すべき点としては、脱水や脱皮障害、外傷や真菌による感染症などです。
ケージは水槽やプラスチックケージでもどちらでも問題ありません。水入れを入れたり、木の枝やシェルターなどを設置したりしてあげましょう。
サソリを飼育するうえで最も大切なことは、脱走させないことです。ちょっとした小さな隙間があれば逃げ出してしまうため、注意が必要です。
温度管理に関しては植物栽培用の簡易温室やガラス温室を用いて、ヒーターと併用するのがおすすめです。
やけどなどの事故も少なく、かつ掃除などのメンテナンスも楽に行うことができます。
サソリには多湿系のものと乾燥系のものがおり、それらによって飼育方法を変えることも大切です。
毒の強さはどれくらい?
サソリの尾部には毒針があり、獲物に毒針を刺しで毒を注入することはよく知られています。
中には猛毒を持つ種類もあり、人間が刺されると死ぬケースもあります。
しかし、サソリの毒は神話や逸話などによって誇張解釈されている傾向があります。
実際にほとんどのサソリには、大型哺乳類を殺せるほどの猛毒はありません。
主に昆虫や小型動物を殺傷するのが目的であり、大型動物に関しては防御反応で殺傷するほどの毒素は持っていないというのが事実です。
人間に対して殺傷性のある毒を有するサソリは、1,000種のうちのわずか25種と少なめです。
ただ中には本当に殺傷能力を有するサソリも存在しており、毒によって死亡する人は世界で年間1,000人以上いるとも言われています。
人家に生息しているサソリもいることから、靴を履く前にサソリがいるかどうかチェックするような地域もあると言われています。
また種によってはスズメバチと同じように毒素そのものはは低くても、アナフィラキシーショックのような症状に陥ることもあります。
サソリの中でも人を死に至らしめるほどの毒素を持っている種はイエローファットテールスコーピオン、ストライプバークススコーピオン、オブトサソリなどです。
中でも中東に生息するオブトサソリは最強の毒を持つと言われています。サソリの毒は漢方の生薬として利用されることもあります。
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