コンビニ経営の真実~平均年商が約1億9千万円もあってなぜ大変なの?
コンビニエンスストアの1日の平均売上は約52万円だそうです。
月商にすれば1,560万、年商で約1億9千万円ということになります。コンビニ経営ってもうかるって思ってしまいますよね。
テレビ番組などで、ベンチャービジネスを立ち上げたばかりの若い経営者を、「わずか3年で、年商2億円!」などと紹介すると、「え~っ!」とどよめきの効果音が入ることになっていますが、コンビニはどこもその程度の売り上げがあることになります。
「年商」というのは単に会社の総売り上げのことで、経営者個人の実入りのことではありません。
そのうちいくら儲けたのかが大事な点です。仮に利益率1割とすれば、年商1億8千万円のコンビニ店長は、年収1,800万円ということになります。
とてもすてきなビジネスに思えますが、現実はそれほど甘くはないようです。
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業界トップはセブンイレブンの66万8千円!
店舗の売り上げは、どこのコンビニチェーン本部に属しているのかで大きな差がついてしまいます。
1店舗1日当たりの売り上げが最も大きいのはセブンイレブンで、66万8千円です。年商で2億4千万円以上になります。業界全体の平均よりも3割も多いのです。
業界2位はNEWDAYS
業界で2番目に店舗当たりの売り上げが大きいのはNEWDAYS。JR東日本グループのコンビニですので、ほとんどが駅の構内にあり、全国に500店舗弱しかありません。
企業全体としての売り上げは業界10位に過ぎませんが、「駅構内」という立地条件のよさが強みとなっているようです。1日当たり、60万1千円の売り上げです。
3位ローソン、4位ファミリーマート
3位はローソンの54万7千円、4位はファミリーマートの53万1千円です。
ローソンとセブンイレブンとでは、日に10万円以上の売り上げの差があります。コンビニ業界で平均の52万円を超えているのは、以上4社だけ。残りのコンビニはどこも平均値を下回っています。
売り上げは上位4社の寡占状態
コンビニ10社の総売り上げはおよそ8兆7千億円。1位はセブンイレブンの3兆5千億円、2位はローソンの1兆7千億円、3位はファミリーマートの1兆5千億円、4位はサークルKサンクスの1兆円弱です。
1位のセブンイレブンが全体の4割近くを占め、上位4社合計で9割近くを占めています。コンビニは大手による寡占状態なのです。
以下は、5位ミニストップ、6位デイリーヤマザキ、7位セイコーマート、8位スリーエフ、9位ポプラ、10位NEWDAYSです。NEWDAYSを除く5チェーンは1店舗1日当たりの売り上げは50万円を下回っています。特に、デイリーヤマザキとポプラは40万円を切る水準です。
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売り上げ増はとても難しいようです
コンビニの1店舗1日当たりの売り上げは、1990年に48万円だったものが、96年に41.6万円まで落ち込みました。
現在の平均値52万円は96年に比べればかなり良くなっていますが、90年と比べるとそれほど大きく伸びているわけでもありません。四半世紀前とあまり変わらないのです。
ここ数年は1店舗当たりの売り上げはほぼ横ばい状態。コンビニ全体の売り上げが伸びているのは、新店舗の出店によるものです。
日本にはすでに46,000店舗以上のコンビニがあります。人口2,700人に対して1店舗ある計算です。
コンビニ発祥の地アメリカでも、3,000人に1店舗程度といわれていますので、日本はアメリカよりも、店舗密度が高くなっているのです。
それだけ、コンビニ間の競争が厳しいと言えるでしょう。
それなのに、ますますコンビニは増えています。1店舗当たりの売り上げが伸び悩む中、新規出店のペースを落とせば、コンビニ本部の売り上げが伸びなくなってしまうからです。
店長の月収は、1日の売り上げ程度?
コンビニのオーナー店長の中には年収が2000万円以上ある人もいるそうですが、それはかなり流行っている店の場合で、一般の店舗はそれほど儲かりません。
オーナー店長の年収は550万円程度と言われています。月収にして46万円ほど。1日の売り上げ平均52万円よりやや少ないくらいが月収になると言えそうです。
日本のサラリーマンの平均年収は408万円ですので、それと比べれば高いですが、40代前半のサラリーマンの平均561万円と比べるとやや劣ります。
セブンイレブンの場合には、平均が66万8千円ですので、月収で60万円、年収で720万円程度ではないでしょうか。
セブンイレブンのオーナー店長の場合、一般のサラリーマンより少し高いと言えるかもしれません。
それでも厳しいコンビニ経営
普通のサラリーマンの場合、年間120日~130日程度の休日があります。コンビニは365日24時間の営業ですので、オーナーはなかなか休みをとることができません。
しかも1日の労働時間は12時間前後です。
売り上げが低い店舗の場合には、店長は夜から朝までのシフトに入り、奥さんが朝から夜までのシフトに入って、夫婦で24時間働いているケースもあります。
二人で休みなく働いた結果、サラリーマン並みの収入というところもあるのです。売り上げが伸びない店舗の経営者は、とても厳しい労働実態にあるようです。
店舗の売り上げ規模はレジの台数でわかる!?
1台のレジに対し、1日の売り上げは20万円~35万円程度と言われています。レジが2台の店なら40万円~70万円程度です。
3台ある店なら80万円~100万円程度、4台なら120万~130万円程度のようです。月収もそれと比例しますので、レジが3台以上ある店のオーナー店長なら、そこそこ稼いでいる人と言えそうです。
「年商2億」といえども、コンビニ経営は必ずしも楽ではないのではないでしょうか。
by 水の
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