昼からビールを片手に酔っぱらうベトナム人
ベトナム人と言えば、どんな人たちでしょうか。
ビジネスに準じている日本人にとっては、勤勉で真面目で何事にも積極的に取り込む、と言った良い印象を持っているかもしれません。
もしくは、お金にうるさく、年一回の昇給、年一回から二回の賞与を貰わないとすぐに会社を辞めてしまう、と悩んでいる駐在員もいることでしょう。
そんなベトナムに長く留まっている日本人の方でも、案外ベトナム人の私生活は知らないものです。
昼間なのにハンモックに揺られている・・・
ベトナム旅行で町を散策していると、まだ太陽も上がりきらない昼間なのにハンモックに揺られているベトナム人を見ることがあるでしょう。
また歩道に小さな椅子とテーブルを置いて、そこで将棋のようなゲームに興じているベトナム人や、ビールを片手に談笑している人たちも、ベトナムでは日常の光景です。
若いベトナム人は皆スーツを着て会社へ出勤している中、彼は一体どんな仕事をしているのでしょうか。時々彼らには「仕事はないのか?」と訊ねたくなってしまいます。
仕事は「バイクタクシー」と「自分のお店」
彼らの仕事は主に2種類。1つは「セーオム」と呼ばれるバイクタクシーです。
参考記事:ベトナムのセーオムと呼ばれるバイクタクシーってどんな乗り物?
青色の洋服を着ていたらまず間違いないでしょう。セーオムにも縄張りがあり、自分の縄張りの近くの人とこうやって仲良くゲームやビールに興じているのです。
もう1つは、自分でお店を持っているということ。
彼らは根っからの商人。特に中高年世代のベトナム人が若い当時は、まだベトナム戦争が終わったばかりなので、皆さん貧しく学校に行くこともかないませんでした。
「企業」、「正社員」などといった会社体質が増えてきたのもここ10年20年の話です。
会社という後ろ盾がない彼らは、すべて自分たちの力のみでお金を稼がなければなりませんでした。
田舎に住んでいる人は商売をしても需要がありませんので、港で安く仕入れた野菜や魚を持って、20時間近くバスで走り続けてハノイやホーチミンの市場で売りさばきます。
このように昼からビールに酔っているベトナム人達も、実は皆厳しい時代を経験していることが分かります。