日本の健康保険制度が危ない!~医療費のムダ遣いはこんなに減らせる
「国民皆保険制度」があるおかげで、私たちは少ない負担で高品質の医療を受けることができます。
普段なかなか意識しませんが、日本の健康保険制度は世界の中でもかなり恵まれているほうなのです。
しかし近年、少子高齢化によって国の医療費が大変なことになっているのをご存知ですか?
このままいくと健康保険制度そのものが危うくなるといわれています。私たちにできる「節約」をしていきましょう。
医療費のムダ遣いは、いずれ「自分の負担増」にもつながる!
日本では、生まれながらにしてすべての国民が健康保険に加入する義務があります。
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巷には「自分は健康だから、保険に入る必要はない」と言って保険証を持たない人もいますが、実際は誰もが「国民健康保険(国保)」に強制加入させられているのであり、保険証を持たない人は単に支払いを滞らせている人という扱いになります。
つまり健康保険に対して、私たちには加入するかどうかの選択の自由はありません。しかし、いつ病気やケガをするか分からないのが人生です。
「普段から皆で保険料を出し合って、支え合おう」というのが健康保険制度の趣旨であり、そのおかげで私たちは少ない負担で医療を受けることができるのです。
そんなありがたい保険制度ですが、最近の少子高齢化によって財政危機に陥っています。
保険料を多く納める世代が減っている一方、病院にかかる高齢者は増え続けているため、今や多額の税金で補てんされているのが現状です。
このままでは保険料の値上がり、もしくは自己負担額の割り増しは避けられないといわれています。
少子高齢化は仕方ないにせよ、実は私たちも普段、意外に医療費のムダ遣いをしているかもしれません。
日本の素晴らしい保険制度を守るためにも、ぜひ「医療費の削減」に協力していきましょう。
救急病院をコンビニ代わりにしない!
医療費のムダ遣いとしては、たとえば近年問題視されている「コンビニ受診」があります。
夜間や休日に開いている病院をコンビニのように気軽に利用することです。
こういった病院にかかると、初診料や再診料に「時間外加算」がプラスされます。
通常の初診料は2,700円ですが、たとえば休日にかかると2,500円、また22時以降の深夜にかかると4,800円もの時間外加算がつくのです。
しかもこれらには保険が適用されるため、実は馬鹿にならない金額が保険によって賄われることになります。
夜間や休日の病院は、基本的に急を要する患者さんのためのものです。
しかし最近は「平日の昼間は仕事で忙しくて行けないから」「日中の病院は混んでるから」といった理由で、気軽に救急病院を受診する人が急増しています。
医療費のムダ遣いになるのはもちろんのこと、本当に急を要する患者さんの妨げにもなりますので、コンビニ受診は控えましょう。
病院をコロコロ変えない!気まぐれに受診しない!
あちこちの病院を転々と渡り歩く「はしご受診」も、意外と医療費のムダ遣いになっています。
新たにかかった病院では初診料が発生するほか、同じ検査をまた受け直す可能性も高いものです。
初診料にも検査代にも、自分が支払う以上の保険料が使われていることを忘れないでおきましょう。
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どうしても転院する必要がある時には、せめて前の病院から検査結果の写しをもらうことをおすすめします。
ちなみに初診料は、2度目以降の受診でも発生することがあります。たとえば医師の指示に従わず、1ヶ月以上の間を空けて受診した場合などです。
初診料は、基本的に「前回とは違う症状で診てもらう際にかかるお金」なのですが、独断で間を空けてしまうと継続的な症状と見なされず、新たに出てきた症状と判断されるからです。
「もらった薬はきちんと使う」「指示通りに受診する」ことは、結果的に治りを早くするため医療費の節約にもつながります。
気まぐれでムラのある治療にいいことはありませんので、気をつけたいものです。
救急車をタクシーのように気軽に呼ばない!
当たり前のことですが、救急車の安易な利用も医療費のムダ遣いです。
日本の医療制度は至れり尽くせりですので、費用を請求されることは基本的にありませんが、1度の出動につき実は4万円近くが発生しています。
これがアメリカではしっかり請求されますので、誰も気軽に救急車を呼ばないのですが、日本では無料なのをいいことにタクシー代わりに呼ぶ人が増え、大きな問題となっています。
そのため悪質と見なされた時には、費用を請求するケースも出てきているようです。
もちろん医療費のムダ以前に、本当に必要な人のもとへの出動が遅れてしまうという問題もありますので、緊急でない限りは自力で受診しましょう。
ちなみに最近では、病院への送迎を専門とした「民間救急サービス」をおこなうタクシー会社も増えています。緊急でない限りは、こうしたサービスを利用するのもおすすめです。
ただし突然のマヒや言語障害、意識障害、チアノーゼ(酸素不足で皮膚や唇が紫になる症状)などが見られた時には迷わず要請してください。
ジェネリック医薬品を積極的に使ってみる!
医療費削減のために、国が力を入れているのが「ジェネリック医薬品」の普及です。先発薬と比べて薬価が低いため、薬剤費の節約につながります。
ところが日本では保険制度のおかげで薬代も安いため、「少しでも安いジェネリックを…」という意識がなかなか働きにくいようです。
また後発品に不安を感じる人もまだまだ多いと思われます。
しかし日本ではジェネリック医薬品にも厳しい試験がおこなわれていますし、競争が激しい市場のため、どのメーカーもより良い薬の開発に励んでいます。
調剤薬局でジェネリックへの切り替えを提案された時には、きちんと説明を聞いた上でまずは1度使ってみましょう。
効果に違いを感じなければ、国の医療費はもちろん、長い目で見れば家計の節約にもつながるはずです。
By 叶恵美
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