7時間睡眠が最も死亡率が低い?~世界一睡眠時間が少ない日本人
日本人は、世界の中でも睡眠時間がかなり短いといわれています。
平均して6時間20分ほどで、特に20代~50代で平日に7時間以上眠れている人は非常に少ないとのことです。
しかし多くの研究では、「7時間睡眠」をする人がもっとも死亡率が低いという結果が出ています。
もちろん人によって個人差はありますが、現代日本人はもう少し寝る時間を確保したほうがいいかもしれません。
こんなに違う!動物の睡眠時間
睡眠は休息のほか、記憶を定着させるためにも重要な役割を持つと考えられています。
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また成長ホルモンは就寝中にもっとも活発に分泌されますので、あらゆる新陳代謝のためにも不可欠といえるでしょう。
ちなみに睡眠時間は動物によっても大きく異なり、一般的に「狩りをする動物ほど長く、草食動物ほど短い」傾向にあります。
たとえばライオンは15時間ほどの睡眠が必要ですが、ゾウや牛では3~4時間、キリンにいたってはたったの1時間ほどです。
狩りをする動物はいつでもエサにありつけるわけではないため、普段はなるべく動かないようにしてエネルギーの消費を避けます。
一方、ゾウや馬、キリンなどの大型の草食動物は、大きな体を維持するために1日の大半をエサ探しと食事に費やしますので、自然と寝る時間が少なくなるのです。
またネズミなどの小型動物では、短い睡眠を何度も繰り返す傾向が見られます。
常に捕食者に狙われる身ですので、睡眠の質が悪く、断続的にとる必要があるからです。
もっとも体にいいのは「7時間睡眠」!
それでは人にとっての理想的な睡眠時間はどれくらいかというと、一般的には「7~8時間」といわれています。
実際、平均して7時間の睡眠をとっている人がもっとも死亡リスクが低いという調査結果が世界各国で出ています。
ただし子どもはさらに長い睡眠時間を必要としますし、お年寄りでは自然と短くなるのが普通です。
一方「4時間以下」の人たちは、7時間眠っている人に比べて死亡率がおよそ1.6倍高くなることが分かっています。
睡眠時間が不足すると、特に心臓や血液などの「循環機能」や、ウイルスなどに抵抗する「免疫機能」が低下することが原因です。
ただし4時間以下の人たちよりも、さらに死亡率が高いのが「10時間以上」眠る人たちです。その死亡率は7時間眠る人の1.7倍以上とされています。
つまりたくさん寝ればいいわけではなく、寝すぎも死亡率を高めることになります。
もちろん人によって必要な睡眠時間に差はあるものですが、一応は7時間を目安にするといいでしょう。
7時間たつ前に自然と目が覚めて元気に活動できる人はそれで問題ありませんし、8時間のほうが調子がいいという人はそれが適正な睡眠時間です。
異常な睡眠時間でも問題ない人もいる!?
ちなみに世の中には、異常に短い睡眠時間でも元気に動ける「ショートスリーパー」という人たちがいます。
歴史上の人物では、ナポレオンやエジソンが有名です。真偽のほどは分かりませんが、2人とも3~4時間程度の睡眠で十分だったといわれています。
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専門家にいわせると、これは体質的なもので、通常の人より「レム睡眠が圧倒的に少ない」ことが原因のようです。
レム睡眠とは、体は眠っているのに脳だけが起きている状態で、この間に夢を見ることでも知られています。
通常、人は眠りに落ちるとまず深いノンレム睡眠から始まり、その後90分間隔でレム睡眠と交互に入れ替わります。
7~8時間眠る人では、およそ4~5回のレム睡眠が起こることになります。
しかしショートスリーパーでは、レム睡眠が非常に少なく、睡眠時間のほとんどがノンレム睡眠にあてられるというのです。
つまりそれだけ効率的に脳を休息させることができるため、4時間程度でもぐっすり眠れるのだと考えられます。
ちなみにこれは先天的な体質によるものですので、その他の人がマネをしても同じ睡眠は得られないとのことです。
一方、通常より長い睡眠時間を必要とする人は「ロングスリーパー」と呼ばれます。
有名なのはアインシュタインで、彼は1日10時間以上眠ったといわれています。またF1ドライバーのミハエル・シューマッハや横綱の白鵬も、1日12時間以上眠るそうです。
こちらは逆に「睡眠が浅い」ケースが多く、そのぶん長さが必要になると考えられます。
いずれにせよ本人に「よく眠った」という満足感があり、日中の活動に支障がなければ、睡眠障害とはいえないようです。
よい眠りのために「光」に気をつけよう!
日本人はただでさえ仕事時間が長めな上、最近ではパソコンやスマホ、ポータブルゲームなどが身近にあるせいで、ますます寝る時間が遅くなっていると思われます。
実は私たちの睡眠には「光」が強く関わっており、寝る間際まで光を放つ画面を見ていると、入眠障害が起きやすくなることが分かっています。
体は私たちが思う以上に光に対して敏感ですので、早く眠るためには夕方以降、室内の灯りも暗めにするなど、体を「夜モード」にすることが大切です。
ちなみに朝の光も重要です。1日の最初に太陽の光を浴びてから約15~16時間後に、眠気をもたらす「メラトニン」という物質が分泌されるといわれています。
ですからなるべく規則正しい生活を送り、朝は早くからカーテンを開けて日光を浴びるようにしましょう。
By 叶恵美
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