水も砂糖も塩も決められた致死量があった!~取りすぎると死にます
私たちの生活を支えている薬品には「致死量」が設定されている場合があります。
間違った取り扱いを避けるため、一つの指標となるものですが、実はもっと身近な、意外なものに致死量が指定されていたのをご存知でしょうか?
水や塩、砂糖など、生命を維持するために必要なありふれた物質は、多く取り過ぎると死に至ることもあるのです。
そもそも致死量はどうやって決めているのか?
食品に限った話ではなく、青酸カリなどの毒物を含め、多くの物質に「致死量」が割り当てられています。
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何をどれだけ口にしたら死に至るか、というのは正確な数値を指定することが困難です。
同じ体重の人が同じ量を食べても、その時の体調により絶対に死亡するとは限らないからです。
その際の「ものさし」として、半数致死量という考え方が一般的です。
平均的な体力や体重をもつ人間のおよそ50%が死亡する、という数値です。これを決めるために、誰かが命を投げ売ったのでしょうか?
この時、実際に中毒事故などで死亡してしまったケースなどを参考にします。
そのほかにも動物実験や、人体実験(戦時中に僅かながら存在していた)などからも情報を得ています。
しかし現在では、人体実験は倫理上不可能ですし、動物実験も動物愛護の観点から消極的です。
何より「致死量」はおおむねの値を知ることができればよいとされています。
こちらでご紹介している致死量も、実は参考にする資料によって大きな幅があります。
塩は30~300グラム
「敵に塩を送る」という言葉にあるとおり、塩は人間にとって大変重要な栄養です。
人間どころか、地球上の生命はそのほとんどが塩を必要としています。
しかし、それもごく少量を摂取した場合の話であり、摂取し過ぎると死に至ることもあるようです。
塩の主成分である、塩化ナトリウムの致死量は300グラムです。血液中のナトリウム濃度が極端に上昇すると、命の危険に晒されることになります。
しかし、一日の摂取量は10グラム以下が推奨されており、近年では塩分のとり過ぎを控えることが慣習となっているため、どう間違っても300グラムもの塩を摂取することはないでしょう。
塩を大量に摂取することは大変辛いようです。あの有名な芸人「江頭2:50」さんが、某番組でさまざまな伝説を残した上で、「大量の塩を食べた時」を本当に死ぬかと思った第一位として掲げるほどでした。
しかし、塩分の過剰摂取を避けるあまり、まれに塩分不足により病院に運ばれるケースもあるため、必要なものであるということは忘れてはいけません。
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水は一日10~30リットル
水も、塩と同様に生命にとって絶対に必要な成分です。しかし摂取し過ぎると稀に死に至ることがあり、これは水中毒と呼ばれております。
塩分のとり過ぎの場合は、血液中のナトリウム濃度が高くなりすぎることが原因でしたが、水中毒の場合は逆にナトリウム濃度が低くなりすぎることが原因です。
一日あたり10リットル飲んでしまうと、この数値を上回ってしまいます。
普通に考えて、10リットルもの水を飲むのは不可能です。
しかし、過度なダイエットを目的とした水分の大量補給や、下痢や猛暑などによる脱水症状からの回復のための水分補給の場合には、短時間に大量の水分を摂取してしまうことで、水中毒となる恐れがあります。
この場合、一般的なスポーツドリンクでは塩分濃度が低すぎることがあり、経口補給水などを飲むほうが良いでしょう。
脱水症状には気をつけたいですが、水中毒にも同様に気をつけるべきです。
<経口補給水の作り方(一例)>
※水1リットル・砂糖40グラム・食塩3グラム 以上を混ぜる。
カフェインは10グラム
人間の生活に絶対必要な栄養ではありませんが、コーヒーやコーラ、近年流行のエナジードリンクなどに含まれており、興奮作用があるため国を問わず昔から好まれている、かなり身近にありふれた物質です。
その毒性は意外と高く、10グラムも摂取すると命の危険を伴います。とはいえ、10グラムの摂取はかなり困難です。
コーヒー一杯に含まれるカフェインは、多くてもせいぜい100ミリグラム…つまり0.1グラムです。100杯ものコーヒーを飲み干す前に、水中毒の危険があります。
しかし、これはあくまでもカフェインによる急性中毒のお話であり、錠剤のカフェインなどを多量摂取しない限りは無縁といえるでしょう。
気をつけるべきは慢性中毒であり、一日250ミリグラム程度のカフェイン摂取を継続すると慢性中毒に陥りることがあります。
慢性中毒の症状としては、あせりや興奮、睡眠への障害や頻尿などがあります。この時、カフェインを中断した場合には、頭痛が2~3日ほど続く事もあるようです。
100グラム程度の摂取でもこれらの症状が現れることがあるため、体調が優れないという方は、コーヒーなどを控えてみてはいかがでしょう?
砂糖は1キログラム
いくら甘いもの好きな方にとっても、あの砂糖1キロの袋を全部食べろと言えば嫌な顔をするでしょう。死ぬためにこんな事ができるのならば、どんな困難にも立ち向かえるでしょう。
一般的なチョコレートに含まれた砂糖は、その総量の4割程度です。2.5キロものチョコレートを食べなければ、この数字に達することはできません。
しかし砂糖は、致死量まで至らない量の摂取であっても、多くの病気を引き起こすことでも知られています。虫歯はその一つに過ぎません。
アルコールやタバコと同様に害があり、依存症さえあり得るため、規制が必要だとの考えもあるようです。
しかし取り過ぎによる健康被害は、砂糖に限った話ではなく、これまで見た通りどのような物質も危険となる場合があります。何事も適量で済ませるのが重要です。
byヒビタカ
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