アメリカ大陸横断鉄道「アムトラック」の4日間の旅でなぜか痩せた私
「大陸横断鉄道」と言えば、ユーラシア大陸を横切る「シベリア鉄道」のイメージが強いかと思います。
しかし、実は北アメリカを横断する列車があるということはご存知でしょうか?
アメリカ横断鉄道、その名は「アムトラック カリフォルニアゼファー」です。なんと4日間をかけて、アメリカを横断します。この鉄道に乗ってアメリカという国の広さを改めて再確認してきました。
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東の都ワシントンから西海岸のサンフランシスコまで一直線
ごく簡単にアムトラックを説明すると、アムトラックはアメリカ全土を縦横無尽に走る長距離列車の総称です。その路線のひとつひとつにカリフォルニアゼファーみたいなちょっとかっこいい路線名が付いています。
ちなみに、実際に大陸横断することができるのはワシントンDCからサンフランシスコに向かう「カリフォルニアゼファー」のみです。それ以外にも「アムトラック○○」という、列車は存在しますが、大陸横断はできませんのでご注意ください。
国土の広さを実感!一日電車で走るだけで景色が変わる!!
「日本は四季があっていいねぇ。」なんて言葉をよく聞きますが、実はアメリカも季節がたくさんある国です。というよりも、実際には「同じ時期でも場所によって違う季節がある」という方が正しいような気がします。
アメリカは言うまでもなくとても大きい国です。そのため北ではまだ冬なのに、南ではとっくに春の陽気なんてこともあるのです。カリフォルニアゼファーに乗ればその季節をいっぺんに味わうことができます。
アリゾナの砂漠、ロッキー山脈、大都会シカゴなどの風景をいっぺんに見ることができるのです。景色が変わるたびに、「本当に同じ国を旅しているのか?」などといった錯覚に襲われるほどにコロコロ景色が変わります。
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景色は最高…でも夜になると本当に何も見えません
というわけで、カリフォルニアゼファーの窓から見える景色はとてもすばらしいです。毎日のように、いえ毎時間のように景色が変わるのですから、まさに退屈する時間なんてないはずですよね。
しかし、実際には残念ながら退屈する時間があるのです。それは「夜」です。夕方を過ぎてからの景色はまさに「漆黒」、窓の外は残念ながら光一つ見えないのです。普通の電灯すら見えません。
というのもカリフォルニアゼファーが走る地域は、駅があるところ以外は基本的に超ド田舎のみです。そのため、人っこひとりいない道を走る時間の方が多いことから、夜は外をみても何も見えないのです。
まぁ、逆をかえせば日中は人がまったくいない広大な自然が見られるのですから良いといえばいいのですが、7時くらいから寝るまではずーっと真っ暗闇。この時間は本当になにもやることがありません。もし寝付けなかったら、何時間も闇を見つめ続けることになります。
しかし、カリフォルニアゼファーにはなんと「コンセント」があるのです
ですから、アムトラックに乗ってしまったら夜の間の暇つぶしは絶対に必要です。なくてもイケるといえばイケますが、相当にキツいはずです。ドイツの哲学者ニーチェは言いました。
「深い闇を覗き込むと、深い闇もまた君を見つめ返してくる」と。本当の暗闇をずっと見続けるのは思っている以上に精神的にキツいです。そのため、鉄道の旅を100パーセント楽しむためにも、「暇つぶし」を持つべきなのです。
そこで、筆者がオススメするカリフォルニアゼファーの暇つぶしがスマートフォンやタブレットPCなどの電子機器です。一般に長距離移動では充電が切れてしまうため、電子機器を使った暇つぶしはあまり好まれません。
しかし、カリフォルニアゼファーにはたくさんの「コンセント」があります。自分の座席にも一人につき一つ、展望デッキにも椅子ごとに一つずつ設置されています。そのため、充電の心配はいりません。
残念ながらインターネットは接続できませんので、最初から暇つぶし用のゲームや漫画、書籍などをインストールしておけば、80時間の旅でも退屈せずに過ごすことができます。
いざとなったら、食堂車でドカ食い!!…高いけど
まぁ、中には「パソコンばかり見るのはそれはそれで疲れる。」という方もいらっしゃるかと思います。そういった方にオススメなのは、現在の日本ではほとんど見ることがなくなった「食堂車」です。
食堂車では、本格的なアメリカ料理やお酒を楽しむことができます。特にステーキは絶品!!食堂車の名物になっています。ただ、アメリカとは思えないほどサイズが小さくて、3000円くらいするのですが(笑)
ちなみに筆者は隣の席に座った紳士におごってもらい、名物のステーキをいただくことができました。フィレ肉であっさりしていて、日本人でも簡単にペロリと食べられる美味しいステーキでした。
アムトラックの値段は4日間で2万円強程度です。移動日+宿泊費と考えれば、とても安いので、一度くらい贅沢してステーキを食べてみてもいいかもしれません(笑)。ちなみに筆者はおごってもらった一食以外は、ほとんど水だけで過ごしました。
そのため、アメリカを横断したのに「痩せる」という珍しい体験ができました。到着地のサンフランシスコでクラムチャウダーを食べ過ぎて一瞬で元に戻りましたが…。
文・たきゅ佐々木
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