投資におけるレンジブレイクに見る人間模様
レンジブレイクってそもそも何?
株やFXなどの世界でよく使われる言葉にレンジブレイクというものがあります。
たとえば、現在上昇中の銘柄が900円台を突破して大台の1000円にチャレンジするも、そこでなんども押し返されてしまう。
そうすると、この1000円というのが1つの壁になってしまいます。
その後何度かこの1000円の位置で押し問答を繰り返したのち、ついにその1000円を抜けると、こんどは加速がついたように株価が一気に上昇していくというものです。
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これがいわゆるレンジブレイクと呼ばれる値動きです。
実際に過去のチャートをいろいろと眺めていると、明らかにレンジブレイクのパターンになるケースが非常に多いことに気が付きます。
なぜレンジブレイクは起こるのか?
では、一体なぜレンジブレイクは起こるのでしょうか?
そこには、人間の心理に裏付けされた明確な理由があります。
たとえば、Aさんという方が、その株を過去に1000円で買っていたとします。
Aさんは、自分の買った株がその後大きく値を下げてしまったので、なんとか売るタイミングを見計らっていました。
そんな時に、かつて自分が買った株価である1000円まで値を戻してきたわけですから、これ幸いとばかりに速攻で売ります。
俗にいう戻り売りというやつです。
そうすると、これまで順調に値を上げてきた株価が、売りを浴びせられたことで上昇にストップがかかります。
もちろん、Aさんがよほどの大株主でもない限り、Aさん一人が株を売ったからと言って上昇の動きを止めることは出来ないでしょう。
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しかし、1000円などのようなキリのいい数字には、Aさんのように虎視眈々と売るタイミングを習っている投資家がワンサカいるわけです。
彼らがどんどん売りを浴びせることで、上昇を見込んだ投資家たちが買えども買えども1000円の壁で跳ね返されることになります。
しかし、株価の上昇の勢いの強いときには、その戻り売りをしっかりと消化して、やがて1000円の壁を越えて上昇していきます。
次の節目まで、抵抗勢力はいませんから、株価は急上昇することになります。
これが、いわゆるレンジブレイクの起こる仕組みです。
ダマシにはくれぐれもご注意を
上昇の勢いにまかせて壁を突き破ろうとする買い方と、待ちに待った売るチャンスを逃してなるものか必死になる売り方が作り出す、人間ドラマといってもいいかも知れません。
「抜けた!」と思ったら、買いを入れてみるのもいいでしょう。
うまくレンジブレイクに乗ってウハウハなんてことも十分あり得ます。
ただし、一見レンジブレイクに見えても、その後上昇せずに下落してしまうケースも少なからずありますので、その点はご注意を。
これを「ダマシ」といいますが、投資の世界にはよくある話です。
By知る蔵
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