ハンガリーで映画オーディションを冷やかしで受けたら、なんと合格!?
「銀幕デビューしたい」と考えたことがある、もしくは現在進行形で考えているという方はいらっしゃいませんか?
僕は常に考えていました。まぁ、演技経験はゼロなのですが…。
しかし、そんな演技経験ゼロの僕がまさかの「ハンガリー」で映画のオーディションを半分冷やかしで受けることになったのです。そして、ものの見事に合格!なぜ僕がオーディションに合格したのでしょうか?
ことの始まりは宿のオーナーの「一言」から
僕は、ハンガリーにひと月近く滞在していたことがあります。当時は世界を股にかける弾丸バックパッカーだったはずなのですが、ハンガリーのホステルのあまりの居心地の良さに「沈没」。宿からほとんど外に出ない生活をしていました。
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そんな僕はもはやほとんど「寄生虫」状態。一歩も外にでなくても何も感じませんでした。なんとなく「このまま旅の期間が終わっちまうかもしれないなぁ…まぁそれもいいか(笑)」と壊滅的な思考に陥っていました。
そんな僕の姿を見かねた宿のオーナーが、「今から映画のオーディションがあるんだけど、一緒に受けてみない?」と提案してくれました。いくら寄生虫の僕でも、映画に出られるかも…なんて言われては動き出さずにはいられませんでした。
そして、僕と数名の日本人と宿のオーナーでオーディションを受けに行くことが決定しました。
オーディション会場は超立派な巨大スタジオの一室でした
宿のオーナーに連れられて、路面電車に乗ることおよそ10分。すぐにオーディション会場につきました。正直にいってその段階では、オーディションを受けることができるという情報以外、誰もなにも知りませんでした。
そのため、「多分エキストラだろうし、オーディションなんていっても簡単なものだろう」とみんな高をくくっていました。しかし、実際にオーディションを受ける会場は超巨大スタジオ…。どう見ても簡単なオーディションって雰囲気ではありませんでした。
オーディションの内容は…「そこで思いっきり戦ってみて!!」
オーディションは控え室から、オーディションルームにひとりひとり呼び出されて行うかなり本格的なものでした。そのため、控え室の雰囲気はかなり真面目な感じ…冷やかし程度の気持ちで来た僕たち日本人は「場違い感」が否めない感じでした。
数人のオーディションが終わり、ついに僕がオーディションを受ける番が来ました。とはいえ本当のところ、まったく緊張しませんでした。というのも、僕は演技などしたことがありませんし、受かるわけがないと確信していたためです。
オーディションルームに入るとすぐに面接がはじまりました。面接は本当に簡単なもので、年齢や身長、体重などを聞かれるだけでした。その後、ついに演技の審査がはじまりました。
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その審査課題は「その場で戦ってみて。」というものでした。「なんでこんなところで戦うんだ?」とも思いましたが、演技課題を聞いたとき僕は合格を確信しました。というのも、実は僕は根っからの格闘技好き。殴る蹴るの動きは得意中の得意だったのです。
一生懸命、オーディションをしてくれるスタッフの前でシャドーボクシングをしました。演技というよりも、いつもの練習でやっていることをそのままやってみただけですが(笑)。
「合格だ!空手使いのヤクザの役は君にしかできないよ!!」
動き始めると、スタッフが何やら「ざわざわ」しだしたのが横目に見えました。それをみて合格をますます確信しました。そこで派手に後ろ回し蹴りを決めた瞬間、「パーフェクト!すばらしい!」との声が飛んで来ました。
そして、「ぜひ、君には我々の映画に出演して欲しい。『空手使いのヤクザ、TATUMI』の役は君のものだ」と言われました。空手使いのヤクザって一体なんなんでしょう…。
オーディションのあと、出演交渉はトントン拍子で進みました。しかし、おもった以上に撮影期間が長く、ビザが切れてしまうこともあり、結局出演することはできませんでした。ちなみに、もし出演していたらセリフが何十個もある主要キャラクターでした。
正直な話をしてしまえば、セリフの多さと役の重大さにビビってしまい、オファーを受けきれなかったという理由もあります。演技経験もありませんし(笑)。でも、今考えると…やっぱり少しもったいなかったようにも感じます。出ておけば良かったかな?(笑)
実はヨーロッパでは結構アジア人の俳優を募集していることが多い
「映画のオーディションに受かる」なんて聞くと珍しいことのように感じられるかもしれません。しかしアジア人は、ヨーロッパを旅しているとちょくちょく「映画に出演しない?」と声をかけられることがあります。
というのも、理由は非常に簡単です。ヨーロッパにはアジア人の俳優がほとんどいないのです。ヨーロッパの映画界では慢性的なアジア人の俳優不足に悩んでいるそうです。ですから、ヨーロッパではよくアジア人向けのオーディションが開催されているのです。
もし、「映画に出たくてしょうがない!!」という夢がある方は、ヨーロッパのオーディション情報を漁ってみてはいかがでしょうか?
文・たきゅ佐々木
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