ハブやマムシより強力な毒を持ったヘビが日本にいるのをご存知ですか?
ペットとして爬虫類を飼育している方もそれほど少なくありません。
最近ではペットショップのみでなく、ホームセンターなどで売られていることも珍しくありません。
そんな爬虫類の中でも私たち日本人にとってもっとも馴染み深いのがヘビなのではないでしょうか?
好き嫌いが分かれてしまいますが、古来から白ヘビを神の使いとする伝承などものこっているほどに古くから人間の身近な場所にいる存在でした。
しかし、ご存じのとおり、時には人の命を奪ってしまうほどに危険な毒をもった種類も生息しています。
ハブやマムシが有毒ヘビであることを知らない方はほとんどいないと思います。しかし、毒性の高さではそれ以上に危険なヘビが日本にも生息しています。
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おなじみの気弱なヘビ、ヤマカガシの持つ秘密
▲東日本で多くみられる発色の鮮やかなヤマカガシ
マムシやハブがとても危険な生物として知られている理由は毒だけではありません。彼らはとても攻撃的な性格で、時には自分から人間にとびかかることもあるためです。
しかし、とてもおとなしく臆病な性格でほとんど自分から人を襲うことのないヤマカガシが猛毒を持っていることをご存じですか?
日本全国のいたるところで見ることのできるヘビですが極めて攻撃性が低く、噛まれてしまう事例も少ないため、長い間有毒であることを知られていませんでした。
しかし、ヤマカガシの持つ毒はハブの10倍、マムシの3倍にも及ぶと言われています。大人しいヘビですが、体の中には恐ろしい凶器を隠し持っているのです。
しかし、これほど強い毒を持っているにも関わらず、どうして長い間有毒でないと思われ続けてきたのでしょう?
どうしてヤマカガシは無毒だと思われていた?
▲西日本ではこのように黒化した個体が多くみられる
少し研究すれば有毒であることくらいすぐにわかるのでは?と思われる方も多いでしょう。確かに普通のヘビであればすぐに判別することができます。
一般的な毒ヘビは前歯から毒を注入するため、見ればすぐにわかってしまいます。
しかし、ヤマカガシの場合、毒を出すのは前歯ではありません。奥に毒牙を持っています。なので長い間無毒であると思われていたのです。
ヤマカガシの持つ秘密はこれだけではありません。牙の他に、頸部からも別の種類の毒を飛ばすことができます。これもとても危険なもので、万が一目に入った場合、失明してしまう危険もあるようです。
個体によっては鮮やかな黄色であったり、オレンジの斑点が出ていることもあり、とても見た目の美しいヘビです。
さらに大人しい性格ということもあって、爬虫類好きな方であればつい触りたくなってしまうかもしれません。
しかし、何かのはずみで咬まれてしまったら最悪の場合、命を落としてしまうことになります。
また、咬まれる例の多いマムシとちがい、血清を置いている病院もそれほど多くありませんので、見かけても絶対に近寄らないようにしましょう。
もっとも、気弱な彼らは人間を見たとたんに逃げてしまうことがほとんどですが。
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色鮮やかなカラーリングのヒャンの持つ毒性はハブの4倍以上?
▲とても美しい色に大人しい性格…毒がなければペットとして人気者だったかも!?
ヒャンというヘビをご存じでしょうか?日本本土に住まわれている方にはあまり馴染みのない名前かもしれません。
ヒャンは奄美大島などのごく限られた地域に生息している小型のヘビです。前述のヤマカガシと同様、非常に大人しく、臆病な性格のヘビとしてよく知られています。
赤や白の縞模様の体はとても美しく、愛好家の間でもとても人気の高いヘビの一種です。
そんな小さく、大人しく、そして美しいヒャンも実は猛毒の持ち主です。その毒性はなんとハブの4倍以上!万が一咬まれてしまうと適切な治療を早急に施さなければ命にかかわります。
ただ、ヤマカガシと同様に自分からおそってくるなんてことはほとんどありません。しかし、あまりにも美しいカラーリングと可愛らしいサイズに惑わされて手を出さないように注意してください。
ウミヘビはコブラの仲間?もしも海中で咬まれたら…
▲不思議な模様のウミヘビ…実はコブラの仲間なんです
国内に生息する毒ヘビとして忘れてはならないのがウミヘビです。彼らが猛毒を持っていることは多くの方はご存じでしょう。
実はこのウミヘビ、マムシやハブなどとは違い、コブラと同様の神経毒を持っています。
その名の通り、神経を麻痺させる種類の毒ですので咬まれてしまうと体の自由が利かなくなり、最悪の場合心臓麻痺によって死にいたるケースも少なくありません。
そして彼らが生息するのは海です。海中でこの神経毒にやられてしまうとどうなるでしょう?心臓にまで達することがなくとも、体の自由が利かなくなれば溺れてしまいます。
ダイビング中などに万が一咬まれてしまった場合はすぐに船上にもどり適切な処置を受けなければなりません。
このようにとても危険な毒を持っているウミヘビですが、基本的には温厚な性格ですので、刺激しなければ襲ってくることはありません。
もし、近くに彼らの姿が見えたら、騒がずにそっとその場を離れるようにしましょう。
まれに好奇心で人間に近づいてくることもありますが、決して手で振り払ったりせず静かに逃げるべきです。
国内に生息する毒ヘビはハブ、マムシだけではありません。ここでご紹介したヘビたちは攻撃性は高くありませんが、持っている毒はかなり強力なものです。
繰り返しになりますが、見かけたとしても絶対に手を出さないしょうにしてください。そうすれば何の害もありません。
まれに毒ヘビだ!と騒いで駆除しようとする人がいるようですが、素人が手を出すのはあまりに危険です。絶対にやめましょう。
Byチリペッパー眞木
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