トイレットペーパーのないインドネシアでは左手でお尻を洗います
インドネシアの伝統的なトイレにはトイレットペーパーがなく、用を足した後には水を使って洗い流します。
まず右手にひしゃくを持ち、水を流しながら肛門周りを洗うこのシステム、地球にとっても優しい方法ですが、トイレットペーパーに慣れた人には大きな勇気がともないます。
あれ?両手を使ってる?
近年インドネシアは著しい経済発展を遂げていますので諸外国企業も進出し、それにともなって西洋風の便器やトイレットペーパーも普及してきていますが、ちょっとローカルな場所に行けばまだまだ伝統的トイレが主流です。
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そのため部位を洗う左手は不浄の手と呼ばれ、食事時に左手を使うのはタブーとされています。しかしこれはあくまで一般論やガイドブックでの話なのです。
私が実際にインドネシアに来てみると、タブーのはずの左手で握手も行われていますし、食事時にだって左手が使われています。
その実態をたしかめるべく、あるインドネシア人の友達をディナーに誘い、ワルン(インドネシアの食堂)で魚を食べていたときのことです。
何のためらいもなく両手を洗い出し、右手と左手の両方を使ってキレイに魚をほぐし出し、器用に魚の骨を取り、ご飯と一緒に口に運んでいるではありませんか!
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たしかに口に運んでいるのは右手でしたが、左手で魚の身を取り出し、それをご飯の上に乗せて食べるなら一緒だと思うのですが…。
だって、その方が便利だから
念のため「左手で食べたね?」と聞いてみると、「だって両手を使ったほうが簡単じゃん」と正論すぎる答えが返ってきました。
同じ店にいたその他のインドネシア人を観察してみても、誰一人として右手のみで食事をしている人は見かけませんでした。
私たちは行ったことがない国や地域に関して報道されている情報を頼りにしてしまいますが、私がインドネシアに来て強く実感したのは文化や習慣、風習は時代の流れとともに変わりつつあるため、情報だけを鵜呑みにしてはいけないということ。
もちろん左手が不浄の手であるという事実には変わりはありませんが、不浄の手であろうと宗教的な背景があろうと、現代では「そのほうが便利である」という事実が認識されてきているんですから。
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