薬が原因でアレルギー症状がでる理由~命にかかわることもあります!
人の体と言うのは、外敵から身を守るためにさまざまな対策を持っています。
体内に入ってきた細菌などと戦うために体にあるのが免疫作用と言われるものです。
抗体という言葉を聞いたことがある方もいると思いますが、抗体が細菌などを攻撃し、駆逐することで病気などにならずにいることができます。
しかし、この免疫に薬で異常が起こると、思いもよらないことが体に起こることになります。これが、アレルギー作用になります。
医薬品を使っている場合、このアレルギー作用が引き起こされることがあります。
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代表的な薬物アレルギーのひとつ~アナフィラキシー反応
同じ薬物を以前に服用したことがある場合、あるいは成分の似た薬を以前に利用したことがある場合に起こるのが、薬物アレルギーと言われ、その種類は主に4種に分けられることになります。
まず、アナフィラキシー反応というものがありますが、これは体の中に入った薬がIgE抗体というものを作り、これが肥満細胞に結合します。
この状態で、同じ薬を再度使った時に、薬が抗体と結合して抗原抗体反応と言われるアレルギー反応を起こすことになります。
アナフィラキシーショックという言葉を聞いたことがある方も多いでしょうが、いわゆる蜂に刺された場合に起こすショック症状と同様のものです。
細胞毒性反応と免疫複合体血管炎
次に、細胞毒性反応というものがあります。人間を作っている細胞の細胞膜に結合した薬が抗原となって、IgGあるいはIgM抗体といわれるものが作られて結合します。
これが血中の補体と結合することで活性化すると、それが原因で溶血性貧血や血小板減少症などを起こしてしまうのです。つまり、体を治すための薬が毒と同様の効果を発揮してしまうケースです。
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また、免疫複合体血管炎が起こることがあります。これは、以前飲んでいた薬が作っていた複数の抗体が体の中で結合することで、薬物抗体複合体を作り出し、それらが何らかの理由で活性化してしまい起こるアレルギー症状になります。
この薬物抗体複合体はできた時点でアレルゲンと認識されるので、白血球の一種である好中球がこれを食べに来るのですが、その際に出る炎症を起こす物質によって血管壁が傷ついてしまうのです。
塗り薬などの場合に見られる炎症~接触湿疹
他にも接触湿疹というものがあります。これは、塗り薬などの場合に見られるアレルギー性の炎症です。
血液中にTリンパ球というものがありますが、皮膚からの薬剤成分がこれと結合してリンホカインという物質が出ることがあります。このリンホカインが痒みや炎症を起こしてしまうのです。
薬剤師という仕事をしていると、ひどいアレルギー症状の方と会う機会は多いのですが、アレルギー症状に対して敏感な方の話を聞くと、いくつか使えない薬剤はあるということでした。
アレルギーは症状というのは、それが強く出れば命に関わる怖いものですから、薬の使い方は十分に注意したいですね。また、少しでも体に異変を感じたら、すぐに使用を取りやめて医師かわれわれ薬剤師に相談するようにしてください。
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