ラマダン中だって食べちゃうもんね!~バリ島住民たちのお茶目な解釈
私の住むバリ島はバリ・ヒンドゥー教徒が多いですが、インドネシア全体で見ると、世界で一番多くのムスリム(イスラム教徒)を抱えています。
宗教にうとい人でも、一度はラマダンという言葉を聞いたことがあるでしょう。ラマダンとは、イスラム教におけるヒジュラ暦の第9月に行われる断食月のことであり、この一ヶ月間ムスリムは義務として日の出から日没までの間の飲食を絶ちます。
断食というと滝で打たれる修行僧のような過酷なイメージがありますが、イスラム教のラマダンは日没後には自由に飲食ができ、また普段よりも豪華な食事を摂る傾向がありますから、さほど厳しいものではありません。
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飲酒もOK?ゆる~いムスリムたち
このラマダン期間内は、普段は営業しているレストランが休業しているため、旅行客に影響がある場合がありますが、日没と共にたくさんのお店や屋台が開き、おなかをすかせたムスリムが一気に詰め掛けます。
ムスリムと言ってもいろんな人がいますので、厳格にその教えを守っている人もいれば、そうでない人たちもたくさんいるのですよね。
たとえばイスラム教の教えの中でお酒や豚肉は禁止されていますが、実際にはお酒を飲んだり豚肉を食べている人たちがいるのも事実です。
特に、バリ・ヒンドゥー教徒が大多数を占めるバリ島では厳格なムスリムは少なく、なんとラマダン中であってもお酒を飲む人さえいるのです。
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こっそりカップラーメンも食べちゃってます
私が初めてバリ島でラマダンを迎えたときのことです。道端で水を飲んでいて、ふと視線を感じて振り返ると、そこには血走った目つきで私を見る数人のインドネシア人の姿がありました。
いくら宗教の教えとはいえ、灼熱の太陽の下で約12時間も飲食できないことは心身共に大きな負担であり、そのストレスから犯罪に走る人たちも少なくありません。
しかしムスリムの友達が増えるにつれて分かったのは、なんとラマダン月の昼間でもこっそり食べている人がいるということ。
人目がありますので堂々とは食べられないものの、スナックやカップラーメンを買い込み、誰にも見えないところでおなかを満たしているのです。
それはすでに宗教の教えに反しているのじゃないかと聞いてみましたが、さすがユーモア溢れるインドネシア人、「だっておなかが空きすぎて僕が死んだら、アッラーだって悲しむ」と、茶目っ気たっぷりに答えてくれました。
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