統合失調症の発病ピーク年齢と症状
統合失調症は、ほかの病気と比べますと「発病しやすい年齢」が存在しているのが特徴となっています。
具体的には、18歳前後が最もリスクが高いといわれています。その症状について確認してみましょう。
病気となる75%以上が17歳から25歳
いわゆる思春期と言われる年代から、青年期にかけてがかかりやすい病気なのです。
17歳から25歳にかけて発症した患者さんの割合は、全患者さん中75%以上にも及ぶと言われています。
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つまり、4人のうち3人以上は人生80年のうちのごく10分の1程度の期間に集中して発症しているわけです。
この年代以外で発症することはほとんどないと言われています。特に14歳未満の発病はかなりのレアケースに分類されます。
ピークとなる歳は男女で違う
この病気は、発病時期に男女差が存在するのも特徴的。男性は先ほど説明しましたように18歳前後がピークとなっています。
これに対して女性の場合には、22歳前後がピークになっているようです。
さらに、男性の場合ではほとんど見られないような40代以降での発病数も比較的多くなります。
残念ながら出産後に発症してしまうようなケースも報告されています。
ただ一生涯というスパンで比較すると、総患者数自体には男女差は認められません。
上記のようなピーク年齢や男女差などを知っておくことで、早い段階で統合失調症の発症を見つけやすくなるのではないでしょうか?
思春期には少年たちが、そして青年期には女子たちがかかりやすい。これをひとまず覚えておくようにしたいものです。
ちなみに一生涯のうちに発症する可能性は100人に1人、日本では0.7~0.8%程度の発症率となっています。
陽性と陰性と呼ばれる2つの症状
統合失調症の症状には、陽性症状と呼ばれるものと、陰性症状と呼ばれるものの二つがあります。
陽性症状:妄想や幻覚
・極端な被害妄想などに陥る
・起こりえないことをまるでほんとうのように語る
・世界すべてが敵になったかのような言い回し
参考記事:統合失調症でもっとも多い症状である幻聴と幻覚の分類及び特徴
陰性症状:感情の低下など
・感情が表に全く出なくなる
・様々なことをやる気力が起こらなくなる
・部屋を全く片づけることができなくなる
・物事を論理的に説明することができない
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どうでしょうか?この二つの傾向があるということだけを見ても、統合失調症が非常に多面性を持った病気であるということが良くわかるはずです。
診断・判断が非常に難しい病気
上記で紹介した症状はあくまでも傾向論・一般論にすぎません。
各患者さんの症状を見ていきますと、それぞれ「個性的」な病状が出ていることが良くわかるかと思います。
同じ「妄想」であったとしても様々。まるで自身が世界の偉人になったかのような態度を取ることもありますし、逆に周囲から嫌われているという被害妄想に取りつかれてしまう場合もあります。
このような症状が出ずに、外に出て人と接するのを極端に嫌うようになるだけというような場合もあります。
このように考えると、診断・判断が非常に難しい病気だと言うこともわかることでしょう。
そのような症状に覚えがある方も少なくはないでしょう。100人に1人程度がかかる病気なのですから、決して他人事ということはできません。
100人の同級生のうち1人は患者が混ざっている可能性があるわけですから。
絶対にしてはいけない対応
病的な妄想でない場合には、当人自身が「妄想だ」と自覚しているものです。しかし、統合失調症患者の場合には、本人にとっては疑うことなく「リアル」なのです。
たとえば「自分はエジソンの生まれ変わりだ」、と主張をする患者さんがいたとします。
周囲の人にとっては「ネタ」なのかなと思ってしまうこともあるでしょう。
強く否定してしまいたくなることもあるかもしれませんし、避けようとしたくなることもあるかもしれません。
しかし、このような対応が一番よくないのです。当人にとって現実的で切迫している問題なのに、周囲は全然理解をしてくれない。
統合失調症の患者さんでもそのような判断力は残っているわけですから、孤独感を感じてしまうようになってしまいます。
最終的には、「周囲に頼れる人はいない」、「世界はすべてが敵だ」という妄想に発展してしまうこともあります。
日本の社会の目を考えると、決して誤りとは言い切れないのが悲しいですね。
まずはいったん肯定してあげる
ではどのように対処をしていけばいいのでしょうか?
病院に行って治療してもらうように誘導していく必要があるのですが、ストレートに言ってしまうと「敵」と認識されてしまう可能性もあるかもしれません。
まずは相手が言っていることをいったん肯定してあげるようにしましょう。否定や拒絶は何一つ良い結果を生みませんから。
その上で、適切なタイミングで治療へ誘導していくようにすると良いかもしれません。
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