統合失調症だという自覚がない場合にどうやって本人を説得するか
統合失調症特有の症状、それは明らかに異常が出ているにもかかわらず、自分自身はそれが「正常」だと思っている場合です。
つまり「病」気だという意「識」がない。自覚がない。このような状態のことを「病識がない」と言います。この状態の場合には、精神科へ行くことを強く拒むことがあります。
なぜ通院することを強く拒むのか?
通常、家族が病院に行くように説得・お願いをすると、ある程度はしぶしぶ通うようになるものです。しかし、統合失調症の場合には、病院へいってくれないことも珍しくはありません。
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統合失調症になった方にも「自尊心」が存在しています。現在の日本社会では残念ながら、いまだに精神科への抵抗・偏見は強い状態です。
当人もその偏見を抱いたまま病気になっていますから、急に精神科へ行こうと言われても強い抵抗を感じてしまうわけです。
通常の状態でしたら自分自身で感じるところがあれば、多少通院に積極的になるはずです。しかし前述しましたように自覚がない(病識がない)場合には、何もおかしくもないのにどうして行かなければならないのか、と感じてしまうわけです。
参考記事:統合失調症だという病識があるときとないときのそれぞれの対応
本人が気がつかないさまざまな症状とは
統合失調症患者本人が気がつかない、さまざまな症状にはどのようなものがあるのでしょうか。症状別に紹介してみたいと思います。
・幻覚
幻聴・幻声などは当人にとって、はっきりと聞こえてくるリアルな存在。これがおかしいということに気づきもしないのです。
・妄想
こちらも事情は同じです。妄想が生じている場合には、さらに病院に連れていくことが厄介となります。「おまえもあいつらから洗脳されているのか」などの被害妄想を抱いている場合が多いからです。
このようなケースに対しましては、相手をできるだけ傷つけないような言い方を心がけるのが大切です。
・陰性症状
幻聴・妄想などと言ったもののほかにも、言葉がうまく出てこない、頭が回転しない、などの状態もあります。当初は本人も何かおかしいと感じているものですが、やがて症状が進行すると思考力がますます低下して、本人自身が疑問に思わなくなります。
以上のように、統合失調症の場合にはさまざまな症状下で「病識がない」場合が出てくることがあります。このような状態になる前に病気を発見するのが望ましいのですが、すでに進行してしまった場合には仕方がありません。
それ以上症状が進行しないうちに、できるだけ早く病院に連れていく方法を考えていく必要があります。
説得する方法
一方的に決めつけたり押し付けるような態度はできるだけ避けるようにした方が良いでしょう。直接的でなかったとしても、「世間体が気になるから」と言った本音を見せてしまうと相手は強硬に反対するようになることでしょう。
お願いする姿勢を保つのが基本となります。病院に行けば楽になるから、というアプローチで説得するのも一つの手段でしょう。
相手のメリットを巧妙に誘導していく。自尊心を保ったまま病院に連れていく。このためにどのようにアプローチをしていけばいいか、具体的に考えていくようにしましょう。
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