年々増えつつあるうつ病患者と早期発見の大切さ
厚生労働省が3年毎に行っている「患者調査」による、気分障害の一日あたりの受療患者数のデータが示されています。
うつ病などの気分障害の総患者数は、平成8年には43万3000人でしたが、平成20年には104万1000人と、12年のうちに2.4倍に増加しました。
12年間で4倍に増えた患者数
この数値データは、医療機関を受診している総患者数ですが、うつ病患者に関しては、医療機関での受診率が低いため、実際には、このデータに表れているよりも多くの患者さんが存在している可能性があります。
病院の精神科や精神科クリニックの医師ですら、うつ病患者数は増加しているという印象や実感を有している人は少なくありません。
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この病による自殺者は年間6949人
うつ病は、治らない病ではありません。
しかし、気力を失い、生きる意味が感じられないというほどに追い詰められると、自殺を図る可能性のある病気であるといえます。
自殺の原因のダントツの首位にあるのが「健康問題」です。
それに、「経済・生活問題」、「家庭問題」、「勤務問題」が続きます。「健康問題」の最大の原因は、うつ病となっています。
「健康問題」による自殺者は、平成21年には、15865人にも上り、そのうち、うつ病による自殺者は6949人で、43.8%となっています。
このことからも、うつ病が自殺と深い関わりを有していることが判ると思います。
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自殺した人を対象にした調査より、うつ病をはじめとする気分障害が自殺の原因としては、特に重要であると判断した厚生労働省は、うつ病を中心とした対策がとられています。
平成22年には、うつ病を原因とする自殺を抑制するプロジェクトチームが組まれ、積極的に取り組みがなされています。
参考記事:うつ病患者の「死にたい」という気持ちとどのように向き合えばよいか
早く気づくことと適切な治療が大切
うつ病は、昔からよく知られている、非常に一般的な病気です。ところが、うつ病の症状があっても、本人や家族が気付かないとか、うつ病の疑いのある場合でも、精神科を受診することをためらって、適切な治療を受けずにいる人が少なくありません。
うつ病は、自殺につながることが珍しくない病気であるといえます。早期に発見し、適切な治療を受けることによって、自殺者を大幅に減らすことも可能なのです。
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