更年期から高齢期にかけてのうつ病と紛らわしい痴呆症に似た症状
45~55歳ぐらいまでのこの時期は、人生において、大きな転機が多くある時期です。
家庭内での役割が大きく変化し、健康面や老後の生活の不安が生じたり、容貌が老けたり衰えたりして、不安定な心理状態になることが更年期のうつ病発症の要因となる場合もあります。
子どもが独立することによる「空の巣症候群」や、親の介護などによる「介護うつ」なども、更年期のうつ病の発端になります。
更年期の気分的な落ち込みは、多くの場合、「更年期だから仕方ない――。」と考えられます。しかし、うつ病を発症している場合もあるため、その識別は、自分では困難なので、できるだけ早く医師に相談するべきであるといえます。
参考記事:40代からの夫婦生活や更年期障害による「うつ病」へのプロセス
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定年退職が病の発端となるケースも
歳をとると、身体の自由がきかなくなることから、外出する回数が減ったり、病気になったり、家族や親しい人を亡くしたり、社会的な役割がなくなったり、収入が減少したりと、うつ病を発症するリスクが高くなります。
職業を持っていた女性の場合、定年退職がうつ病の発端となるケースもあります。その一方で、配偶者を失ったときの落ち込みは、男性に比べると、女性は比較的軽く、立ち直るのも速いといえます。
うつ病の高齢者は、痛みや身体の不調を訴えたり、口うるさくなったり、イライラや怒りが頻繁になったりする場合があります。歳をとると、このような症状が出ることは当たり前なので、家族もうつ病とは考えず、見逃してしまいがちです。
認知症と間違われやすい症状って?
行動や反応が鈍る、物忘れがひどくなる、自分の居る場所がわからない、「お金をとられた」といったような被害妄想が出るなど、認知症と紛らわしい症状も現れてきます。
認知症の場合、物忘れしても気にしないのですが、うつ病の場合、気に病んで落ち込んでしまったりします。
認知症は症状が進行性であるのに対し、うつ病は、治すことが出来、それによって、症状も改善します。しかし、うつ病が認知症と重複している場合もあるため、早めに専門医に受診しましょう。
男女ともに、高齢者になるほど、自殺死亡率が高くなりますが、その中には、うつ病を原因とするものが多く見受けられます。うつ病の高齢者は、家族が自殺の危険を回避するよう配慮する必要があります。
SSRIやSNRIなど、高齢者にも適した抗うつ薬があります。それらを利用した治療を積極的に試してみるのもよいと思われます。
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