手術室看護師になって初めて知った、とても温かい人間の体
手術室看護師になると、病棟看護師で働いていたときにわからなかった人間の体を知ることができます。
もちろん、看護師になる前に、看護学生時代から、人間の体にはこの臓器がここにあって、血液はどのくらいあって、この細胞の役割は…など、学習しているはず。
しかしながら、手術室看護師になってみないと、人間の体について、わからないことはたくさんあることに気がつきます。
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臓器ってこんなに温かいのか
たとえば、子宮全摘出術および子宮附属器摘出術の外回り看護を行ったときのことです。臓器が摘出されるタイミングで器械出し看護師より、声がかかり、臓器を受け取りました。
摘出された臓器は基本的に、重さを測り、写真を撮るわけですが、その際に私の手がその臓器に触れるわけです。もちろん、スタンダードプレコーションの観点から、手袋を着用しています。
ただし、手袋といってもビニール製なわけですから、臓器のぬくもりを感じるわけです。
そのとき私が一番に感じたのは、人間の体の臓器ってこんなに温かいのか、ということです。また同時に個人的な感情として、子宮という臓器を持ったことによって、子宮の重さや形から生命の誕生が頭をよぎりました。
昔もこれから先の未来も、またどのような人種も子宮の中で生命が育っていくことの神秘さを感じることもできました。
看護は科学的である一方豊かな感性も重要
このように、看護師になって肌で感じるということはとても大切なことだと思います。
とかく、看護は科学であるからこそ、根拠を導かないといけないという型にはまってしまいますが、こころで感じる感性も養っていかなければならないと思います。
もちろん、看護にとって科学的根拠は必須である一方、感性を維持すること、豊かにすることも重要でしょう。
私も看護師になってから、知識や技術を培うことができましたが、その分、感性を犠牲にしてしまったことも多々あります。むしろ、なぜ看護師になったのかという根本的な理由も忘れてしまったくらいです。
しかしながら、看護師を続けてきて、体の神秘と接触したことによって、少しばかり感性を養えたかと思います。
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