心よりも身体に症状が出やすい仮面うつ病
うつ病では、心の症状に焦点が当てられがちですが、身体もSOSのサインを出していることがあります。心の症状と同時に表れたり、身体の症状が前面に表れるタイプのうつ病を「仮面うつ病」と呼んでいます。
「苦しい」「辛い」といった気持ちを言葉で表すのが不得手な人や、自分の意見を言えないような環境で育ってきたような人は、心の症状よりも身体に症状が出やすいという印象を受けます。
更年期障害と似ているため、治療が遅れがちに
仮面うつ病で注意が必要な点は、身体の病気と間違えられやすいということです。身体の症状が前面に表れていれば、その症状によって内科や精神外科、婦人科などを受診するのが通常です。
各科で検査を行っても、異常は発見されないため、精神疾患の疑念を持ち、精神科に紹介されるという流れを辿ります。
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ただし、身体の症状を診てもらった医師に「心配しすぎ」、「様子をみましょう」などと言われてしまう場合もあります。
身体の症状があっても、異常が発見されずに、症状が改善しない場合は、心療内科、あるいは、精神科で相談するのがよいでしょう。
仮面うつ病は、更年期の女性や高齢者に多くみられます。その症状は、更年期障害の症状と似ているため、更年期障害であろうと軽く考えて、治療が遅れがちになる場合もあるため、注意が必要です。
「日内変動」と呼ばれる症状の特徴とは?
一般に、うつ病の症状は、朝に最も強く表れ、午後から夜にかけ、少しずつ改善します。そのため、朝刊を読む気を喪失したり、読んだとしても、集中できなくなったりします。
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夕方になると元気になるため、「うつ病ではない」と考えがちなのですが、これは「日内変動」と呼ばれる、うつ病の症状の特徴です。また、天候による影響を受けやすく、雨の日や曇っていて暗い日などに症状が強く表れる傾向があります。
どんな医療機関に相談すればいいのか?
うつ病など、心の病気は、初めは、自分で何とかできるであろうと考えがちです。しかし、できるだけ早く専門医の診察を受け、治療を進めることが、早期に回復するためには必要であるといえます。
心の病気や障碍を専門とする医療機関としては、大学病院・総合病院の精神科や心療内科などの診療所(クリニック)などがあります。病院によっては、精神診療科、神経科が担当している場合もあります。
ただ、このような病院の敷居は、まだ高いと感じる人が多くいるようです。
まずは、かかりつけの医師に相談し、適切な医療機関を紹介してもらうのもよいかもしれません。
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