中国・天津の地下鉄事情 ~コイン型切符、吐痰箱、にんにく臭~
筆者は2008年に中国の天津(北京の隣接都市)に長期留学していました。
当時北京五輪に備えて、天津にも地下鉄ができたばかりでしたが、ここでは中国(天津)の地下鉄事情について書きます。
料金は30円から90円
天津地下鉄の規模は、東京の地下鉄とほぼ同じです。
東京の地下鉄は「都営地下鉄」「東京メトロ」を合わせて「13号線」までありますが、天津の地下鉄も9号線まであります。
(自分が住んでいた頃は工事中の路線、駅もたくさんありましたが)
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駅と駅の間の距離も同じくらいだったので、規模はほぼ同じ(天津の方がやや小さい)と考えていいでしょう。
その規模で、料金は「30円から90円」です。(13年11月のレート「1元=約16円」で換算。実際は「2元~5元」)
90円になるのは16駅を越えてからという設定で、ほとんど路線の端から端に行くのに近いものがありますから、ここまで乗ることはめったにありません。
留学中の筆者は、好奇心で端っこの駅まで行った時を除けば、大抵30円から50円程度の距離しか使わなかったので、「天津の地下鉄は大体30円から50円」と思っていただいてもいいかと思います。
外見は完全に日本と同じ
天津の地下鉄は日本も技術提供をしているため、日本の地下鉄とそっくりです。
車内には小型のテレビのようなものもついており、日本と同じようにCMやニュースが流れています。
路線図なども似たデザインで描かれており、中国語が飛び交っていることを除けば、まったく日本と変わらない外観・内装です。
違った点は「座席がクッションではない」ということです。
現在はどうかわかりませんが、08年の時点では、座席がプラスチックの路線が多かったです。つまり「駅のベンチ」のような座席になっているということです。
これはお尻に何らかの症状(イボ痔など)を抱えている方の場合、少し辛いかも知れません。
ただ、自分や日本人留学生の友達は、座席がプラスチックの地下鉄を生まれて初めて見たので、逆に近未来的で新鮮だと喜んでいました。
(実際、見た目はとても格好いいですし、短時間であれば座っていても気持ちいいです)
にんにくの香りが充満している
中国ならではの特徴として、「にんにくの香りが充満している」ということがあげられます。
後々筆者は北京や上海でも地下鉄に乗りましたが、やはりどこでも同じでした。
中国の地下鉄は、ほぼ確実ににんにくの香りが充満しています。
(よほど空いている時間帯を除けば)
これは口からの臭いもあるのですが、実は毎日のようににんにく等を食べていると、体からもその香りがするようになるのです。
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これは嘘ではなく本当で、筆者も留学から帰って家族が空港に迎えに来た時、その前の数日間、にんにくは一切食べていなかったのに、「にんにくの香りがプンプンする」と言われました。
「服に臭いがついていたんじゃないの」と思われるかも知れませんが、その日だけなら確かにそうです。でも、帰宅後1週間くらいその状態が続いていた(家族談)ということなので、日頃食べているものは、確実にその人の体臭になるのだと痛感しました。
なので、女性がいい香りになるためのサプリメントとして「バラ水(ローズウォーター)」などの商品が人気となっていますが、あれも本当に効果があるのだろうな、と感じています。
(最初に知った時は、非科学的だと思ったりしたものですが)
乗車券はプラスチックのコイン
天津地下鉄の乗車券は、紙の切符ではありません。
プラスチックのコインで、それを繰り返し使うというスタイルです。
(こちらの方がエコなのかも知れませんね。素材がプラスチックではあるものの)
「繰り返し」というのは、スイカ(Suica)などのように「自分のものを持つ」という意味ではなく、改札を出る度にそのチケット(コイン)を地下鉄に返却するということです。
このコインがコロコロとしていて可愛く、ただのチケット以上の愛着を覚える人も多いかと思います。(海外旅行で乗る地下鉄のチケットであれば、どんなものでも愛おしいかも知れませんが。笑)
筆者は定期券は使わなかったので、定期券がどのようなものかは知りませんが、中国の学生が改札をくぐるのをちらっと見た限り、定期は日本と同じようなもので、駅員さんに確認してもらっていたようです。
(当時天津地下鉄は工事中の部分もあったので、今はシステムが変わっているかも知れません)
駅のホームに「タンを吐くための箱」がある
「中国人はあちこちにタンを吐く」というのは、偏見ではありません。
これは中国人も「改善すべきマナー」として認知していて、北京五輪前に天津のマナーも改善しようということで、地下鉄の駅のホームには「吐痰箱」というものが置かれていました。(おそらく、今もあるのではないかと思われます)
自分は当然使いませんし、近づくと臭いがしそうで近づきませんでしたが、友人いわく「結構使われていた」そうです。今になってみると、一瞬臭くても経験のために使ってみるべきだったなと感じています。
何にせよ、このような所にも日中の違いが現れていて面白いですね。
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