J-REIT(日本版不動産投資信託)とは? -仕組み・メリット・リスク等
「初心者向けの不動産投資」の一つに「J-REIT」があります。
ここではその概要・メリット・デメリットを紹介します。
J-REIT(日本版不動産投資信託)とは?
これは「プロに任せる不動産投資」です。
つまり、自分でマンションなどの不動産を運用するのではなく、それをプロに任せるのです。
自分は「お金だけ」を出します。
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お金を出しているので、プロが利益を出してくれたら、その一部をもらうことができます。
正確には「90%」をもらえます。
株式などでも同じように「プロに任せる=投資信託」はありますが、それと比べてもこの「90%」という数字は大きいです。
■なぜ「90%」なのか?
理由は「法人税がかからない」からです。
J-REITを運用するプロ達も、やはり税金は払いたくないのです。
(税金は必要ですが、企業は節税をしないと生き残れない社会になっています)
そして、J-REITの場合は「利益の90%を株主に還元すれば、税を払わなくていい」という仕組みがあります。
このため、J-REITに関わるプロの運用会社は、これほどの高い配当を出してくれるのです。
(ただし、利益がゼロ円なら当然その90%でもゼロ円です)
■J-REITの名前の意味は?
「REIT」が「不動産投資信託」という意味です。
(投資信託の意味は、上に書いた通り「プロに任せる投資」です)
「J」というのは「日本版」という意味です。
もともとREITはアメリカで生まれたスタイルなので、それに「J」をつけたわけです。
日本で語る以上、米国REITでなくJ-REITであるのが普通なので、「J」を略して「REIT」と呼ぶこともあります。
■J-REITの証券は株券と同じ
不動産を扱ってはいるものの、J-REITは株式投資と同じです。
不動産というより「それを運用している会社」を信頼して投資するわけですから、「その会社の株券を買った」のと同じなのです。
なので、この権利を売買する時は、株券を売買するように証券を売買します。
J-REITのメリットは?
■少額でも参加できる
不動産投資はお金がかかります。
ワンルームを自分で持つだけでも1000万円程度は必要です(地域や物件にもよりますが)。
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これに対して、J-REITは「投資家がみんなで少しずつ出し合う」というスタイルなので、「数十万円から」でも参加が可能です。
もちろん、数十万円の投資ではリターンが出たとしても大きな金額にはなりませんが、それでも不動産投資の最初の一歩としては、最適なものと言えるでしょう。
■不動産の知識がなくても参加できる
もちろん、本当は知識が必要です。
ただ、J-REITの運用会社のように不動産に精通するというのは、他に本業がある人では無理です(でなければ、彼らの立場がありません)。
プロの投資会社が長年研究してきた不動産投資のノウハウに、お金を出すことで乗っかることができる。それがJ-REITです。
(ただし、当然プロの運用技術もピンからキリです。彼らの本当の実力を見抜くためにも、出来る限りプロ並みに勉強した方がいいことは言うまでもありません)
J-REITのリスク(デメリット)は?
投資である以上、リスクは当然いろいろあります。
■賃料リスク
地価の変動・人口の変動などによって、「日本全体の賃料相場」自体が下がってしまうものです。
(日本全体でなくても、その地域全体でもいいですが)
こうなると、当然「不動産業界自体が儲からない」状態となるので、当然運用会社も儲かりません。
そうなると、彼らからもらえる配当も下がるか、ゼロになってしまいます。
■金利リスク
日本全体の金利が上がるリスクです。
こうなるとJ-REITの人気が落ちます。
理由は「定期預金に預けた方が儲かる」とみんなが思うからです。
J-REITの利回りが「年5%」で、定期預金も「年5%」だったとしたら、誰でも定期預金を選ぶでしょう。
ノーリスクで確実に配当されるわけですから。
そうするとJ-REITの人気が落ち、人気が落ちた以上、J-REITの株価(証券の価格)も落ちてしまいます。
株券と同じで、REITの証券を売ろうとしても誰も買ってくれない、というわけです。
■法制リスク
不動産投資に不利な法律が制定されるリスクです。
これはもちろん株式投資でも何でもあるものですが、J-REITでもやはりあります。
どんな法律が誰にとって(どの物件・会社にとって)不利か有利かは、千差万別です。
他のリスクでも同じですが、場合によってはそれがチャンスになる可能性もある、ということは覚えておきましょう。
(そもそも、投資はすべてそういうものです)
■災害リスク
株でも「その会社が災害で潰れてしまう」というリスクはありますが、不動産では特にその影響を受けます。
会社の場合はIT系の企業など、WEBのみで動いていて災害など関係ない、というケースもあります。
しかし、不動産ではそんなことは絶対にないからです。
このため、災害のリスクが高い物件は危険です。
それを運用しようとしている会社への投資は避けましょう。
このように、J-REITにはさまざまなメリット・デメリット(リスク)がありますが、それはどんな投資でも同じなので、研究した上で投資の価値があると判断したら、投資してみましょう。
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