コーヒー大国イタリア!~カフェインなしではいられないエスプレッソ好きなイタリア人
イタリアへはじめて旅行する人は、現地のコーヒーの濃厚な味わいに驚くのではないでしょうか。
苦味もカフェイン量も強烈なあのコーヒーを、イタリア人は1日に最低5杯は飲むといいます。
もちろん家で飲むだけではありません。仕事の合間に、職場近くのバールで楽しむコーヒーブレイクも、彼らの生活には欠かせないものです。
おいしいコーヒーへの、彼らの徹底したこだわりとはどのようなものでしょうか?イタリア人の生活の一部であるコーヒー文化について、筆者が実体験をもとにご報告します。
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ヨーロッパにコーヒー文化が伝来したのは、17世紀ごろのことだといいます。イタリアのごく普通の家庭でもこれが飲まれるようになるのは、直火で淹れられる「モカ・ポット」が登場した20世紀になってからです。
この国での一般的なコーヒーはエスプレッソといって、日本の朝食で出てくるアメリカンとはまったくの別物です。高圧でエキスを抽出するので、カフェインが多く、濃厚な味わいが特徴です。
これを小さなデミタスカップに入れ、ひと口かふた口で飲み干します。
カフェのバールとは切っても切れない関係
イタリア人は、1日にどれくらいのエスプレッソを飲んでいるのでしょうか?
午前中に2杯、午後に2杯、夕食後に1杯で、だいたい1日に最低でも5杯くらいは、彼らはエスプレッソを飲んでいるようです。とくに午後は、立ち飲みカフェのバールが大いに賑わいます。
昼食後は集中力がきれやすくなるので、彼らはよけいにカフェインが欲しくなるのかもしれません。
大の甘党でもある彼らは、大量の砂糖をエスプレッソに入れます。カップの底には砂糖が残りますが、スプーンですくってこれもきれいに舐めるのがイタリア流の飲み方です。
町を歩くと、あちらこちらにバールがあるのに気づきます。ここはまさに、イタリア人の生活の要ともいうべきスポットです。
バールは、コーヒーを飲むだけの場所ではありません。
バリスタや常連との会話も楽しめる、おしゃべり好きな彼らにとっては欠かせない息抜きの場所です。勤務中に街角のバールへ行ったとしても、その人が上司から叱られることもありません。
エスプレッソでも飲んで気分転換をしないと、仕事の能率なんてとても上がらないと、みな胸を張っていうのではないでしょうか。
家庭用コーヒー豆の驚きの充実度
イタリア人のどの家庭でも、豆のストックが切れることはまずありません。それぞれの家でお気に入りのブランドも当然あります。
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需要のとても高い食品なので、スーパーでは、コーヒーの販売スペースとして大きな棚1つをそっくりと使っているほどです。
大型店へ行くと、日本でも販売されている有名メーカーのものから、マイナーなご当地メーカー製品まで買うことができます。
刺激物が苦手な子どもや妊婦向けにはカフェイン控え目タイプ、自然食志向の人向けには有機豆タイプと、最近では品質の幅も充実してきました。
便利なカプセル入りの濃縮タイプまで売り出されて、イタリア人のコーヒー生活はますます豊かになってきています。
直火でカプチーノが作れるのモカ・ポットとはどこまでも一緒
家庭で淹れるための器具も、この数年の間にずいぶんいろいろな商品が出てきたように思います。
上部にミルクをいれると、直火でも一気にカプチーノが作れるモカ・ポットは、5年前の発売以来ずっと人気商品です。
家庭でもバール並みのクォリティで飲みたい人のために、小型のエスプレッソマシーンもお手軽価格で売り出されるようになりました。
海外旅行をするイタリア人の中には、わざわざ自分のモカ・ポットを旅先へ持参するひとも少なくありません。郷にいれば郷に従えとは、日本人だけの考えなのでしょうか。
彼らはどこへ行っても、イタリア式コーヒーだけは毎日飲みたいといいます。身内が亡くなったときに、故人愛用のモカ・ポットと豆を棺の中へいれてあげる家族もいるほどです。
大手メーカーのCMには、天国でみんながエスプレッソを飲むシリーズまであります。イタリア人の人生はまさにコーヒーと共にあり、といえるのです。
輝く白い歯のためでもエスプレッソはやめられない
この国で暮らしはじめて、歯の着色が気になるようになりました。ここでの生活が長い外国人は、みんなこうした悩みを感じているようです。
考えてみれば、赤ワインといいエスプレッソといい、こちらには色の濃い飲み物が多いように思います。清潔感のある白い歯を保つためにはどうすればいいのかと、現地の歯科医に質問してみました。
1日に何杯くらいコーヒーを飲むのかという問いにだいたい2杯と答えると、じゃあそれが原因じゃないよと笑われてしまいました。毎日5杯以上飲んでいる彼らからすれば、取るに足らない量に思えたのでしょう。
イタリアにも審美歯科はありますし、彼らにも輝く白い歯への憧れはあるのです。
とはいえ、エスプレッソを飲む快楽をあきらめるくらいなら、少しくらい歯が茶色くなっても仕方ないと彼らは開き直っています。
コーヒーのない生活は考えられない、歯のことはあとから考えようと、歯科医自身がいってしまう国がイタリアです。
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