統合失調症で沈黙や引きこもりがちな子供に親はどう対応すべきか
ご子息などが統合失調症の診断を受けた場合、食事などの一家団欒の場が気まずくなってしまうこともあるかもしれません。
沈黙が続くので、どうにかして場をなごませようと色んな話をしてみたり、話しかけて反応をうかがったり・・・実は、このような対応は患者さんにとって好ましいものではありません。
部屋に引きこもりがちになったら大変です。
だまって放っておいてやるということも大切
統合失調症になると、「一人になりたい」と感じることが多くなると言われています。人に対する信頼が薄れていますので、できるかぎりコミュニケーションを取りたくないと思うのです。
認知や思考の能力も落ちているので、スムーズに会話できないこともあるでしょう。
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このような状況の中、無理に話させようとしてしまうと、かえって病状を悪化させる原因となってしまいかねません。だまって放っておいてやるということも大切となります。
沈黙の時間が快適に過ごせるかどうかは、その場の居心地を大きく左右させると言われています。
沈黙を重視するようにするのも一つの手でしょう。病状が良くなってくると、だんだん自分から会話に参加してくるようになるはずです。その時をじっくりと待ちましょう。
無理強いは絶対に避ける
自室に引きこもっているようなケースも同様です。人と接したくないと思っているからこそ、部屋にこもっているのです。
もちろん、食事も薬も飲まないというのは好ましくありませんが、無理強いして引っ張り出してくるようなことは絶対に避けるようにしたいものです。
まずは病状を落ち着かせることが大切。そのために、長い目であたたかく見守っていきましょう。
親として高望みし過ぎないことも重要
子供を悩ませ続けているのは、親の過度な期待・理想だと言われています。これは別に統合失調症の患者さんに限ったことではなく、一般的に言われていることです。
統合失調症には完治という概念はありません。一度発症してしまった限りは、継続的に薬を飲み続けていかねばなりませんし、認知能力などもどうしても低下を起こしてしまいます。
回復に至るまでに必要な期間も、最低5年程度は必要と言われています。人生にこれだけの「穴」が空いてしまったわけです。
このような「現実」を考えると、これまでと同じような人生に戻してあげたいという「理想」は高望みに過ぎないということが分かるのではないでしょうか?
「病気の前は~だったのに」、このようなことは思っていたとしても、絶対に本人に伝えないようにしたいものです。
小さな前進を素直に喜ぶ
そもそも理想の形を変えてみる必要があるかもしれません。完全に前と同じように、というのは望み過ぎ。子供に負担をかけてしまいますし、達成できない時にご家族自身も深い絶望を感じてしまいます。
現状よりも少しでも前に進んでいく、これを当面の理想とすれば毎日の変化に敏感になることができるのではないでしょうか。昨日は3回しか話さなかったのに、今日は4回話した。
このような小さな前進であっても、きっと喜ばしい出来事となることでしょう。
期待が高すぎると、それが達成できなかったときにうらめしく思ってしまうもの。患者さんの心の平静のためにも好ましくありませんから、過度な理想は捨て去りましょう。
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