うつ病で処方される抗精神病薬や睡眠薬にはどのような物がある?
「メジャートランキライザー」、「神経遮断薬」とも呼ばれ、神経におけるドーパミンの作用を抑制する薬です。興奮が強い場合や、幻覚や妄想がある場合に服用します。
以前は、ハロペリドール(セレネースなど)やクロルプロマジン塩酸塩(ウインタミン、コントミン)などが多く処方されていました。
近ごろでは、副作用の少ないリスペリドン(リスパダール)、クエチアピンフマル酸塩(セロクエル)、オランザピン(ジプレキサ)、ぺロスピロン塩酸塩水和物(ルーラン)、アリピプラゾール(エビリファイ)なども処方されるようになってきています。
また、少量のレボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミンなど)を睡眠薬として服用する場合もあります。
抗精神病薬は、落ち着きがなくなったり、手指が震えたりなど、さまざまな副作用を伴う可能性がありますが、主治医にチェックしてもらいつつ服用すれば、問題ないといえます。
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睡眠障害には4つのタイプが処方される
うつ病は、患者さんが睡眠障害を訴えるケースが多く、睡眠薬が処方されます。睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬があります。
前者は、催眠作用のほか、抗不安作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用などがあり、後者よりも副作用が強いのが特徴です。
睡眠薬は、消失半減期(副作用の血中濃度が最高値の半分の数値になるまでにかかる時間)の長さを基準として、超短時間型(2~4時間)、短時間型(6~10時間)、中間型(20~30時間)、長時間型(50~100時間)の四つのタイプに分類されます。
超短時間型と短時間型を就寝前に服用した場合、翌朝には作用が減少しているため、日中まで眠気が残ることはないといえます。
このような睡眠薬の中から、睡眠障害の類型に応じて選択します。
寝つきの良くない「入眠障害」には、超短時間型か短時間型、途中で目が覚めて寝付けなくなってしまう「中途覚醒」や、夜半から明け方にかけての間に目覚めてしまう「早朝覚醒」には、中間型か長時間型を使用します。
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うつ病の睡眠障害には、早朝覚醒のタイプが多いため、中間型や長時間型が服用されることが多いといえます。
体質が改善される効果がある漢方
漢方薬は、体質や症状を見ながら、個々人に合わせて処方します。症状が緩和されるだけでなく、体質が改善される効果があります。せんじ薬ではなく、飲みやすいエキス剤に対しては、医療用漢方製薬として健康保険の適用があります。
精神的な症状がある場合、漢方では、気のうっ滞があるものと考えられます。よって、このような場合、気の巡りを良くして、「気・血・水」の均衡を整えることが重要とされます。
うつ病の場合、漢方薬だけでは、効果が十分ではないといえるので、通常、西洋薬と併用されます。特に、漢方薬が効果を発揮しやすいのは、不安、イライラ、不眠などの症状に対してです。
漢方薬には副作用がないと思われがちなのですが、吐き気、下痢などの症状が出る場合があります。飲み始めの時期に、一時的に症状が悪化し、その後、改善する場合もあるため、素人判断せず、主治医に相談するのがよいでしょう。
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