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イタリア暮らしの日本人をファジョッリと呼ばれる豆が救う?

2014.01.20

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イタリア語で、豆は「ファジョッリ」という呼び名で総称されます。

おじいさん世代までは、イタリア人はヨーロッパ有数のファジョッリ消費国だったそうです。

でも、この国の子どもたちが喜んで食べているのを、私は見たことがありません。おいしい食材がいくらでも手に入るようになって、ファジョッリのような貧乏食材は敬遠されるようになったのですね。

栄養も豊かな食材なのに、だんだん無視されていくファジョッリがかわいそうでなりません。

イタリアで生活するうちに気づいたのですが、この国で暮らす日本人こそ、豆を食生活に上手に取り入れるべきだと思います。

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伝統の豆はスローフード・コーナーに追いやられています

私の住んでいるフィレンツェの人たちは、「豆食い」とあだ名されるほどのファジョッリ好きだったそうです。ここは山間の盆地の町ですし、肉以外の食べ物といえば、野菜か豆だったのでしょうね。

そうはいっても、一般のスーパーのファジョッリのコーナーは小さなものです。500gの小袋や水煮の缶詰で3種類くらいの豆が売られているくらいで、家庭ではあまりファジョッリを食べないことがすぐわかります。

小型スーパーだと、置いていないところも珍しくありません。

今、一番よく食べられているファジョッリといえば、「レンティッケ」です。1粒1cmもない小さなもので、薄く平たい形をしています。20分くらいで火が通るので、もう1品急いで用意したいときに便利です。

レンティッケは、形もユニークです。平たい円形のフォルムがコインを連想させるので、縁起物として元旦に食べるという伝統もイタリア各地に残っています。

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フィレンツェはよそと違って豆食いの町なのだから、どこかにもっとたくさんのファジョッリを売っているに違いないと、私はずっと探していました。

目当てのものを見つけたのは、つい最近のことです。フィレンツェ伝統食センターの中の、スローフード・コーナーに立派な売場がありました。

10種類ほどのさまざまなファジョッリを、昔ながらの量り売りで買うことができます。

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しばらく眺めていましたが、みんな興味は示しても、買う人はついに見かけませんでした。レンティッケならスーパーで買うほうが安いですし、見慣れないファジョッリは調理の仕方がわからないからでしょう。

客寄せのためのただのネタのような雰囲気です。フィレンツェの伝統のひとつが消えていくようで、見ていると少しかなしくなる光景でした。

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レストランでフルコースを食べるときは、1皿目を豆料理に

イタリア料理はおいしいですが、前菜からデザートまでフルコースで食べると、おなかがはちきれそうです。この国の人は、たとえ痩せていても、何皿も平気で料理をたいらげていきます。

日本人がイタリア人と同じ量を食べるのは、よほどの大食いでなければ辛いかもしれません。自分で支払いをするときは、残してもあまり気にしなくてもすみます。

でもだれかの招待やおごりでレストランへ行くと、そうもいきません。完食しないと相手に悪いと思い、脂汗を流しながらむりにでも食べることになります。

イタリア人のペースに合わせながらフルコースを最後まで食べるには、ファジョッリを注文することです。

イタリアでは前菜の次に、パスタ料理やリゾットを注文します。ここを豆料理に代えます。豆スープか、ミネストローネなら1年中レストランのメニューにのっているはずです。

どちらの料理も、中身はファジョッリと野菜とブイヨンだけです。これでおなかへの負担をかなり減らすことができます。

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スープがなくても、肉料理のつけあわせとしての茹で豆なら必ず用意されています。これをパスタの代わりにオーダーするという手もあります。

イタリア人がパスタを平らげている間だけ、ファジョッリ料理で時間を稼げればいいのです。

とにかく、肉料理が出てくるまでに、おなかを一杯にしないことが大切です。ファジョッリで最初の負担を減らしておけば、余裕をもってメインディッシュに取り組むことができます。

ひよこ豆は使い回しのきく優良食材

私はひよこ豆が好きで、家でもよくこれを茹でています。茹で時間は40分くらいです。火が通るとほのかに甘みがあり、ニンニクとの相性も最高です。

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最初の日は、茹でたものを裏ごしして、イタリアンのスープとして食べることにしています。パスタをひとつかみ加えてもおいしいです。

ガーリックトーストを添えれば、この1品とサラダだけでも日本人には十分なボリュームかもしれません。

私は、この茹でたファジョッリをあらかじめ半分取り分け、翌日はエスニック料理として使うことにしています。

イタリア人は365日イタリアンを食べても平気ですが、私にはこの単調な食生活は辛いのです。普通の日本人なら、だれでも辛く感じると思います。

2日目は香辛料を効かせたアラブ風やアジアンに仕上げると、イタリアン一色の食生活に変化をつけることができます。ひよこ豆はカレーに加えてもいいですし、クスクスの具としてもよく合います。

1回茹でると2種類の全く違うジャンルの味を楽しめるので、日本人こそひよこ豆を家に常備すべきだと思います。

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