初めて他人に裸を見られたワタシ~小学4年のときのトホホな思ひで
事件が起きた当時、私は小学4年生。多感な年ごろです。昔住んでいた我が家は居間を通さないと自室へ行けないつくりでした。
もちろんお風呂場へも居間を介さないと行き来できない構造。その時はこのつくりが私を奈落の底に突き落とすなんて、思ってもみませんでした…
いつもの日常で終わるはずだった私の一日…
学校から帰ってきて、ご飯を食べて、居間で家族でテレビを見て、家族それぞれお風呂に入る。いつもの何気ない日常でした。
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最後にお風呂に入ったのは私、時刻は今も鮮明に覚えています。午後20時30分。シャワーを浴び、湯船につかり、さて部屋に戻ろう…と体にフェイスタオルを巻いて居間へ向かうと違和感…。
お 客 さ ん が 来 て い る …
いつもは着替えを持ってお風呂に入るのにその日は面倒くさくて「バスタオル巻いて部屋行けばいっか」と考えてしまった私。その時の自分を恨んでももう遅い。
裸の事実は変えられない。着替えは二階の自室にある以外は無い。
…今お風呂場にあるのは私を包み切れていないフェイスタオル(実はバスタオル洗濯中で切れていた)となぜかあるお母さんの替えのおパンツ…
履いてないよりマシだろうと思いお母さんのおパンツを履いたはいいけど結局半裸なことに気が付き更に泣いた苦い思い出…。
お客さんは話に花が咲いて帰る気配ナッシング!良く見りゃアツカンが出ているじゃないか!長居する気満々!
さぁ、どうする?!私!
ハプニングは人間の思考を鈍らせると実感
思いもよらぬハプニングによって、裸でお風呂場周辺をウロつく私。大きな声を出してお母さんに来てもらえば良かったものを、恥ずかしくてそれは無理だった自分が今となっては恥ずかしい。
その時私が思いついた脱却法、それは…
●物陰に隠れながらお母さんに熱い視線を送り気が付いてもらおうという「察してチャン戦法」
●「あれ、Aちゃん遅いわね~」気が付いてもらうことを前提にこの際長湯してしまおう「しずかちゃん戦法」
●アレだ、人間超速で走ることが出来れば見えなくなるんじゃないか?!「陸上世界記録を狙っちゃおう戦法」
いかに私が焦っていたかお分かりだろうか…?とりあえず1番から順番に試した私。この後の運命はいかに?!
お母さん私はここよ!「察してチャン戦法」結果…
1番から試してみた小学4年生の私。
物陰からお母さんを見つめ続ける…
時には優しく、時には厳しく。
勘の強いお母さんのこと、絶対気が付いてくれるという自信の元、真っ裸で熱い視線を送り続ける私。この時すでに21時過ぎ。誰も私の心配をしていなかったことが地味に修羅場。
(気付いて気付いて気付いて気付いてよぉぉぉ~!)
チラっとこちらを見るお母さん。
(あっ?!こっち見た?今見たよね、見たよね!こっち!こっち!)
必死になってジェスチャーするも、なぜか目をそらすお母さん。絶対に目は合った。なぜ無視をするんだ、母よ…。理由は簡単でした。
「なんか、おもしろそうだったから放っておいた」
あなたの娘であることをちょっぴり後悔した一日でもありました。結局お母さんのイタズラ心によって儚くも打ち砕かれたのでした…。
気付いてもらうまでお風呂で待機「しずかちゃん戦法」結果…
察してチャン戦法で見事撃沈した私。
いや、これはお母さんが悪いよね?気が付いているんだもの。よってしずかちゃん戦法にも暗雲が…。この時すでに21時30分。そろそろ気が付いてくれても良いよね?
湯冷めしてしまった私はとりあえず湯船に入って作戦を練り直すことに…。
…10分後。
「うん、やっぱり人間マッハで走ればきっと見えない!私ってやっぱり天才なんだ!」
この時は「紙一重」って言葉を知らなかったけど、今なら言えるよ。
「小学4年生の自分、絶対バカだよね?」
自分が天才だと信じて疑わず、禁じられた戦法をとうとう解禁してしまうことに…!
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人生をかけた戦い!「陸上世界記録を狙っちゃおう!」戦法結果…
体も暖まった。
フェイスタオルで体も拭いた。もうこんな小さい面積でちまちま体を隠すことは必要ない。
だって私は…
これから人間離れした脚力を発揮するのですから!
体育で習ったクラウチングスタート。裸で位置に付く。この時点で気が付けばよかったと今でも後悔でなりません。
視界には二階へと続く居間のドア…これをくぐれば私は生まれ変われる!きっと、この努力は面白いって思える!…なんてアホなことを考えながらカウントを取り始める。
3…
2…
1…
私はチーター!(今だけ)人類最速の小学生!
走り出した私!もちろん素っ裸!
居間の大人たちの視線が痛い気がするけどきっと気のせい!
今の私は最速チーター、残像しか見えてないはずだわ!さぁ、居間のドアを潜り抜けたらそこはエデン…
ドゴーーーーーン!!!
…一瞬頭にものすごい衝撃が走ったと思ったら、気が付いたら裸でドアの前に倒れこんでいる自分。
「あ…アレ?あ…えっと…」
今まで談笑していた雰囲気が一瞬にして凍り付く。
来ていたお客さんはお父さんの取引先の社長さん。お年玉2万円もくれた人。
「えーっと…アハハ…
着替え…忘れちゃって…
…こんばん…わああぁぁぁぁぁぁぁああぁ(号泣ダッシュ)!」
後ろで聞こえるのは大人たちの苦笑いと、お母さんの高笑いだけ…。後にその時の状況を、お母さんが教えてくれました。
「あの時ね~、まさか裸で突っ込んでくるとは思わなかったわ!
この子何するんだろう、と思って見てたらドアに突進していってさ~!本当、漫画みたいにドアにぶつかって倒れこんだときはさすがに笑っちゃったわ、ごめんね~!」
どうやらあの時私はチーターになりきれてなかったようです。普通に全部見えていたそうです。人間、パニックになった時こそ冷静に考えなければいけないということを学んだ、小学4年生の冬の出来事でした…。
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