ヤンキース田中マー君を待ち受ける「文化の違い」の現実とは
総額262億円という非現実的な金額が動いた今回の田中投手のヤンキースへの移籍です。間違いなく彼が感じるであろう「カルチャーショック」について、海外生活の長いグッチならではの切り口でお伝えしたいと思います。
「文化の違い」という生やさしい言葉では表せない現実
いまや時の人となった田中投手ですが、一昨年のダルビッシュ騒動でも頻繁に使われた言葉「文化の違い」。何となくイメージとして捕らえることはできますが、アメリカ本土で少しでも生活経験のある方でなければ理解できないことも数多くあります。
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私グッチは11年と言う長い年月をアメリカ、メキシコで過ごしました。その経験を元にこの言葉の裏にある数多くのハードルについて説明しましょう。
私自身、MLBメジャーリーグの大ファンですので、田中選手にはぜひすばらしい結果を出して欲しいと思っています。
旅行者として訪れるだけでは見えないことがたくさんあります。彼が感じるものは「文化の違い」ではなく、大きなストレスの原因にもなりかねない「カルチャーショック」でしょう。これだけアメリカでも注目度の高い選手です。そのプレッシャーも半端ではないでしょう。
幸いチームメートに黒田選手もいますし、専任の通訳も付くでしょうが、プライベートでは自分で「吸収、克服」しなくてはいけないことが山のようにあります。
私が感じたカルチャーショックを例に説明しましょう
私自身は語学の問題はありませんでしたので、初めてロサンゼルスの空港に一人で降り立ったときにはまったく不安はありませんでした。ところがその「自信」も空港から出た1時間後には木っ端微塵にされてしまいました。
まさにカルチャーショックという言葉以外に適切な言い回しがないほどのものです。ほんとうに「ショック!」を感じたといえます。
それはマクドナルドに入って、ハンバーガーを注文しようとしたときのことです。日本ならメニューをみて「チーズバーガーください」で済むのですが、さすがは個性の国といいますか自己主張をしなければいけないお国柄を肌で感じました。
日本の感覚で「チーズバーガー1つ」と注文したのですが、ここで返ってきた言葉が
「How do you like it?」日本語にすれば「どのように欲しいのか?」ときかれたわけです。
この時点で恥ずかしながらグッチはテンパってしまいました。
さすがに自分の意見をはっきり言う文化圏です、かんたんに言えばハンバーガーのカスタマイズです。レタスは少なめで、オニオンはなしで、マヨネーズはなし、ピクルスは……、このように答えないといけなかったわけです。
マニュアル社会、そして個性という自己主張をしないような教育を受けて育ってきた普通の日本人の私には、すぐには馴染むことができませんでした。
一事が万事、訴訟社会とも呼ばれるアメリカですので、常に自分の意思をはっきりと伝える習慣を身に付けなければ生きていけません。
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日本では自己主張は一歩間違えると「クレーマー」と紙一重~グッチの検証
やはりアメリカなどで長く暮らしていると、ついその文化まで吸収してしまいがちです。
もともとアメリカ的な思考回路を持つ私ですが、たまに変人扱いされてしまいます。アメリカ文化と日本文化の違いを私なりに検証してみました。
日本では目立たないよう生活することが一種美徳とまでは言いませんが、賢明な生き方だととらえられています。特にサラリーマンともなれば「長いものには巻かれて」いるのが保身のための必要項目とすらいえます。
日本の社会がそのような生き方を強制しているようにも私は感じてしまいます。
たとえば私はいつも近所のドトールでミラノサンドAを頼むのですが、加工食品が嫌いなのでソーセージ系などは抜いてもらい、「生ハム+レタス多め」でお願いしています。ここで「日本ならでは」の習慣があることに気がつきます。それは「常連さん」という言葉で表現されます。
この画像が、「常連」である私だからこそマニュアルに逆らって提供してもらえる、ドトール大宮オリジナルのミラノサンドAです。一見普通に見えますが中は生ハムとレタスオンリーです。
そこで先日、横浜のドトールに行ったときに試しに「生ハムのみで」と頼んだところ見事に断られてしまいました。店からすれば同じ金額を取れて、食材を減らすわけですから得になりこそすれ損にはならないはずです。
ちょっと意地になった私はさらにお願いしましたが「できません」の一点張りです。
これがマニュアル社会なんでしょうね。
ところがもしこれが日本語を話さないアメリカ人の客だったらどうでしょうか?
きっと店は「面倒やトラブル」を避けるために、そのオーダーを受けるに違いありません。このほうが「事なかれ主義」で考えると理にかなっているからです。
ピザの宅配でも私はよく「クレーマー」になります。ピザに付いている粉末状の唐辛子がありますがあれを一つ多めにお願いすると断られました。
お金を出すから、と言ってもそれはメニューにはないので売れない、と言われました。
こう考えると日本の文化もある意味で「特殊」ですよね。わたくしグッチのような自由人には生きにくい部分が多くあります。
おかしな検証で話が脇道へそれてしまいました。日本という「独特の文化」を持つ国で生まれ育った田中投手ですが、アメリカではできる限り自己主張して欲しいと思います。ダルビッシュの場合は、半分は外国の血が入っていますのであれだけ「らしさ」を出せて成功したのだと思います。
訪れるのと住むのでは大きな違いがあります。アメリカでは「自分の意見をはっきり言える」選手になって欲しいと、心から願うグッチです。今年のMLBの開幕がいまから待ち遠しいです。
ガンバレ、マー君!
By 床田仁グッチ
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