イタリアの寒い冬を乗り切るための知恵とヒーター事情
イタリアの冬はかなり寒いです。
私の住んでいるフィレンツェは内陸部です。冬は底冷えもしますし、雪もたまに降ります。
凍えるほど気温が下がるわけではありません。冬日の平均最低気温は0度くらい、最高気温は8度くらいです。
放っておくと凍死するような気温にまで下がるなら、どんな建物もヒーターを完備するでしょう。でもこの程度の冷え方だと、最低限の暖房設備が設置されているだけ、という家もたまにあります。
必要なら、あとはセルフサービスで暖をとる工夫をしなければいけません。
そんなイタリアのヒーターの数々と、私の冬の必需品をご紹介します。
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たいていの家はセントラルヒーティングです
この国で一番よく見かける暖房機は、壁に埋め込まれたラジエーター式ヒーターです。温水が内部を循環する仕組みになっています。
呼び名は地方によっていろいろあるようです。フィレンツェでは、湯を「循環させる」という意味の「チルコンダータ」という言葉で呼ぶことがあります。
あるいはシンプルに、ズバリ「暖房」を指す「リスカルダメント」といっても、なんのことか通じるものです。こういう風に、家の中のあちこちの壁に埋め込まれています。
これはボイラーから家中のヒーターへ温水を送り込む、セントラルヒーティング方式です。
このバルブを開けると温水が内部に流れ込み、周囲の空気をじんわりと温めてくれます。家中のバルブを開けておくと、アパート中が暖かくなって冬でも家の中は快適です。
このシステムの一番いいところは、火を使わないので安全性が高いことでしょう。外出するときでも、イタリア人はこのヒーターをいちいちオフにしません。春まで、これを全室点けっ放しですごします。
空気を汚さないので、これを点けた部屋に長時間いても、のどが痛くなることもありません。
まさにイタリア最強の暖房システムですが、フィレンツェではこれがついていないアパートもたまにあります。
いくら凍死するほどでないとはいえ、この町でも冬は冷えるのです。セントラルヒーティングが整っていないと、部屋から部屋へ移動するたびに寒い思いをすることになります。
ちなみに、私の住んでいるアパートは、まさにそのいい例です。
個人用の暖房器具で使う場所だけ暖めています
私の今の住居はかなり旧式のアパートです。セントラルヒーティングもありません。
とりあえずの寒さしのぎにと、お1人用の暖房機をオーナーが2点、用意してくれました。友人がプレゼントしてくれたものや、自分で買ったものもあります。
これが私の家のヒーターたちです。
私の入居前から、このアパートで使われていたヒーターです。上部から温風が吹き出す仕組みになっています。古いのですが、私のみるところ、家で一番パワフルに部屋を暖めてくれます。
日本でも最近は買える、1人用のラジエーター式ヒーターです。これは可動式なので、好きなところへ運べます。オイルが入っていて、スイッチを入れると温まった液体が循環する仕組みです。
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部屋全体を暖めるパワーは、残念ながらこれにはありません。周囲がほんのり暖かくなるだけなので、体の近くに置いて使うことになります。
日本でもよく売っている電熱式ヒーターです。友人からプレゼントされました。ファンがついていないので、いくら点けても部屋は暖まりません。近寄りすぎると、やけどしそうに皮膚が熱くなります。
私が買ったベッドヒーターです。シーツの下に敷いてスイッチを入れ、ベッドを暖めます。かなり強力に、寝床を暖めてくれます。
必要に合わせて、冬の間、私はこれらを使い分けています。でもどれもその場だけの暖房ですから、ヒーターのそばを離れると一気に寒くなるのも確かです。
次にセントラルヒーティングなしで冬を耐え抜くための、愛用のお助け防寒グッズをご紹介します。
シンプルな防寒グッズと合わせて使います
パワー不足の1人用ヒーターを使っていると、体の中心はともかく、手先が凍えそうになります。日本からもってきた使い捨てカイロで、私は指先をよく暖めていました。
カイロを切らしてしまったときに買ったのが、こちらの電気湯たんぽです。中のジェルを電気で暖めて使います。
直径20cmくらいで、パソコンの前で指を温めやすい大きさです。ただ真冬だと、2時間くらいでジェルが冷たくなります。ひんぱんに暖め直す必要がある点だけは不便です。
イタリアで買った湯たんぽです。こちらは電気式ではなく、中に水を入れるクラシックタイプになっています。
かなり熱いお湯を入れてもゴムは溶け出しません。テレビを見ながらひざの上へこれを置くと、体全体までかなり温まります。家中どこへも持ち運べるので、私の家では必需品になりました。
日本から昨年持って帰った「着る毛布」も活躍しています。
これと1人用ヒーターを使えば十分暖かくすごせます。家の中なら、毛布を着たまま移動しても人目も気になりません。
シーズン末の処分品だったので、柄やデザインを選べなかったのだけは残念です。
このように、かなりの工夫をしなくてはイタリアの冬は乗り切れません。あなたがもしもイタリア居住を考えているのなら、冬が来る前に私と同じくらいの設備やグッズを用意しておくことをオススメします。
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