女性の引越が危ない! – 盗聴器・盗撮カメラ発見サービスについて
引越社のサービスには、「盗聴器・盗撮カメラ発見」というものがあります。
これは、女性の利用者のためのサービスです。
「次の入居者が女性」と知った、その物件の関係者が、盗聴器や隠しカメラを仕掛けているケースがあるからです。
大家さん・不動産業者・前の入居者などが仕掛けるケース
最初に断っておきますが、このようなケースは本当に例外です。
世の中の不動産業者や大家さん、そして物件の前の入居者もほとんどは良心的な普通の人であり、そのような犯罪に手を染める人はほとんどいません。
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しかし、現実にこれらの人によって、次の入居者である女性を狙った事件が過去に起きている、というのは事実です。
実際に事件が起きている以上、対策は取らなければなりません。
■大家さんが?
この三者の中で一番仕掛けやすい立場にあるのは大家さんです。
物件をメンテナンスするのは大家さんの仕事ですから、新しい入居者が入る前に、当然細部まで、あちこち手入れしているはずなのです。
大家さんが直接やらずに清掃業者などに依頼するにしても、業者としては大家さんに発見されるリスクが高いですから、そんなことはしないでしょう。
「業者が帰った後に大家さんが設置する」というのが、現実的には一番簡単な方法なのです。
■不動産業者が?
「不動産業者ができるのか?」と思われるかも知れません。
しかし、その物件が個人の大家さんではなく、その不動産会社が管理しているものであれば、その社員で権限を持っている人が、盗聴器やカメラを仕掛けるということは可能です。
盗聴器やカメラではないですが、合鍵を持っている不動産業者が、女性宅に侵入して事件を起こすケースはよくあります。
一番大きな事件は、1990年の「浜松・女子医大生殺人事件」と呼ばれるものです。
この時の犯人は不動産会社の課長の地位にある人物で、その地位から自由に合鍵を使うことができ、それを悪用して犯行に及んだ、というものでした。
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個人の大家さんが管理している物件でも、不動産業者も合鍵を持っているというのは普通ですし、ましてその不動産会社が直接管理している物件であれば、その社員にはかなりの権限があるということが推測されます。
そのため、不動産業者が盗聴器などを仕掛ける、ということも可能なのです。
■前の入居者が設置した場合
これは極めて少ないですし、実際にそのような事件が起きたというデータは、今の所筆者の手元にはありません。
ただ、可能性としてはゼロではありません。
ある探偵の方の日記を読むと、新しい部屋に引っ越す女性の依頼を受けて、部屋を探した所カメラを3台発見したそうです。
そのうちの2台は新しかったのですが、1台は極めて古く「前の入居者も、このカメラで監視されていたのではないか?」ということでした。
このように「代々監視されている部屋」の場合は、前の入居者ではなく大家さんや不動産業者が仕掛けている可能性が高いのですが、そうでない場合は、誰が仕掛けたかはまったくわからないので、前の入居者の可能性もあります。
基本的に、このようなことをする人は少ない
ここまで書いていて、筆者自身も、あまりの性悪説的内容に、少し気が滅入ってしまいました。
なので、あらためて強調しておきますが、このようなことを目論む男性はほんの一部であり、大多数の人はこのような悪事を働いたりはしません。
それでも、こうした警告となる情報は、常に発信されているべきだと考えます。
でなければ、こうした現実を知らない女性がまたどこかで被害に遭い、それによってますます、そのようなことをしない善良な大家さんや不動産業者の方々まで疑われてしまうからです。
こうした事件に対する世間の目・女性の警戒をより厳しくすることで、事件が限りなくゼロに近づき、世の中の一部に存在している人間不信の要素も、薄まっていくわけです。
「人間を信じられる社会にするためには、疑うことも大切である」ということです。
「引越社にとってはビジネスチャンス」…ではない
筆者は仕事の関係でビジネスの話が好きな方々とよくお会いするのですが、そうした方々の共通点は、こういう話を聞く度に、「それって、引越社にとってはビジネスチャンスだよね」というような反応をする、ということです。
(人間の善悪よりも、「どこにビジネスの種があるか」ということに興味があるわけです)
結論からいうと、これは引越社にとってさほどのビジネスチャンスではありません。
というのは、性質が性質だけに、堂々とお金をもらうことができないからです。
たとえばアリさんマークの引越社であれば、これらの盗聴器・カメラ発見サービスは無料で行っていますし、他の大手でも無料サービスとしているところが多いです。
もちろん、それによって信頼を獲得できる、という点では「長期的なビジネスチャンス」なのかも知れません。
しかし、短期的に見れば、ただのボランティアになってしまっていることは確かです。
なので、大手の会社がこのようなサービスを提供してくれているというのは、利益を度外視した人間的な行動であると言えるでしょう。
と同時に、そのようなサービスが必要な社会であることも、変えなければならない現実であるわけです。
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