カナダのトロントで知り合ったオジサンの夢はアマゾンに小学校を建てる
私がカナダのトロントに留学していたのは2005年のこと。
同級生は日本人、韓国人、中国人、メキシコ人、ブラジル人、スペイン人、「母国語を使ったら停学」という厳しいルールを徹底していた学校に通っていて、更にこの学校の寮に住んでいたため文字通り起きてから寝るまで英語漬けの生活でした。
英語が話せないと会話がスムーズにいかない
こう言うとなんだかかっこいいように聞こえますが、なんてたってみんな英語が話せないわけですから会話がスムーズにいくはずもなく、お互い言いたいことも言えずに「うー、あー、」を繰り返すおかしな図でしかありませんでしたが。
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「教育を受けられるのは当たり前の事じゃない」という衝撃的な話
しかしこんな中で同じ寮に住んでいてひときわ目立っていたのがブラジル、アマゾン川流域から来た45歳くらいのおじさん。少ない英語の単語を駆使して自分の住んでいるところの話、そして将来の夢まで実にたくさん話してくれました。
彼のホームタウンは小学校もなく、映画「シティ・オブ・ゴッド」さながらのとんでもなく危険で荒れた地域、教育を受けたこともない子供達は友達伝いに銃を持ち、欲しい物は力ずくで奪うという信じられないものだったのです。
「君は世界でも有数の裕福国に生まれたから分からないかもしれない、でも教育を受けられるというのは当たり前のことじゃないんだよ」そんな彼の言葉が今でも耳に残るほど衝撃的な話ばかりだったのを覚えています。
アマゾンに小学校を建てるという夢を実現したおじさん
そんな彼の夢は生まれ育った土地に小学校を建て、子供達に教育を与えてあげること。
「人は仕事をして自分で生きていかなければいけない、そのためには教育しかないんだ」そう聞いたときはふーんくらいにしか思っていませんでしたが、月日が流れ、さまざまな場所を旅行し、開発途上国に住む立場となった今では彼の言っていることが痛いほど分かります。
私をはじめたくさんの学生が留学中に遊んでいた頃、このおじさんは必死に勉強を続けて今ではブラジルで小学校の他に土地開発の企業を起こすほどの実業家となりました。
今でも連絡をすると「早くブラジルに遊びにおいで、ピラニアが待ってるよ!」と冗談を言うお茶目さは健在なのです。
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