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2人乗りスポーツカーも社用車になるか? -フェラーリが認められた判例

2014.02.13

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「派手な外車」「2人乗りのスポーツカー」などが社用車として認められるかは、諸説があります。

実際の例でも認められたケース、否認されたケースの両方があります。結論から言うと、

・本当に社用車に使っていれば大丈夫(判例もあり)
・しかし、税務署の印象を良くするため、無難な車の方がいい
 (車以外の項目でもマークされる恐れがある)

ということです。以下、詳しく書きます。

本当に社用に使っていれば、大抵認められる

税務署の調査で一番重要なのは「実態」です。

給与の場合は「本当にその人が働いていた実態があるか」、社用車の場合は「本当に社用に使っていた実態があるか」です。

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なので、多少派手なスポーツカーであっても、本当に社用でフル活用していれば認められる可能性が高いです。
(絶対とはいえませんが)

■2人乗りフェラーリが認められた判例

平成7年10月12日の判例で、2人乗りのフェラーリが社用車と認定されたものがあります。

その時の税務署の判断は以下のようなものでした。

・会社に出張旅費規程があるが、このフェラーリで出張した時には、交通費が支給されていない。
→会社が新幹線などの乗車代を節約するための車両として役立っている。

・通勤や巡回指導で使っている実態がある。
駐車場所、給油の経費、巡回指導の議事録など(一部)が残っている。

・社長個人が(経費でなく自腹で買った)高級車を持っている。
→個人用を自腹で買っているなら、こちらは社用車と言える。

ということです。これを見ていると、記録や規定がしっかりしている会社は、自然と節税でも有利になる、と感じます。
注目すべきところを書いていきます。

■規定や議事録を整えている

しっかりした会社なら当然のことなのですが、出張旅費の規定や議事録をしっかり整えています。

上の2つの理由はこれらがあったから認められているものなんですね。

巡回指導の議事録はなくても大丈夫だったでしょうが、これがあることで「間違いなく巡回した」という証明ができるので、鉄壁になります。

■社長が個人でも高級車を持っている

一番の決め手はこれでしょう。

何しろ、自分用のものはすでに「自腹」でしかも「高級車」を買っているのですから、すでにそっちで高い税金(所得税)を払っているのです。

その上で買った社用車に、上のようなしっかりとした実態まであるわけですから、これを否認しろという方が無理でしょう。
どこの税務署が判断しても、これはOKになると思います。

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おそらく、この会社のフェラーリは本当に社用車なのだと思います。

社長の趣味で買ったかも知れませんが、会社で共有されていて、実際に業務の役に立っているのだろうと思われます。
(フェラーリでなくてもよかった、というのは確かにそうでしょうが)

この例を見ていると「スポーツカーかどうか」「2人乗りかどうか」というより「本当に社用車かどうか」が何よりも重要なのだと感じます。

逆にいうと、いくら国産車だろうと、軽自動車だろうと、実際に社用車として使っている実態がなかったらNGということですね。

「税法は何のためにあるのか」をよく考えれば、確かに当たり前のことだなと感じます。

ベンツやクラウンにした方がいい理由

上のように「実態さえあれば」スポーツカーでも外車でも何でもいいわけです。

しかし、社用車はやはりベンツやクラウンなど「一般的な」ものにした方がいいです。

理由は「車以外の調査でも、税務署受けが良くなる」ということです。

税務調査官は毎年ノルマが課されていて、「一人あたり○○万円(億円?)」という数値が設定されています。

それを達成するために「多額の脱税をしていそうな」会社や個人を徹底マークするんですね。

彼らの時間も限られていますから、すべての会社を調べるわけには行きません。

となると「しっぽを出しそうな」会社から優先的にマークすることになります。

「社用車がクラウン」の会社と「ランボルギーニ」の会社だったら、どう考えても後者の方が尻尾を出しやすいので、そういう会社を厳しく調べ上げるわけです。
(というより田舎で地味な業種だったら、ランボルギーニという時点で、すでに尻尾が出ているかも知れません)

■お互い、無駄な時間と労力を使わないために

「ギリギリの節税」は、アップル、グーグル、スターバックスなどあらゆる大企業がやっていることなので、一応問題はありません。

しかし、やる方も面倒くさいですし、調べる方も大変です。

税務調査は数日で終わると言われていますが、数日とは言え税金で働いている税務官の方々が動くわけですから、「自分のために税金を使わせている」ようなものなのです。

「俺も税金払ってるからいいだろ」と言えばその通りですが、経営者の側からしても、貴重な時間や集中力を税務調査に奪われるのは嫌でしょう。

となると「最初から税務調査を受けなくていい」ような節税をした方がいいのです。

先に紹介したフェラーリの判例だって、記録が残っているということは、このためにわざわざ調査官が使用実態を調べたということです。

社用車として認定されたとしても、「お互い時間の無駄」だったでしょう。

世の中のルールは、それなりに意味があって作られています。

何でも盲目的に従うヒツジになるのはどうかと思いますが、ある程度従って「お互い上手くやる」ということも大事だと思います。

「絶対にこれだけはおかしい」と思うルールがあったら、改正のための声を上げたり、あるいは国外に脱出したりするべきですが、そうでなければ「うまく折り合いをつける」ということも大事でしょう。

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