今どきの男の子の名前はハ・ユで始まり、ト・タで終わる!
名前には必ず「流行」があります。各家庭ごとにいろいろと知恵を絞り、ああでもない、こうでもないと考えた末に決めるので、さまざまなものが考案されます。
とはいえ、全体としてみてみると、必ず何らかのトレンドがあるものです。
戦時中には「勝」という名前がはやったそうですが、子どもの名前は時代背景や社会の風潮と大きく関係しているでしょうし、有名人やタレントに影響されることもあるでしょう。
「あまり古臭くない名前を」とみんなが凝(こ)ると、新しいけれどもよくある名前になりがちです。
それを避けようとして、「独創性」にこだわると「キラキラネーム」になるのかもしれません。
名づけの傾向は、好まれる漢字、好まれる字数、好まれる音などに現れます。
そこで、男の子の名前について「読み」の観点から最近の「はやり」を分析してみました。
ベースにしたデータは明治安田生命の発表している「名前ランキング」を使用しています。
参考記事:名前の流行で時代が分かる~昭和前期には男子はみんな一文字だった?
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名前の最初の一文字は、ハ、ユ、ソ
2013年の男の子の名前トップ50を「読み」の面から調べてみると、最初の一文字に使われる文字で一番人数が多いのは、「ハ」でした。
名前としては「はると」「はるき」「はる」「はるま」「はやと」などがあります。
2番目は「ユ」で、「ゆうと」「ゆうせい」「ゆうま」「ゆうき」「ゆうた」などです。
3番目は「ソ」で、「そうた」「そら」「そうすけ」「そうま」など、4番目は「リ」で「りく」「りょうた」「りくと」「りょう」などです。
ハ、ユ、ソ、リの4文字で始まる男子が全体の56%と半数を超えます。
5番目の「コ」と6番目の「カ」までで7割に達します。読みから分析すると、最初の一文字はかなり偏っていることが分かります。
最初の二文字なら、ハル、ユウ、ソウ。二文字目は「ウ段」が人気!?
次に、最初の二文字をみてみると、最も多いのは「ハル」。ついで、ユウ、ソウ、コウ、リクとつづき、この5つで5割を超えます。
2番目から4番目の「ユウ、ソウ、コウ」はいずれも「ウ」がつづくという共通点があります。
「ハル、リク」も「ウ段」という点にも注目すると、二文字目には「ウ段」が好まれていると言えるかもしれません。
音感としては、ウ段がもっとも締まった音になるので、そのあたりが好まれる理由なのかもしれません。
イニシャルに「N」がいない!?
トップ50のなかで、初めの一文字として使われていない読みもいくつかあります。
例えば、「オ」「キ」「ス」「マ」などです。一昔前なら、「おさむ」「きよし」「すすむ」「まさる」などの名前がよくありましたが、今はすたれたのでしょう。
面白いことに、「ナ行」の文字はトップ50にはひとつも現れませんでした。
もともと、名前にあまり使われないこともあるのでしょうけれど、「なおき」「のりお」などは、珍しい名前になったということです。
ナ行がないということは、イニシャルが「N」の子どもはとても少ないということになります。
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最後の一文字は、ト、タ、キ
名前の最後の文字についても調べてみると、一番多いのは「ト」で、「はると」「ゆうと」「みなと」「かいと」「ひろと」などと使われています。
2番目に多いのは「タ」で、「そうた」「ひなた」「ゆうた」「しょうた」など、3番目は、「キ」で「はるき」「こうき」「ゆうき」「だいき」などです。
4位の「マ」、5位の「イ」までの5つの文字で、全体の4分の3を占めています。
もともと、最後の一文字はある程度限られているのでしょうけれど、かなり偏っていますね。
ト、タ、キなどは、長男につけられることが多いので、子どもの数が少なくなった「少子化」の影響もあるのかも知れません。
イニシャルは、Y、H、Rが多い。鼻濁音の柔らかい名前は好まれない!?
名前のイニシャルを見てみると、とても限られていることがわかります。Y、H、Rの3文字で全体の半数以上を占めています。
前述のとおりナ行がまったくないためNはありませんし、マ行も少ないためにこういう結果となります。
珍しい名前をつけたいという人は、A以外の母音か、M、Nのイニシャルとなるものにすればよいということになります。
M、N、つまり、マ行とナ行は両方とも鼻濁音ですので、音感としては柔らかなものになるはずです。現代はそれがあまり好まれないということなのでしょうか?
A以外の母音で始まる名前が少ない理由は分かりませんが、「いさお」「えいじ」「おさむ」などが使われなくなっているということになります。
読みの文字数は3文字
読みの文字数は「3文字」が71%を占めています。「はると」「ゆうと」などひらがなで表示した時には3文字となる簡潔なものが好まれていることになります。
現代は珍しい名が増えているような印象もありますが、ハル、ユウ、ソウで始まる名前自体は一昔前にもありました。「はるお」「ゆうじろう」「そういちろう」などです。
また、ト、タ、キで終わるものもありましたので、名づけ方が根本的に変わったというわけでもないのでしょう。
昔ながらのパーツを現代風にアレンジしていると見てよいのではないでしょうか。
自分の息子に、はやりの名前をつけたい人も、逆につけたくない人も、参考にしてみてください。
by 水の
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