丸亀町商店街はなぜ成功したのか?~商店街をショッピングセンター化
シャッター街になってしまった商店街と、今でも活気づいている商店街。
両者の違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは香川県(高松市)の「丸亀町商店街」の成功事例から、それを探ります。
わかりやすく言うと、
・商店街をショッピングセンター化した
・高層化して、上をマンションにした
ということです。
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商店街をショッピングセンター化した
商店街が廃れている理由は「ショッピングセンターに押されている」からです。
しかし、立地だけを考えたら、駅前などの中心部にある商店街の方が有利なはずなんですね。
「だったら、商店街を解体して、ショッピングセンターにすればいい」という発想が出るわけです。
丸亀町商店街はそれをやったわけですね。
■大型ドーム広場&ブティック街
たとえばA街区(経営サイドの呼び名)というエリアは「ドーム広場&ブティック街」をコンセプトにしています。
天井がガラス張りの美しいドーム広場を作り、その脇にブティック街を作っています。
普通の商店街の場合は「服屋さん」がバラバラで存在しているわけですが、それを再開発の段階で「ブティック街」としてまとめたわけですね。
(再開発で撤退した服屋さんもあれば、新規で入ったテナントさんもあるでしょうが)
■三越・紀伊國屋書店なども参加
上のブティック広場の反対側には、三越や紀伊國屋書店が入った別館があります。
「もう商店街じゃないじゃん」と思われるかも知れませんが、それが丸亀町商店街の成功の理由です。要は、
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・その場所を活性化させる
・今までの地主さん(お店屋さん)も満足する
という方法であれば、アプローチは何でもいいわけです。
「もはや商店街ではない」という状態でも、まったく問題ないわけですね。
実際、丸亀町商店街はもう一つ、普通の商店街とまったく違うことをしています。
6階以上はマンションにする
上で紹介したブティックや三越が入っている建物(壱番街の東館&西館)は、「6階以上がマンション」になっています。
西館は10階まであるので、かなりの戸数です。
冒頭にも書いたように、商店街は立地がいいのです。
買い物にもいい立地ですが、「人が住む」にもいい立地なんですね。
そこに、商店の主さんしか住んでいないのはもったいない。
高層化してマンションにして、多くの人が住めるようにしよう、というのが丸亀町商店街のやり方です。
■大手不動産業者が参入する
ここまで来ると「マンションの賃貸でも利益を出せるな」と計算した、大手の不動産ディベロッパーも参入します。
そうすると、建物を建てるための巨額の費用も、彼らから出してもらうことができます。
このように、民間の大手から見ても「これは利益が出せる」というシステムであれば、初期投資は彼らがしてくれるわけです。
丸亀町商店街は自治体の融資も受けていますが、成功した理由で大きいのは、こうした「民間の資金」を呼び込んだことです。
とは言っても、これは考えてもすぐにできることではありません。
理由は「土地をまとめる必要がある」からです。
三越やマンションまで入るような建物を建てるには、土地の所有権をまとめる必要があるんですね。
これについて、丸亀町商店街は画期的な方法を考えました。
この方法については、次の記事に続きます。↓
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