後鼻漏ってどんな病気?~鼻水が後ろに下がって喉に落ちてきます
鼻水が鼻の穴ではなく、後ろに下がって喉に落ちてくる…それが「後鼻漏(こうびろう)」という症状です。
患者数は決して少なくありませんが、その苦痛はなかなか周りに理解されない上、耳鼻科にかかっても有効な治療を受けられないケースも多いといわれています。
また「いつも痰がからんだ感じがする」「湿った咳が出る」という人も、実は後鼻漏の可能性がありますので、一度調べてみましょう。
喉が気持ち悪い、寝つきが悪い…つらい後鼻漏の症状
鼻と喉はつながっているため、健康な人でも鼻水の一部が喉に流れて行くことは日常的にあります。
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しかし大抵はサラサラとしていますので、飲み込んでも違和感がなく、本人は鼻水であることに気づかないほどです。
しかし後鼻漏の場合、作られる鼻水が多い上にドロッとしていることが多く、喉に落ちてくると不快な症状があります。
そして常に口の中がネバネバしたり、喉に痰がからんだような感じを受けたりするため、日常生活に支障が出る場合も少なくありません。
いつでもティッシュを携帯し、落ちてきた鼻水をひそかに吐きだす人もいます。
特に仰向けになると、鼻水はますます喉のほうに落ちやすくなり、息苦しくて寝つきが悪くなります。
大抵は眠ってしまうと気にならないのですが、QOL(生活の質)がいちじるしく低下することは否めません。
また口臭が強くなりやすいほか、しつこい咳が出ることもあります。
そのため気管支ぜんそくや肺の病気だと思い込んでしまう人も多いようです。
後鼻漏の咳は、喉にたまった鼻水を出そうとするものです。
そのため薬などで無理に抑え込んでしまうのは良くありません。
それよりも後鼻漏であることを認識し、鼻の治療をおこなうほうが根本的な改善につながります。
後鼻漏は、調べても「原因不明」の場合も多い!?
後鼻漏の原因として多いのが、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎です。
喉に症状を感じるため、喉の問題だと誤解されやすいのですが、実際は鼻のトラブルがほとんどです。
通常よりも大量の鼻水が作られると、それがあふれる形で喉のほうへ落ちていってしまいます。
また何らかの原因で鼻の粘膜に異常が生じている場合も、鼻水が前から出て行けずに後ろに流れてしまうことがあります。
特に鼻水がドロッとしていて匂いがする場合は、副鼻腔炎の可能性が高いでしょう。
他にも自律神経失調症や低血圧、歯並びなどが関係しているケースもあるといわれています。
実際、後鼻漏の原因についてはまだ分かっていない点も多く、検査を受けても異常なしと診断され途方に暮れている人も少なくありません。
病院でおこなわれる後鼻漏の治療~Bスポット療法など
後鼻漏の治療法としては、吸入と薬物治療が主になります。
薬は痰を出しやすくする「ムコダイン」などのほか、副鼻腔炎と診断された場合は細菌を殺す抗生物質が出されます。
しかしこれらの方法で改善しない人も多いのが後鼻漏です。
そんな人に効果的とされる治療の1つに、「Bスポット療法」があります。
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Bスポットとは、鼻の奥にある「鼻咽喉」という空間のことで、呼吸の際は必ずここを空気が通ります。
そのためホコリなどが溜まりやすく、知らないうちに炎症を起こしていることの多い場所です。
そこで、炎症を起こしている患部に「塩化亜鉛」を塗る治療法がBスポット療法です。
実施している病院は少ないのですが、これによって風邪や後鼻漏、鼻づまりやぜんそくなどのほか、人によっては頭痛や肩こり、リウマチまでもが良くなることもあるようです。
ただし薬の塗布後、かなり痛みがあることと、学会で正式に認められた治療法ではないことを理解する必要があります。
しかし実際に効果を実感している患者さんも一定数いることから、後鼻漏に悩む人は1つの選択肢として考えるのもいいかもしれません。
漢方薬~鼻水は胃腸から来るもの!?
他に「後鼻漏に効いた!」とする声が高いのは、漢方薬です。
西洋医学の薬では治らなかったけれど、漢方を飲み続けるうちに良くなった…という人は多く見られます。
後鼻漏は、漢方の世界では「胃腸の問題」として扱われています。
胃腸は必要な栄養素を吸収するとともに、不要なものをより分ける機能も持っていますが、このより分けがうまくいかないために、痰や鼻水が出来てしまうという考え方です。
そのため、後鼻漏の漢方として「健脾散」や「健胃顆粒」などの胃腸を丈夫にする薬が出されることがあります。
実際、飲み続けて胃腸の調子が良くなると同時に、後鼻漏も改善したという人は多いようです。
また漢方は人それぞれの体質によって処方を変えますので、他にも鼻水が水っぽい人には「小青竜湯」、鼻水が黄色くドロッとしている人には「鼻淵丸」など、さまざまな薬が考えられます。
自分の体質を判断してもらうためにも、漢方を試したい人は専門の漢方薬局やクリニックに相談してみたほうが確実でしょう。
その他の治療法~家庭用スチーム吸入器が後鼻漏に効く!?
薬を使わない治療法としては、「鼻うがい」や「吸入療法」などがあります。
鼻うがいは、生理食塩水を鼻から吸い込み口から出すという方法で、おこなうとスッキリすると言う人は多いものです。
しかし耳のほうに行ってしまうと中耳炎になるリスクがある上、根本的な治療にはならないことも多いため、「すすめられない」と言う耳鼻科医もたくさんいます。
一方、家庭用吸入器を使う方法は安全だといえます。
水をセットすると細かいスチームとなって出てくるもので、鼻と喉をうるおすことができ、こまめに使ううちに後鼻漏が良くなったという感想が多数寄せられています。
もちろん普通の風邪や、喉の痛みなどにも効果的です。
水でむせてしまう人は、生理食塩水を使えるタイプのものを選ぶことをおすすめします。
By 叶恵美
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コメント
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コメント (1)
家庭用スチーム・・・とくに細粒ミスト吸入器よかったです!