勘ちがい言葉がこんなにあった!~あなたの使ってる言葉は大丈夫?
誰かの話を聞いてその人の言いたかったことと、自分の受け取ったことが食い違っていたという経験ってありませんか?
文化庁の調査によると、10代で8割以上、20代でも8割近くありました。30代から50代でも7割ほどあります。
聞き方や話し方にも問題はあるようですが、そもそも言葉の意味が勘違いされているというケースも少なくないそうです。
よく使われているのに、多くの人が勘違いしていたり真逆の意味にとらえている言葉がたくさんあります。
「役不足」「流れに掉(さお)さす」「気が置けない」「潮時」「噴飯もの」「うがった見方」「にやける」「失笑」「割愛」などを、多くの人が逆の意味に使っています。
あなたは大丈夫ですか?
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「役不足」の「役」は重いのか、軽いのか、とっち?
たとえば、「役不足」。「彼には役不足だ」というのを、「役目が重すぎる」と勘違いする人が半数以上いるそうです。
本当は、本人の力量に対して軽すぎることを指しています。「彼」の力量を評価しているわけです。
「重すぎる」と勘違いすると、能力を低く見ていることになり、まったく逆の印象となってしまいます。
「役」の方が不足しているのですから、「彼」が「役」より上なのです。
流れに掉(さお)さすって、勢いを止めること? 増すこと?
「流れに掉さす」というと、「棹をさして勢いを止めること」と勘違いしている人が、6割近くいます。
「勢いを増すこと」と正しく理解している人は23%しかいません。もはやこの言葉は、正しく使うことが不可能なほどに、勘違いされているのです。
「棹」は、船頭が水にさして船をこぐための棒です。船を動かすための道具ですので、「勢いを増す」意味となります。
「気が置けない人」は、気をつかわなければならない人なの?
「気が置けない」という言葉を、「気持ちの置き場所がない」と解釈して、「気配りや遠慮をしなければならない人」と勘違いしている人が、4割以上います。本当は、「遠慮のいらない人」という意味です。
「気の置けない仲間」とは親友のことなのですが、「気をつかわなければならない相手」という意味に受けとられていまっているのです。
「気が許せない」と似ているための勘違いかもしれません。
もともと「気が置ける」という言い回しがあり、「うちとけられない」という意味で使われていました。「気が置けない」はその否定語です。
「そろそろ潮時だ」といったら、やめるとき?
「潮時」ということばを「ものごとの終わり」と勘違いしている人が36%います。「ちょうどいい時期」と正しく理解している人は6割です。
「潮時」とは漁師が漁に出るのにちょうどいいときのことですので、「チャンス」という意味です。
「噴飯ものだ」といったら、腹を立てているの?
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「噴飯」という言葉は漢字が難しいからなのか、意味が分からないという人が3割近くいます。
言葉自体にネガティブなイメージがあるようで、「腹立たしくて仕方ない」の意と勘違いしている人が5割近く。
「おかしくてたまらない」という本来の意味を知っている人は2割弱しかいません。これでは、もう使えませんね。
あまりにもおかしくてご飯を吹き出してしまうことから「噴飯」と言います。
「うがった見方をする」って、疑いの目なの?
「うがった」という音が「うたがった」と似ているからでしょうか、「疑ってかかった見方」と勘違いしている人が48%です。
「物事の本質をとらえた見方」という本来の意味を知っている人は26%しかいません。もはや使用不能の言葉と言えるでしょう。
「うがつ」(穿つ)とは、深く掘り下げるという意味です。
「にやける」は薄笑いではないんです! 「失笑」はあきれることではありません!
「にやける」を薄笑いを浮かべることだと思っている人は76%です。
本当は「なよなよとしている」という意味ですが、正確に理解している人は15%にも達しません。
鎌倉時代に男色(ゲイ)を売る若者を「若気」(にやけ)と呼んだことから、男性なのに女性っぽいようすを「にやける」というようになりました。
「失笑」は「笑いを失う」と書きますので、「笑いも出ないくらいあきれる」と思っている人が6割強いますが、「こらえきれずに吹き出して笑ってしまう」ことです。
正しい理解は3割にも届きません。なお、「失」には「意思に反して」という意味があります。
「割愛する」(かつあいする)は、いらないものをカットすることではない?
「割愛」ももはや正しく意味が伝わりません。「不必要なものを切り捨てる」ということだと思っている人が65%以上です。
正しくは「惜しいものを手放す」ことですが、そう理解している人は2割以下です。「愛を割る」と書くのですから、「愛する心を断ち切る」という切ない気持ちを表しているのです。
「間がもたない」「寸暇をおしまず」「声をあらげる」「采配をふるう」~間違いです!
「時間を持てあます」という意味で「間がもたない」と使う人が6割以上いますが、正しくは「間がもてない」です。
「時間を無駄にしない」ことを「寸暇をおしまず」という人も6割近く。正しくは「寸暇を惜しんで」です。「寸暇」とは短い時間のことですので、それを「惜しまない」のでは大したことになりません。
「大きな声を出すこと」を「声をあらげる」というのは間違い。これは8割近い人が勘違いしています。
「声を荒らげる」と書きますが、「あららげる」と読みます。正しく理解している人は1割強しかいませんので、もはや「あらげる」の方が正しいと言えるほどになってしまっています。
「チームを指揮する」ことを「采配をふるう」と勘違いしている人は6割弱。本当は「ふるう」ではなく「ふる」(振る)です。
「失敗させられること」を「足もとをすくわれる」と間違って使う人は74%。正しくは「足をすくわれる」です。足もとの地面をすくっても転びません。
言葉の意味の勘違いは誤解のもとです。「うがった見方だ」と褒めたつもりが、けなしていると受け取られては困ります。
間違われやすい用法は、別の言い回しに変えた方が良いかもしれませんね。
by 水の
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