実際にホストになってみて分かった業界の裏事情~ホストは貧乏です
「ホストは儲からない」というのは、もう半ば常識だと思います。
儲かっている方もいるでしょうが、それは「売れているタレントさん」と同じで、本当に一握りの方のみです。
それ以外の方は、金銭的にはほぼ悲惨な生活を送っています。
ここでは、大学時代の一時期にホストを体験した、自分の経験を元に、裏事情を書かせていただきます。
「寮完備」は、タコ部屋のことである
ホストの求人情報で「寮完備」と書かれていることは多いですが、これはタコ部屋のことです。
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タコ部屋というと言い過ぎかも知れませんが、2DKのアパートに6人程度で住んでいます。
広さや人数はお店によって当然違うでしょうが、私が働いていた名古屋のお店では、そうでした。
つまり1部屋に3人のホストさんが生活しているのですが、当然プライバシーも何もあったものではありません。
私生活も常に監視されることになるので、ストレスもかなり溜まっていたと思います。
ただ、そのお店のホストの方々は割といい人が多く、そんな環境にもかかわらずギスギスした方はほとんどいませんでした。
(数名の先輩は、少しギスギスしていましたが、どこの職場でもいるくらいの割合でした)
「寮=店の床」のこともある
アパートの部屋があればまだいい方で、寮というのは「店の床で寝ること」という場合もあるようです。
ソファくらいは貸してもらえるかも知れませんが、とにかく店内ということです。
「とりあえず、野宿はしなくていいよ」ということですね。
家出してすぐに働く、という背水の陣的な状況ならこれでもありがたいのかも知れませんが、その状態を長く続けるのは辛いと思います。
こうした事情は最近では未経験者の方々の間でも割と知られるようになっているので、個室の寮を完備しているホストクラブの場合「個室寮完備」と、あえて「個室」という表記がついています。
ホストになって寮に住みたいという方は、そうした点をぜひチェックしてみてください。
時給3000円と書かれていたら、大体600円くらい
これもお店によって違うと思いますし、私が働いていた2007年と今ではだいぶ状況は違うとは思います。
当時、私の働いていたお店での時給は、3000円のはずが実際は600円でした。
一応時給の設定は3000円のままなのですが、サービス残業が仕事の大半なのです。
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普通の勤務時間と残業の割合が完全に逆転していて、「9時間勤務、3時間残業」ではなく「3時間勤務、9時間残業」、という感じなんですね(笑)。
これだけだと「3000円→600円」にはまだなりませんが、私の場合は片道1000円の交通費がかかり、それが自腹でした。
(交通費完全支給のはずだったのですが)
なので、そのマイナス分も入れると時給600円ということです。
それでも、ユニクロの柳井会長が「年収100万円時代」を口にされるような現在の経済状況を考えると、時給600円でも「いい時代」だったのかも知れませんが…。
お客は若い風俗嬢ばかり。社長夫人はいない
これもお店によると思いますが、一部の高級店を除けば、来るのは基本的に風俗嬢ばかりです。
高級店なら社長夫人のような方も来るのかも知れませんが、普通のお店は、ホストとキャバ嬢、ソープ嬢などの女性が互いの売り上げを支え合うような感じで通っています。
「キャバ嬢と話してお金もらえるなんて天国じゃん」と思う男性もいるでしょう。
実際、当時の私の友達で大の女性好きの人も、私がホストをやっているという噂を聞いて、「お店を紹介してほしい」とわざわざ電話してきました(笑)。
でも、当然ですが、キャバ嬢が男性と気持ちよく話してくれるのは、あくまで自分がサービスに回っている時だけです。
自分がお客さんに回っている時のキャバ嬢は、目当てのホストや、地位の高い人、好みの人以外のホストには極めて冷たいです。
できるキャバ嬢ほど、お客さんに回っても腰が低い
自分がお客さんのキャバ嬢の女性を観察していて気づいたのは、できる女性ほど腰が低いということです。
ホストクラブでの振る舞いが横暴なキャバ嬢ほど、ルックスもトーク技術も低いことが多く、「この子、年とったらどうやって生きていくつもりだろう。そもそも、今も稼げているのか?」と感じることが多々ありました。
天は二物を与えずといいますが、残念ながら出来る人にはしっかりと二物を与えてしまうんですね。
ホストクラブとキャバクラのトップが、実は同じという実態
私がホストの現場で一番悲惨だと思ったのは、「実は、ホストクラブとキャバクラのトップが同じ」という事実です。
すべての店舗がそうとは限りませんし、私の店舗がどうだったかは知りませんが、こういうケースはよく見られるようです。
例えば風俗嬢は日頃のストレス発散のためにホストクラブに行くけど、そこで落としたお金も社長に持っていかれているのです。
そして、風俗店で働くお金も、もちろん社長に持っていかれています。
社長が作った箱庭の中で、ホストも風俗嬢もひたすらお金を生み出す労働者として飼い殺しにされているわけですね。
この現実を知った時、資本主義というのはこういうことなのかと、身を持って納得させられました。
ホスト時代の思い出や実際に経験した裏事情はまだいろいろあるのですが、長くなってしまったので、ひとまずここで筆をおきたいと思います。
最後に結論を言ってしまえば、ホストのお仕事は人生の幅を広げるには面白いと思いますが、個人的にはあまりオススメできないということになります。
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