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氷室京介も清志郎に影響を受けていた?~意外な忌野チルドレンたち
バンドブーム全盛期の80年代後半に登場した多くのバンドがRCサクセション、忌野清志郎の影響を受けていたことは明らかでした。音楽愛とユーモア、反骨精神は多くの後輩ミュージシャンに受け継がれています。
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バンドブームとすれ違うように活動休止したRCサクセション
▲RCサクセション日比谷野音ライヴでの清志郎とチャボ。日本ロック界のカリスマコンビだ
RCサクセションが活動休止したのは1990年のこと。バンドブームに背を向けるかのようにアコースティックな質感のアルバム『BABY A GO GO』で再び3人編成のバンドとして幕を閉じた彼ら。対照的に世の中のバンドブームはピークを迎えていました。
バンドブームの火付け役BOOWY結成の裏にあった清志郎からの影響とは?
▲氷室京介のボーカルスタイルからは感じられない意外な清志郎からの影響
バンドブームに火をつけたといえばBOOWY。
82年にデビューして88年に解散、とシーンを一気に駆け抜けた彼ら。クールなビジュアルとソリッドな演奏、パンキッシュな楽曲は、カラフルな衣装とユーモアが持ち味の清志郎の影響を感じさせません。しかし、バンド活躍の裏には多大な力をおよぼしています。
氷室京介はBOOWY以前、東京での活動に煮詰まり、音楽を諦めて故郷の群馬へ帰る決意をしたそうです。
当時の彼女からチケットをもらい、東京の最後の想い出のつもりで観たRCサクセションの日比谷野外音楽堂ライヴに感動。新たなバンドを結成することを決めて布袋寅泰に連絡を取ったことがBOOWYの誕生に繋がりました。
その後ブレイクしたBOOWYが日本武道館ライヴをおこなった際の名セリフ「ライヴハウス武道館へようこそ!」
これはRCサクセションが初めて武道館のステージに立った1980年開催のオムニバスイベント「POP’N ROLL 300%」での清志郎のMC「こんなに狭いライヴハウスははじめてだぜ!」をコピーしたものだという説もあります。
どちらにせよ、RCもBOOWYも武道館が小さく感じるくらいお客さんが詰めかけていたということですね。ちなみに清志郎逝去後、布袋はライヴで「スローバラード」をインスト曲の途中で演奏することで追悼していました。
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ヒロト・マーシーは清志郎とチャボに次ぐ日本ロックシーンのカリスマコンビ
▲青山葬儀場での友情と尊敬を感じさせる弔辞が涙を誘ったヒロト
ブルーハーツはバンドブームに登場したバンドの中でもRCサクセションの影響を色濃く感じさせました。清志郎とチャボ、ヒロトとマーシーというカリスマ的なボーカリストとギタリストを擁するという意味でも日本のロックシーンの歴史の中でも重要なバンドです。
見た目や演奏スタイルはまったく異なるものの、ブルーハーツがもっとも清志郎が作る楽曲を理解していると思う理由は歌詞にあります。
それまでの日本語ロックはサウンド面で洋楽に近づかんとするあまり、歌の内容はまったく無いに等しいような印象でした。清志郎やヒロト、マーシーが書いた世界は他者と相容れない孤独な自分と、それを理解してくれる対象へのラブソングでした。
ブルーハーツの音楽を「ガンバレロック」などと揶揄する向きもありましたが、彼らの歌は1人ひとりの孤独な魂に訴えかけることで支持を得たのではないでしょうか。
決して「さあ、みんな一緒に歌いましょう!」ではなく、あくまでも個人の心に向かって届けられる音楽。それは日本のソウル・ミュージックであり、清志郎の描いた世界との共通項です。
清志郎が亡くなった一週間後の2009年5月9日におこなわれた一般ファンも参列した青山葬儀場での葬儀で、ヒロトは友人の1人として清志郎へ弔辞を送りました。
「清志郎~。あなたとの思い出にろくなものはございません。突然呼び出して、知らない歌を歌わせたり、何だか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり…」
ヒロトらしいくだけた弔辞でしたが、清志郎との親しい関係を感じさせて涙を誘いました。
あこがれのミュージシャンから、音楽を愛する仲間としての友情を感じる関係になった2人の共演をもっと観たかったです。
ギターパンダこと山川のりをが受け継いだのはユーモアと反骨精神
ヒロトの岡山の後輩であり、「ザ・コーツ」や初期のブルーハーツで行動を共にした山川のりをも清志郎からの影響を受けているミュージシャン。バンドブーム期のディープ&バイツを経て忌野清志郎 & 2・3’Sのギタリストとして活躍しました。
彼をインタビューした際に聞いた清志郎の印象は「とにかくしつこい(笑)」。共作をした際、スタジオで煮詰まって帰ってきたのりをが寝ようとすると「あの曲どうなった?」とFAXが流れてきたそうです。
返事をして寝ていると再びFAXが届き(90年初頭清志郎はFAXに凝っていた)、「出来た?」と夜中に聞いてきたそうです。
そのやり取りが翌日の昼間まで続き(!)やっと曲が完成。その後寝ないでまたスタジオへ向かったそうです。清志郎の音楽バカっぷりがよくわかるエピソードですよね。
震災後注目を集めた反原発ソング「サマータイム・ブルース」「ラブミー・テンダー」を歌い継ぐ
▲2・3’Sで活動を共にした山川のりをはギターパンダとして活躍中
「ライヴのやり方も、レコーディングの仕方も、全部清志郎さんから教わった」という山川のりを。近年ではパンダのぬいぐるみを着て歌う「ギターパンダ」として様々なイベントに出演。
こうしたユーモアと、震災後の4月にユースト生中継され話題になった新宿中央公園でのお花見ライヴで「サマータイム・ブルース」「ラブミー・テンダー」を歌った反骨精神も清志郎さん譲りです。
誰よりも音楽ファンであり、ユーモアと反骨精神を持って独自の音楽を世の中に送り出した忌野清志郎。そのスピリットはしっかり後輩ミュージシャンに受け継がれています。
文・岡本貴之
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