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カバー曲を聴けばアーティストのセンスがわかる?~カバー曲ヒット事情

「カバー曲をリリースする時はアーティストに迷いがある時」なんてことを言った日本人ミュージシャンがいましたが、確かにオリジナル・ソングが続々とできればそんなヒマがないはずですね。

色んな事情から(?)発表されヒットを飛ばしたカバーの洋楽曲をピックアップしてみました。

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ヴァン・ヘイレンとキンクスが同じ曲をやっているのが面白い

画像2▲ヴァン・ヘイレンが売れたことで日本でも思い出されたと思うと少しさみしいキンクス

海外のアーティストって、有名曲をそのままヒットさせちゃうことが結構ありますよね?良いものは良い、という欧米の文化のとらえ方がうかがえます。

ロック界で有名なヒット曲ではヴァン・ヘイレンのデビュー曲「ユー・リアリー・ガット・ミー」があります。ご存知キンクスの代表曲ですが、こちらも大ヒット。初期ヴァン・ヘイレンの代表曲ともなりました。

キンクスの演奏も「元祖ハードロック・ヘヴィメタル」と言われていたそうですが、ヴァン・ヘイレンの特徴はやはりエディのぶっとんだギター。オブリガードやソロで個性を出しまくりです。さすがにこれはキンクスのデイヴには弾けません。

ヒットが出たことにより本家の存在が知られることになった典型的なパターンかもしれません。それだけヴァン・ヘイレンの登場は衝撃的であり、日本でのキンクス人気がなかったということですね。かわいそうなキンクス(泣)!

1985年にミック・ジャガーとデヴィッド・ボウイのデュエットによりチャリティ・シングルとして発表された「ダンシング・イン・ザ・ストリート」は、モータウンの女性コーラスグループ、マーサ&ザ・ヴァンデラスの曲。

ミックとボウイのカバーはMTV全盛期ということもありPVがヘヴィーローテーションで流れていてよく目にしました。ところでこの曲、キンクスもヴァン・ヘイレンもカバーしています。なんて仲が良いバンドたちなんでしょう(笑)。

「ハーレム・シャッフル」はミックがろくに『ダーティ・ワーク』に参加しなかったせいで曲が足りずに生まれたカバー?

画像3▲ミックがストーンズように曲作りしてれば「ハーレム・シャッフル」のPVも生まれてないかも?

ローリング・ストーンズは1986年にリリースしたアルバム『ダーティ・ワーク』で「ハーレム・シャッフル」をリード・シングルとして発表。オリジナルはアメリカのソウル・デュオ、ボブ&アールの1963年のヒット曲。

こうしたイカした曲をひっぱり出してきたのは『ダーティー・ワーク』を仕切ったキース・リチャーズのセンスでしょう。アニメーションとコラボしたPVは当時かなり話題になりこの曲もヒットしました。

彼もハットをかぶりキメていましたね。多数ある映像作品の中でも指折りのPVだと思います。

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ガンズがパンクをプレイすることでいかに演奏が上手いバンドかがよくわかりました

画像4▲この人たちって悪そうなんですけど演奏は上手い。練習はめちゃくちゃしてたんでしょうね。

ガンズ&ローゼズは1993年にリリースしたパンク・ロック集『”ザ・スパゲティ・インシデント?”』で様々な曲を取り上げていますが、やはりダムドの代表曲「ニュー・ローズ」をカバーしているのが興味深いです。

この曲のギターはひたすらコードをかきならずだけなのですが(笑)。そこはさすが全盛期のガンズだけに、実にキッチリとしたタイトでヘヴィな曲に仕上げています。

ただひとつケチをつけさせてもらうと、演奏が上手すぎる!パンクは演奏ヘタじゃなきゃ味が出ません(笑)!

ちなみにこのアルバムはパンクアルバムと聞いて手に取ったのですが冒頭の「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」というアメリカのドゥーワップグループ、ザ・スカイライナーズの曲でいきなりズッコケます。

オープニングにコーラス楽曲を入れるというのはアクセルの冗談だったのでしょうか。正直アルバムで一番良い曲なんですけど(笑)

ガンズはそれ以前の1991年に発表したオリジナル・アルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン1』でもポール・マッカートニー&ウィングスの「007 死ぬのは奴らだ」こと「リヴ・アンド・レット・ダイ」を収録しています。

ホーン・セクションを導入した派手なアレンジがライブでは最高に盛り上がります。

アバをサンプリングしてディスコ・シーンに帰還したマドンナ。やっぱり彼女にはダンス・ミュージックが似合います

画像5▲どうしてもレオタードじゃなきゃ駄目だったんでしょうか、マドンナ姐さん…

純粋なカバーではないですが、2005年に発表されたマドンナのアルバム『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』のリード・シングル「ハング・アップ」は、全米だけで870万枚のセールスを記録しました。

マドンナの歴代シングル1位の売り上げを達成したこの曲は、アバの「ギミー!ギミー!ギミー!」を大胆にサンプリングしたもの。マドンナがディスコ・シーンに帰ってくるきっかけとなりました。

マドンナはこの曲のサンプリング許可を得るために使者をアバのメンバーのもとに送り、交渉の末許諾を得たそうです。その結果マドンナの新たな代表曲になりました。

カバーにはヒットしている曲もあれば、隠れたカバー曲も数限りなくあります。必聴のカバー曲についてまた別の機会に書いてみたいと思います。

文・岡本貴之

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