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真心ブラザーズのひょうひょうとしながらも感じる「心の平穏」のテーマ
真心ブラザーズほどフットワーク軽くロックシーンに存在するバンドをほかに知りません。大ベテランと言って良いキャリアをほこりながら、ひょうひょうと肩に力の入らない雰囲気を感じさせるメンバー2人。彼らの音楽から感じるテーマ、それは「心の平穏」です。
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夕方の番組コーナーに出演しちゃうフットワークの軽さを早くも発揮してデビュー!
▲こんな感じのバラエティ感が似合うお2人です
真心が結成されたのは1989年、2人が通っていた早稲田大学でのこと。
当時「夕やけニャンニャン」の後番組として放送されていた、バラエティ番組「パラダイスGoGo!!」(フジテレビ)のコーナー「勝抜きフォーク合戦」に出場するために桜井秀俊がYO-KINGこと倉持陽一に声をかけたのがきっかけです。
フォークデュオとしてデビューした彼らの初期の作品、ライヴはアコースティック編成をベースにしたものでした。初期の代表作は「どか~ん」。『ニュースステーション』のプロ野球コーナーなどで使われていたのもご存じの方も多いはず。
ローソンの夏のお弁当キャンペーン・ソング「真夏といえども」、カップリングの「モルツのテーマ」がともにCM曲としてお茶の間に流れ、真心の音楽はタイアップの多いイメージがありました。
全部は聴いたことがないけれど、曲の一部だけ知っているという方がいるのもそのせいでしょう。
「スピード」で大胆な変貌をとげて再ブレイク!しゃべるような早口ボーカルとハードなギターが衝撃を与えました
▲アングラ・フォークデュオ的な印象はまったくなくなった倉持ことYO-KING
CMで流れるような小歌(?)を歌うフォークデュオという印象がガラっと変わったのが1995年4月21日にリリースされたシングル「スピード」。ハード・エッジなギター・サウンドに乗せてしゃべるように歌う倉持は、このシングルからビジュアルも大幅に変化しました。
それ以前から「世界中の人々の心を輝かせるために下落合で結成」されたヒップホップ・グループ「エレファントラブ」でそれまでのアングラ・フォーク的なイメージを一新していた倉持陽一ですが、「スピード」以降の音楽的な急激な変化は目を見張るものがありました。
シングルに続いてリリースされたアルバム『キング・オブ・ロック』は大胆なタイトルが示すとおりのロックなアルバム。ホーン・セクションも含めたバンドを従えて録音された楽曲たちは異様なほどとんがったものが並びました。
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山Pがドラマ主題歌でカバーした名曲「サマーヌード」は出世作。桜井のアレンジ能力が光ります。
▲穏やかながらも鋭い曲作り・アレンジは一級品の桜井秀俊
続く「サマーヌード」では、完全に過去のフォーキーなイメージを払しょく。
ホーンを多用したソウルフルなアレンジ、大声でどなる倉持のボーカルが強烈に耳に残り大ヒット曲となりました。「どか~ん」を聴いていた方からすれば相当なイメージのギャップがあるのではないでしょうか?
その後倉持はエレファントラブの活動の中で「YO-KING」と改名することを発表。フルネームは「スパイスマスター・デフロスタ・ヨーキング」というこのアーティスト・ネームにした理由は「名前に飽きたから」だそうです(笑)。
改名して怖いものがなくなった感がある?
倉持陽一の陽(YO)と、陽気な王様という意味をこめてのKINGを合体させて独自の名前を名乗り出した彼は98年10月に正式に改名。
ちなみに2000年に当時JUDY AND MARYのボーカルだったYUKIと結婚した際にはスポーツ新聞に「YUKI結婚!」という見出しが多かったためYO-KINGの名前はあまり目立たなかった印象があります(笑)。
ロックバンド化したバンドは『GREAT ADVENTURE』『I will Survive』といった傑作アルバムを次々と発表しました。
この頃の音楽性はYO-KINGがギター弾き語りで作った曲が桜井によりアレンジをほどこされ真心の曲になっているイメージです。実際彼はこの頃からプロツールスを使い出しアレンジの幅を広げたようです。
『I will Survive』のリリースを経て、エレキ・バンド化のひとつの完成形を聴かせた真心はここでソロ活動をはさみます。
『DEFROSTER ROCK』、『INTERIOR』というそれぞれのアルバムははっきり個性のわかれたものとなりました。YO-KINGは日常の風景を切り取ったシンプルな楽曲をそのまんま、まるでデモテープのような質感のアルバムを制作。
スプリット・シングルとしてリリースされた「いつかのうみ」は、デビュー曲「うみ」の10年後のアンサー・ソングとして涙なしでは聴けない名曲です。
桜井のソロはまさにおしゃれなインテリアをチョイスしたような、キラキラしたアレンジの作品。ポップマスター・桜井の真心での仕事ぶりが明確にうかびあがったアルバムでした。
2人の人間性がそのまま出た楽曲たちは心の平穏が生み出すポジティブさが心地よい
▲以前も現在も、音楽の楽しさを最大限に伝えているという意味では変わらないですね。
1999年に発表された『GOOD TIMES』は、ソロ活動で得たものが新たな世界として開花した作品です。
世の中に蔓延する漠然とした不安を笑い飛ばす先行シングル「サティスファクション」は“俺は満足してる 俺は大満足 不満はダサい”とひたすらポジティブ。アルバムも彼らの最高傑作といえる充実した内容となっています。
楽曲に流れているポジティブさは、押し付けがなく暑苦しくないのが特徴です。それは自分の心の平穏がまず第一にありたいという2人のパーソナリティからくるものでしょう。
自分を愛する事で人を愛することができるというテーマが楽曲にあることが、長きにわたり人気バンドである理由です。
文・岡本貴之
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