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国産ヴィンテージギターはオリジナルモデルを超えたか?
かつて、ギターの世界でヴィンテージと呼ばれ、高い評価を受けるのは海外のメーカーのものばかりでした。ですが、近年になって日本メーカーのものもジャパンヴィンテージと呼ばれ、徐々に注目を集めるようになってきています。
これまで一部のマニアのものでしかなかった国産ヴィンテージギターを一度弾いてみると、その素晴らしいサウンドに驚いてしまうかもしれません。価格が高騰し、海外メーカーのヴィンテージには手がとどかない…そんな人でも国産ものならまだ十分に狙うことができます。
ここでは魅力的な国産ギターについて考えてみましょう。
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オリジナルバーストにも匹敵?グレコのスーパーリアル
現在、もっとも高価なエレキギターと呼ばれるものの一つに、1958年から1960年までの3年間の間に製造されたオリジナルバーストと呼ばれるギブソン・レスポールが挙げられます。
市場価格はなんと一千万円以上と、筆者のような庶民にはとても手の出せないものになっています。
そんなオリジナルバーストを復刻したヒストリックコレクションと呼ばれるシリーズが本家ギブソンから発売されていますが、これも50万円から100万円前後と高額で、気軽に購入できるものではありません。
そんなヴィンテージレスポールに匹敵すると言われているのが、70年代後半から80年代の前半にかけて生産されたグレコのスーパーリアルシリーズです。
当時人気が高かったレスポールを徹底的に研究し、コピーされていますので、一部のマニアの間では本家の復刻モデル以上にバーストに近いと言われています。
当時の価格で10万円を超えるコピーモデルですので、かなり本気で作られていることは間違いありません。現在の市場価格は10~20万円と、まだまだそれほど高騰しているわけではありませんので、チャンスがあれば筆者も入手したいと考えている一本です。
グレコスーパーリアルシリーズEG-850。ミドルクラスのモデルとは思えないほどの完成度を誇ります。
’60sフェンダーに肉薄?フェルナンデスの底力
ギブソン系コピーがグレコなら、フェンダー系はフェルナンデスでしょう。近年では特殊なシェイプのオリジナルモデルのイメージが強い同社ですが、かつてはフェンダー系のコピーモデルを多く製造していました。
このフェルナンデスもグレコと同様に60年代のストラトを実際に分解し、研究した上で精密にコピーされています。
実際に、筆者はこの年代のコピーモデルと本家のヴィンテージを弾き比べたことがあります。結論から言えば、サウンドはかなり近いものでした。
もちろん、音の減衰の仕方など、やや不自然な点もありますが、出てくるサウンドから受ける印象はとてもよく似ています。
近年の安物ギターにありがちな外見だけをコピーしたのではなく、音質面まで考えてコピーされていることを伺うことができます。ブランドにこだわらないのであれば、現行の復刻モデルよりもずっとよくできたギターだと筆者は思っています。
近年ではこのようなハードロック・メタル系ギターのイメージの強いフェルナンデスですが、かつてはトラディッショナルなモデルでよく知られていました。
確かな技術力で世界的にも高評価を得たトーカイ
日本を代表するギターメーカーとして忘れてはならないのがトーカイです。70年代から80年代にかけて多くのコピーモデルを世に送り出しています。その中でも、特に注目したいのがギブソン系コピーモデルです。
レスポールはもちろんのこと、SGやフライングV、ファイヤーバードなどをコピーしたモデルまで存在していました。
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トーカイが他のメーカーと大きく違っていたのは、モデルだけではなく、価格帯に関しても幅広く展開していたという点です。3万円前後の初心者向けのモデルから、数十万円の高級品までラインナップされていました。
この中でも、高級な価格帯に位置するものは、当時のオリジナル以上に良質な材を使用し、高い精度で加工されていました。ですので、海外でも高い評価を受けており、プロミュージシャンにも使用されていたと言われています。
アルミボディが特徴的なトーカイの名器・タルボ。その独特なサウンドから、エレキギターの未来を感じてしまいます。
本物になってしまった国産ギター
初期のころ、フェンダーの廉価版であるフェンダージャパンのギターを製造していたフジゲンという工場があります。このフジゲンこそがグレコなどのハイレベルなコピーモデルを製造していたのです。
また、現行のグレッチを製造している寺田楽器も、かつてはグレコブランドのグレッチコピーの製造を行っていました。
つまり、その高度な技術が認められ、単なるコピーが本物の名を馳せることになったのです。
オリジナルモデルも捨てがたい
コピーモデルだけでなく、日本メーカーのオリジナルモデルにも魅力的なものが多く存在しています。
その代表となるのが、かつてカルロス・サンタナも愛用していたヤマハのSGでしょう。名前はギブソンの代表機種と同じですが、ボディシェイプも構造もまるで別物です。
このSGは世界的にも高い評価を受けており、初期のモデルなどは現在プレミアム価格となっています。
カルロス・サンタナのSG。世界で最も有名な国産エレキと言えるかもしれません。
その他にもカワイのムーンサルトやトーカイのタルボ、グレコのオリジナルシェイプモデルなども、日本メーカーならではのオリジナリティに溢れており、ギタリストであればそそられるものがあるのではないでしょうか?
海外ばかりではなく、国内のメーカーにも目を向けてみると、より選択肢も広くなり、もっとギターを楽しむことができるようになるはずです。
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