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「マーカス・ミラー」の魅力~スラップ奏法を操る超絶ベーシスト
ベーシストなら一度は憧れるであろう「スラップ奏法」。どうしても習得したいと、ネットや教則本を見ると絶対に載っている人物が数人います。
今回はそんなスラップ奏法名手の中でも筆者が大好きなベーシストの一人「マーカス・ミラー」を紹介します。
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ジャーメイン・ジャクソン、ジャコ・パストリアスに魅了された少年時代
マーカス・ミラー氏が生を受けたのは父親がオルガン奏者という家庭でした。数々の音楽理論を持っていた父に音楽を教わり、さまざまな音楽に触れ、10歳にはクラリネットをはじめたそうです。
それから数年後、彼はテレビで活躍するジャクソン5のベーシスト、ジャーメイン・ジャクソンを見たことがきっかけで、ベースギターをはじめる事になりました。彼の影響が現在もベースギターの外観にもつながってきます。
そのままマーカス少年はベースギターにのめり込み、ジャコ・パストリアスをはじめとするベーシスト達にもハマッていき、10代のうちにプロのベーシストとして活動するようになりました。
そんなベーシストとしての第一次成長期である10代の頃には、すでに彼の代名詞「スラップ奏法」を習得しています。周りの友人達が「指弾き」でベースをプレイしている中、ひっそり習得したというインタビュー文章を見たことがあります。
伝説達との共演
10代ですでにベーシストとして活躍していた彼は、常に伝説の「レジェンズ」達と共演しています。
ラリー・カールトンに並ぶ、ギブソン ES-335の代表的使い手、リー・リトナーや、きらびやかでキャッチーなサックス奏者、グローバー・ワシントンJrの作品に参加しており、一聴しただけで「あれ?この音マーカスじゃね?」とわかる独特なサウンドでベースを弾いています。
そして帝王、マイルス・デイヴィスとの共作はマーカス氏の経歴では、切っても切り離せないものだと思います。
「素晴らしい音楽を奏でるなら、宇宙人でもなんでもいい」と言うほど音楽への探求心を生涯燃やし続けた帝王マイルス。
生半可な知識や感性ではつとまらない帝王の多数のアルバムやライブでサポートとしてベースを弾いたマーカスは、自身も伝説の仲間入りを果たしたのではないかと思います。
そして伝説のバンド、その名も「レジェンズ」を結成しました。エリック・クラプトン、デヴィット・サンボーン、スティーブ・ガット、ジョー・サンプルという、まさに伝説のメンツによるバンドが生まれたのです。
▲筆者が誕生日にいただいた「LEGENDS」のブルーレイ版
筆者はこのライブ作品を見て、初めて「レジェンズ」の存在を知りました。この97年のライブでマーカスは、エリッククラプトンの名曲「いとしのレイラ」でベースではなく、バストロンボーンを吹いて会場を盛り上げています。
数々のプレイを支えてきた相棒
彼のメインベースは、77年製のフェンダージャズベースです。フロントピックアップの上には、ピックアップフェンスが取り付けられています。これは、ジャクソン5のジャーメイン・ジャクソンの影響だそうです。
エフェクターは、一時期「EBS」で固めていたようで、アンプヘッドもキャビネットも同メーカーでそろえていました。筆者のイメージでEBSと言えばコンプレッサーの印象があります。実際使ったことがないのでなんとも言えませんが・・・。
マーカス・ミラー氏は77年製のフェンダージャズベースをずっとメインで使っているためか、ボディの裏側にはベルトのバックルによって傷がつき、穴が掘れているそうです。
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バックでもメインでも光っているマーカスの作品達
マーカス・ミラーと言えば、スラップ奏法ですが、ソロでは激しく、バックではメインをサポートする堅牢なリズムを構築しています。攻撃的な奏法でも自分ばかりを考えないプレイは全てのベーシストが見習うべきことではないでしょうか。
本来ベーシストの筆者も、よくライブ後共演者に注意されることです。
彼が手がけた作品、参加した作品は300タイトルを越えており、たまたま手にしたCDで彼のプレイが聴けることも多々あります。彼のサウンドがメインを飾っているソロ作品から、筆者のお気に入りを紹介しましょう。
筆者が初めて聴いて思わずポカーンとなった2001年のアルバム「M2 パワーアンドグレイス」です。ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、メイシオ・パーカーといった、これまた豪華きわまりないメンツが参加している作品です。
一曲目から強烈なインパクトを与えてくれる曲「Power」。ベースがBm7のコードを弾くことから始まるこの曲は、さり気ない高度なテクニックのオンパレードで、後半に出てくる32分の高速プレイは凄まじいものです。
続いて紹介するのは10年ほどさかのぼり93年のアルバム「キング・イズ・ゴーン(THE SUN DONT LIE)」です。
とても聴きごたえのある作品です。ウェザーリポートでジャコ・パストリアスが指弾きで華麗に弾いていた「ティーン・タウン(十代の街)をスラップ奏法で弾き倒したりしています。
このアルバムにはマーカス・ミラーの曲の中で、筆者の一番のお気に入りが入っています。それは10曲目の「juju」という曲です。アルト、テナーサックスとの素晴らしいメロディの掛け合い、ベースの絡み方など非常に曲作りの参考になる楽曲です。
この曲でマーカスはベースをはじめ、キーボード、パーカッションプログラム、さらにギターを演奏しており、マルチに楽器を操る多才さや、楽曲をまとめ上げる力が最大限に発揮された曲ではないかと筆者は感じます。
10代から常にプレイヤー、プロデューサーとしてトップを走り続けているマーカス・ミラー。超ベテランである彼から学べることは多々あると思います。ベース弾きとして、曲製作者として、ぜひお手本にしたいベーシストの一人です。
筆者:takahiro
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