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グレッチの魅力はルックスだけじゃない~そのサウンドに迫ってみる

フェンダーやギブソンに次ぐ第三のエレキギターメーカーといえばどこでしょう?筆者はそこにグレッチの名を連ねたいと思います。

ギブソンもES-175など多くの優れたフルアコースティックエレキギターを生み出していますが、その数でいえばグレッチには遠く及びません。

そんなグレッチですが、その音についてはあまり語られていません。美しいデザインのインパクトがあまりにも濃いことから、その点ばかりが注目される傾向にあるようです。

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ホワイトファルコン

ホワイトファルコンは確かに世界一美しいギターという名に恥じないものだと思います。

キャデラックグリーン

キャデラックグリーンよりも美しい緑は存在しない…筆者はそう思うほどです。しかし、それ以上にグレッチのギターは大きな魅力を持っています。それこそ、ここから生み出される音です。

ここではそのサウンドの魅力に迫ってみたいと思います。

グレッチの王様!ブライアンセッツァーを聴け!

現在、グレッチを使用するプレイヤーとしてもっともよく知られているのが、ストレイキャッツなどで活躍したブライアン・セッツァーでしょう。

グレッチ6120ナッシュビル

そんな彼のメインギターとして知られているのがグレッチ6120ナッシュビルです。タンジェリンカラーのナッシュビルは世界一有名なギターの一本でしょう。

彼のサウンドの最大の特徴はそのクリアなトーンです。ストレイキャッツ時代のリバーヴのかかったクリーンな音は他のギターで再現することは不可能でしょう。

6120+フェンダーベースマン…そこに余計なエフェクターは一切必要ありません。レコーディングされた音源はもちろんのこと、ライヴ映像も多く残っていますので、グレッチの音を知りたいのであれば、絶対に聞いておくべきです。

やっぱりアンプにはこだわりを持ちたい

いきなりブライアン・セッツァーの紹介から入りましたが、これには理由があります。彼の機材は基本的にギターとアンプのみです。

多くのグレッチに搭載されているフィルタートロンピックアップはお世辞にもエフェクターの乗りが良いものではありません。そうなってくると、音作りの基本はアンプで行うことになります。

近年では高性能なエフェクターが多く登場しましたので、アンプに対してあまりこだわりを持たないギタリストも多くなっています。自分のアンプを持たず、エフェクターと素直な音質のトランジスタアンプだけで音作りを完結させてしまう…この方法はグレッチには通用しません。

実際にグレッチを使用し、この良さを理解することができない人の多くはアンプによる音作りができていないケースがほとんどです。

グレッチと相性の良いアンプといえばやっぱりフェンダー

セッツァーがベースマンを愛用しているように、このメーカーのギターはフェンダー系のチューブアンプととても相性が良い傾向にあります。実際に筆者もさまざまなアンプを試した結果、ツインリバーヴまたは、ザ・ツインに落ち着きました。

このメーカーのチューブアンプの特徴は温かみのあるクリーントーンと、ナチュラルなスプリングリバーヴでしょう。角の立ちすぎていない温かみや、自然な音の広がりは、トランジスタアンプやデジタルリバーヴでは決して再現することのできないものです。

こういった傾向を持つアンプとうまく組み合わせることができて初めてグレッチならではのサウンドをアウトプットすることが可能となります。

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低出力でノイジーなピックアップならではの味

筆者が愛用している6119テネシアンには、ハイロートロンと呼ばれるシングルコイルピックアップが搭載されています。

6119テネシアン

このピックアップの特徴は、言葉にするととても悲惨なものになってしまいます。

「低出力であるにもかかわらず、ノイズが多い」

こう紹介されて、わざわざそれを選ぶギタリストはあまりいないのではないでしょうか?しかし、筆者はこのピックアップがとても気に入っています。

この特徴のおかげで、作ることのできるサウンドの幅はとても狭いものです。基本的にあまり歪ませることはできませんし、ディレイなどの空間系エフェクターを使用すると、ノイズまで一緒に広がってしまうことになります。

ですが、クリーントーンで鳴らしたときの、繊細さは絶品です。多くを犠牲にしても、結果としてこのサウンドを出すことができるのなら良いか、そう思わせてくれます。

簡単に言葉では言い表すことができない魅力をグレッチのギターは持っています。

深みのある音とは何なのかを教えてくれるギター

一般的に「深みのある音」と言われると、どのようなものをイメージするでしょうか?おそらく、複雑にからみあう倍音、そしてその中から抜けてくる太いメインサウンドをイメージしたでしょう。
筆者も、あるギターに出会うまではそんなイメージを持っていました。

ジェットと言われるギター

それを壊してくれたのが、ジェットというギターでした。ギブソン・レスポールのようなルックスから、ソリッドボディギターだと思われがちですが、実は内部はセミホロー構造となっています。

ソリッドのギターのようなタイトさを持つわけでもありませんし、アコースティック系ギターのような豊かな広がりを持つわけでもない…。そのサウンドを例えるならば、薄っぺらいペケペケな音、と言ったところでしょう。

筆者も当初は使えないギターだな、という印象を持っていました。ですが、アンプ側でセッティングを詰めて行くうちに、このギターの魅力を知ることになりました。

薄っぺらいからこそ、表現を制限しないのです。アンプのイコライザーや、ピッキングのタッチなどに繊細にこたえてくれる、という点ではこのギターに勝るものはないでしょう。そのくらいに好みの音を追求することができます。

もちろん、その分扱いは難しくなりますが、可能性は無限にあります。これもまた、深みのあるサウンドであると言えるのではないでしょうか?

ここでご紹介させていただいたのはあくまでグレッチサウンドのほんの一部に過ぎません。単にルックスだけのギターだ、と見切ってしまうのではなく、一度実際のサウンドに触れていただきたい、筆者はそう考えています。

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