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サンボマスターはなぜ新たな若いファンを獲得し続けられるのか?
3人組ロックバンド、サンボマスターがデビューして10年が経ちました。初めて聴いた時の「なんだこりゃあ!?」という驚きは忘れられません。あれから10年、ライブには毎回若いファンが大勢やってきます。彼らのライブはめちゃくちゃアツいんです!
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解散の危機なんて考えたこともないっ!と豪快に笑い飛ばされました。そりゃそうだ!
▲確かに誰も解散するなんて思ったことはないはず。
昨年、メンバーの3人にインタビューした際にふと質問しちゃったことがあります。「あの~、10年もやってると…その…」と言いかけた僕に、察してくれたボーカルの山口隆が質問を遮ってこう言いました。
「解散の危機っすか!?一度もないですね!ははははは!」。ドッとウケるメンバー、スタッフたち。確かにサンボマスターって解散しなそうだ!へんなこと聞いてすいません!
デビューしたのは2003年のこと。メジャーデビュー作品はオナニーマシーンとのスプリットアルバム『放課後の性春』というインパクト大な登場の仕方です。う~ん、これは買うのに勇気がいりますね。
多くの人はその後に発売されたファーストアルバム『新しき日本語ロックの道と光』で彼らの音楽と出会ったのではないでしょうか。僕もその一人です。最初にこの作品を聴いたときには「うわ~!なんだかわからないけど凄いやつらが出てきた!」と驚きました。
このアルバムは、まずジャケットに載っている3人が全然カッコよくないのが良かったんです。だってこのころは化粧してキメキメで「永遠にファーラーウェーイ」みたいなどうでも良い歌が多かったんですよ。
こんな感動と衝撃はブルーハーツを初めて聴いて以来、という者が続出しました
▲興奮する音楽と出会った時の喜びといったら!
ところがサンボマスターのリアルな人生を叩きつけるように歌う曲たちは頭をぶんなぐられたような衝撃でした。
とにかく音がデカくて、キレイに整理されていないのが最高でした。身の回りのことを歌っているんですが、それが全然、説教臭くなくて「俺達のバンド」という感じが満点だったんです。
新譜を聴いてこんな気持ちになったのはいつ以来だろう?もしかしてこれはブルーハーツ以来かもしれない!と思っていたところ何かの雑誌に山口が「よくブルーハーツ以来の衝撃だって言われます」と言っていたんです。やっぱりそうだよね!?仲間がいた!
サンボマスターが凄いところは、10年選手にもかかわらず、昔ながらのファンだけでなく10代のファンの支持を受けて活動を続けていることなんです。
それはライブ会場に行けばわかります。物販でタオルやTシャツを買ってその場で着替え、ライブ中はモッシュ・ダイブが当たり前。2階からアリーナの様子を見ていると、ステージ前にファンが輪になり、おしくらまんじゅうのように体をぶつけあい盛り上がっています。
こんなにも若くてエネルギッシュなファンがいつまでもライブに足を運ぶ理由のひとつは曲の良さです。基本的にはストレートなパンクロックなんですが、そこにブルース、R&B、ファンクの要素が色濃く入っているのがサンボの特徴です。
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現在ではヒップホップのステージングも取り入れているんです
▲ちなみにこれはビースティー・ボーイズです。
最近のアルバムではヒップホップもフィーチャーされており、ライブのある曲では楽器を置いて、打ち込み音を流しながら3人でマイクを持って歌っています。まるでビースティーボーイズみたいでしょ?かっこいいんですよ、これがまた!
マイクを持って歌った3人が曲の後半で楽器を持って続きを演奏するのが、さらにカッコいいんですけど、以前の彼らのイメージからするとこんなことやらなそうですよね。
以前のイメージというのは一般的にもブレイクしたドラマ「電車男」の主題歌となった「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」のことですが、オタクを扱ったこのドラマのせいか、サンボの3人までオタクのイメージになってしまいました。ぜんぜん違うのに!
オタクということで言えば、メンバーはかなりの音楽オタクと言えます。インタビューした際にも、さまざまなプロデューサーやアーティストの名前を例に挙げて話してくれましたが、こちらの知らないこともたくさんあり完全に知識負けしていることがわかりました。
誰よりも音楽ファンであることが、音楽性を高めているんですね
▲良い音楽をたくさん聴いて錆びつかないところがかっこいいです。
その豊富な音楽知識が、ヒップホップのみならず最新のアルバムではEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)への接近に繋がっています。ストレートなロックだけでなく、打ち込みを多用するようになったのです。
近年のサンボのアルバムを聴いていないかつてのファンがいたらぜひ、最新作『終わらないミラクルの予感アルバム』を聴いてみて下さい。「今、こんなことをやってるんだ!?」って驚くはずです。
音楽的にバリエーションを増やしたサンボマスターのライブは、ますます最高になっています。フェスでも面白いMCで煽り、激しい演奏とコールアンドレスポンスで絶対に盛り上げます。フェスで彼らを観てファンになる音楽ファンが結構いるそうです。
ベテランバンドでありながら貪欲に新しい音楽を取り入れ、ライブではハズレのない全力のパフォーマンスを見せるサンボマスター。新たな若者ファンを獲得しているのもうなずけます。
文・岡本貴之
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