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デスバイオーディオ(Death By Audio)~地下室エフェクターブランド

デスバイオーディオというミュージシャンがリーダーの地下室集団を知っていますか?

海外のミュージシャンでも、日本の状況と同じく、自作ペダルに走っている人は少なくありません。実際、有名メーカーを含めたエフェクターの回路図を分析したりしているインターネットのサイト(フォーラム)は海外が中心です。

「Death By Audio」のオーナー兼ビルダーであるオリヴァー・アッカーマン(Oliver Ackermann)は、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズ(A Place To Bury Strangers)というバンドのメンバーでもあります。

上の画像のエフェクターは、ファズウォー(FUZZ WAR)です。デスバイオーディオの代表作といってよいでしょう。これによってデスバイオーディオの名前が世界に知られることになりました。

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この「超音波銃」からは轟音の光線が発射されます

画像2▲スーパーソニックガン(SUPERSONIC FUZZ GUN)

ファズです。ファズウォーの機能を発展させたものでしょうか。

ミニスイッチと5つのノブが付いています。ミニスイッチを「osc」にすると強烈な発振をします。「gate」にして「DENSITY」と「FUZZ」のノブを全開にするとファミコンの濁ったゲーム音みたいになります。

デスバイオーディオは2002年頃にオリヴァー・アッカーマンによって、ニューヨークのブルックリンで誕生しました。

どうやら、最初は自分で使うためにエフェクターを自作していたようです。なので、デスバイオーディオの音はオリヴァー・アッカーマンの趣味を見事に反映しています。

オクターブが「ガーン」と鳴るファズです

画像3▲オクターブクラング(OCTAVE CLANG)

いわゆるオクターブファズです。ただ、素直なオクターブ音を加えるだけの代物ではありません。「Shape」というノブがリングモジュレーター的な役割を果たしていて、シタールのような音まで出ます。

2003年には、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズの原形ができたようです。誤解を承知でいえば、ジーザス&メリーチェインをバックにジョイ・ディヴィジョンが混ざったような感じのバンドです。もちろん、強烈に歪んだノイズが響いています。

トランスフォーマーといってもオモチャじゃありません、倍音が変身します

画像4▲ハーモニックトランスフォーマー(HARMONIC TRANSFORMER)

音が変調するファズです。本人の説明によれば「エイリアン・ノイズ」らしいです。ノブは1つでボリュームだけという潔さが素晴らしいですね。

2007年、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズは、バンド名と同じタイトルの1stアルバムを発売します。さまざまな音楽メディアは高い評価でこのアルバムを受入ました。

夢のエコーではなく、どう見ても悪魔のエコーです

画像5▲エコードリーム2(Echo Dream 2)

名前の通りエコーです。ローファイなディレイです。ただ、そんなマトモな製品は出しません。しっかりとファズとモジュレーションまで付いています。ファズ+コーラス+ディレイ。まだまだです。モジュレーションにはミニスイッチが付いていてスクウェアを選ぶとロボットみたいな「なんだ、これ?」って音が出ます。

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2007年頃からデスバイオーディオはエフェクター製作だけでなく、アートイベントやレコーディングまで手を広げます。日本でもありますが、バンドと、映像やペイント、ダンスなどとのコラボレーションは新しい刺激になりますよね。

亡霊のディレイまで出てきました

画像6▲ゴーストディレイ(Ghost Delay)

同じく名前の通りディレイです。めずらしくファズではないです。4つのモードが切り替えできるステレオディレイです。

ただ、当然のようにマトモではありません。3つのディレイが付いています。3つの組み合わせによってさまざまな音をつくることができます。

また、普通のステレオディレイは原音とディレイ音の2つなのですが、これはアウトプット(Output)からは3つのディレイが、オークスアウト(Aux Out)からは最初の2つのディレイが出力します。

それをステレオで左右にふれば…もう、訳が分かりませんね。

2009年、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズは、アメリカ最大級のコーチェラ・フェスティバルに参加し、2ndアルバム「エクスプローディング・ヘッド(Exploding Head)」を発表。

翌年にはザ・ビッグ・ピンク(The Big Pink)のアメリカツアーに帯同しました。

これはアシモフのロボット3原則を守らない「ロボット」です

画像7▲ロボット(ROBOT)

またもや、その名の通り、ロボット音が出るエフェクターです。3つのモードが付いているのですが、ノーマル(NORMAL)が8ビットにデジタル変換した音になる、という「どこがノーマル?」というペダルです。

2012年、ア・プレイス・トゥ・ベリー・ストレンジャーズは3枚目のアルバム「ワーシップ」を発売します。タイトルの意味は「崇拝」です。ノイズへの「崇拝」でしょうか。

両方のフットスイッチをオンにすれば、いったいどんな轟音が出るのでしょうか

画像8▲ジ・ファズウォー・オーバーロード(THEE FUZZ WARR OVERLOAD)

ファズウォーにトレブルブースターが付いた特別バージョンです。台数限定販売のようです。これがマトモに見えてくると、もう「ファズ」病です。確定ですね。

2013年に来日もしたジ・オー・シーズ(THEE OH SEES)のリクエストで製作されたらしいです。このバンドのジャケットはいつもセンスがいいですね。

「ファズ:世界を変えた音(FUZZ: THE SOUND THAT REVOLUTIONIZED THE WORLD)」というDVDがあります。

そこにデスバイオーディオの工房?が出てきます。それは地下にある、まるで危ない集団のアジトのような映像でした。

「あぁ、こんな地下室で、ぶっ飛んだアイデアをみんなで話しているんだ…」と思ったら、ニヤニヤしてしまいました。そのニヤニヤは完璧に「こいつら、やっぱり、頭おかしいわ(ホメ言葉)」という思いからですね。

最低で最高な奴らです。

by yosh.ash

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