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ギターの弦にまつわるウンチク~知ると仲間に思いっきりドヤ顔できる

ギタリストが何気なく使っている弦ですが、ギターの弦には何百年も前から続いている歴史があります。一昔前にはある動物の素材を使っていたり、3弦がワウンド弦(巻き弦)になっていたなど、ギターの弦にまつわる歴史はユニークなものばかりです。

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18世紀後半まで、ギターの弦は羊の腸から作っていた。

画像2▲羊の腸といえばウインナーですが、今ではちょっと考えられません。

楽器の弦に使われる素材が完全に金属となったのは20世紀に入ってからで、それまでは羊の腸の繊維を使った「ガット」を使って製造していました。今となっては不思議な話ですが、その当時はギターの弦に使える強靭な素材が中々手に入らなかったようです。

羊の腸を主原料にしているとはいえ、ガットは柔軟性と耐久性に優れている素材で、ギターの弦に限らずあらゆる物に使われていました。その後、18世紀後半までガットを使用したガット弦が使われ続けます。

16世紀から17世紀ごろ、はじめてガットの芯線に金属を巻きつけた弦が登場します。当時、チェロやバイオリンの低音弦に使われていたとのこと。ただ単にガットを張るよりも遥かに耐久性に優れている上、音の響き方も変わってきたのではないでしょうか。

そして20世紀初頭、金属を芯線に使った弦が主流になります。多くのギターメーカーが金属製の弦を出荷し始めたのもこの頃からです。それからメーカーが改良に改良を重ね、今現在私達が使っている弦を開発しました。

基本的な構造は当時と変わりませんが、現代ではさまざまな種類の金属を使った弦が登場しています。当時使われていた金属は主にスティール(鋼)です。今もスティールを使った弦が主流ですが、今現在は鉄にカーボンなどの素材を混ぜ、より強靭な弦となっています。

ワウンド弦とプレーン弦の違いはなんだろう?弦の詳しい名称を覚えよう。

画像3▲筆者が愛用しているSIT String。驚く程チューニングが狂わない。(画像1)

画像4▲開封してみました。画像上部が6弦、下部が3弦。(画像2)

「ギターの部位を答えてください」と質問されたら、大抵のギタリストは答えられるでしょう。では、「弦の部位の名称を答えてください」と聞かれたらどうでしょうか。

意外と知られていないのが弦の名称で、6弦から4弦までを「ワウンド弦」、3弦から1弦までを「プレーン弦」と呼びます。

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ワウンド弦は金属製の芯線にニッケルやステンレス、スティールの合金を巻きつけた物です。
それに対してプレーン弦は特に手を加えない「そのまま」の金属弦ですね。プレーン=Plainという英語を直訳すると「単純な」とか「そのまま」という意味になります。

さっそくですが、改めて弦について知るために参考画像を用意しました。画像1と2をご覧ください。筆者が普段から愛用しているSIT Stringという弦です。ちょうど弦を交換する良い機会だったので写真を撮ってみました。

画像2が開封した写真で、少し見づらいですが3弦と6弦が写っています。太い6弦がワウンド弦、細い3弦がプレーン弦ですね。

ちなみにワウンド弦を切断して断面を見てみると、「芯線が六角形」になっています。その構造のことを「ヘキサゴナル・コア」と呼びます。六角形の芯線を使用することにより、巻きつける素材の緩みを改善し、より強固に巻きつけることができる訳です。

一昔前は3弦もワウンド弦だった。その理由とは?

画像5▲当時は三弦をワウンドにすることがメーカーの間で主流になっていました。

あなたのギターの3弦はワウンド弦でしょうか、それともプレーン弦でしょうか。ほとんどのギタリストが3弦にプレーン弦を使っていることでしょう。

ですが、今からおよそ50年以上前に市販されていた弦は3弦が「ワウンド」でした。3弦が巻き弦になるとどうでしょうか、何となく弾きにくそうな気がしますよね。

しかし、当時はそれが主流になっていたので、どのメーカーも3弦にワウンドを使ったセットを販売していました。とはいえ、そのままだと初心者にとっては弾きにくかったようです。

初心者が悪戦苦闘をしている光景を目の当りにし、「プレーン弦にしたらどうか?」とギターメーカーに提案した人が「アーニーボール氏」です。定番中の定番、あのアーニーボールの創立者ですね。

1950年頃、彼はロサンゼルスで楽器店を営んでいたそうですが、上述のようにメーカーにプレーン弦の使用を提案したところ、あまり良い反応をもらえなかったとのこと。「これではいけない」と思い立った彼が起こした会社がアーニーボールです。

何ともユニークな話ではありますが、それがなかったら今現在も3弦にワウンド弦が主流になっていたかもしれませんね。

ちなみに、今現在も3弦が巻き弦になっているセットは販売されています。アーニーボールをはじめ、あのダダリオからも販売されていますね。当時のサウンドをより忠実に再現したいという方が好んで使用しているみたいですね。

By黄昏症候群

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