JOYOという低価格エフェクターが多くのギタリストから支持される理由

IbanesのTS-808やSuhrのRiotなど、さまざまな有名エフェクターをコピーしているJoyo。その知名度はもはや世界レベルになっています。初心者はもちろん、熟練者にも愛用者が多い、Joyoというエフェクターの魅力はいったいどこにあるのでしょうか？

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コピー製品に対する考え方を改めさせたJoyoの実力

▲SuhrのRiotをベースにしたUS Dream。筆者はモディファイして使っている。(画像1)

数年前でしたか。インターネット上で驚異の再現度を誇るコピーブランドが話題になりました。IbanesのTs-808をコピーしたとされるタイトル画像の「Vintage Overdrive」。この一台がきっかけで、Joyoというブランド名が世界に知れ渡りました。

そもそもコピー製品という、有名ペダルをベースに開発した製品は昔からありました。ただ、再現度の低い物が大半で、正直言って使い物になりませんでした。なので、エフェクターのコピー製品に良いイメージを持っていないギタリストがほとんどだと思います。

それから時間が経って、同社のような「再現度の高いコピー製品」を販売するブランドが現れました。出始めた時は、多くのギタリストが期待していなかったと思います。

実際に試奏してみると、あまりの再現度に世界中が驚きました。動画共有サイトには本物と比較する動画を投稿した人も多くいます。

ギタリストたちは本当に驚いたのです。なぜなら、本家の半額以下の製品ばかりだったからです。

たとえば画像１のUs Dreamは新品でも4000円程度です。(2014年4月現在)この製品はSuhrのRiotのコピーと呼ばれていますが、本家は国内最安価で2万円以上します。

このUs Dreamは筆者も愛用しているのですが、驚く程Riotに似ています。あくまで、「似ている」だけです。本家よりも音抜けが悪いですが、普通に使えるディストーションです。

もちろん本家であるRiotの方が圧倒的に優秀です。しかし、4000円でRiot風の音を出せるのであれば、UsDreamで良いという人も多いのです。筆者もその一人です。

人によっては「コピーは所詮コピーでしかない」、「本物の音を知らない人」と言う方もいるでしょう。まったく異論はありませんが、趣味で音楽活動をしている人、ギターを楽しんでいる人にとっては4000円のUsDreamでも十分なのです。

UsDreamを使って、気に入ったらRiotに移行するという考えも良いでしょう。最初から本家を買えば良いかもしれませんが、経済的事情で音楽に満足した投資ができない人だっているはずです。

そんな人にとっては、同社のような再現度の高いコピーペダルが助かる訳ですね。そんな「コピー製品」に対する考え方を改めさせたのがJoyoだと筆者は考えています。

なぜJoyoのエフェクターは安いのか？価格設定の疑問

▲同社の人気製品は新品でも4000円程度。なぜここまで安いのか？

「コストパフォーマンス」という言葉が一時期はやりました。略して「コスパ」ですね。商品でたとえるなら、値段の割に良い仕事をしてくれる物を指します。

Joyoのエフェクターも言うならばコスパに優れている訳です。筆者はあまりこの言葉が好きではありませんが、安くても良いサウンドを出してくれるなら大歓迎です。

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そもそも、同社をはじめ、コピーブランドが低価格で販売できる理由を知っていますか？

答えは、「ベースとなるエフェクターの回路を応用して使うから」です。一から回路設計をしないので開発期間も短縮できますし、回路制作代のような費用も発生しません。「人のふんどしで相撲を取る」という表現がピッタリかもしれませんね。

聞こえは悪いですが、購入者としては好都合です。さすがに本家のサウンドは出ないものの、似たような回路設計なのでそれに近い音を出すことができます。

また、「1つ1つの部品が安い」ので、低価格で販売できます。あなたもご存じのように、コピーブランド製品に使われている部品は決して良い物ではありません。特に顕著なのがスイッチです。何回か踏んだら壊れてしまいそうな物もあります。

コスト削減のために仕方ないことですが、同社製品はまだ「マシ」です。ケースもダイキャストですし、スイッチもそこまで粗悪ではありません。エフェクターの中身をいじれる人なら、自分で良質な部品に交換することも可能です。

このようにJoyoが低価格で販売できるのは、それなりの理由があるからです。

Joyoはエフェクターだけじゃない。パワーサプライも販売している

▲オリジナルなのか、コピーなのかわからない。同社のパワーサプライ。(画像2)

▲同社のエフェクターケース。さすがにオリジナル製品だろう。(画像3)

今回はJoyoのコピーペダルについて長々と紹介しました。最後に、同社らしからぬユニークな製品も紹介しておきましょう。

画像2は同社のパワーサプライです。デザインは非常にシンプルで、とくに特徴がありません。これもコピーなのでしょうか？具体的なことはわかりませんが、コピー製品以外も販売しているということです。

他にはプログラマブルスイッチャーも扱っているようです。低価格ながら一部のユーザーに人気があるみたいですね。チューナーアウトがないものの、必要最低限の機能を備えています。

また、画像3のようなキャリー型エフェクターケースも販売しています。ありそうでなかったこの製品、キャリーバッグのようにエフェクターを持ち運ぶことが可能です。普通の旅行者にしか見えませんが、ユニークな製品だと思います。

最近また新商品を発表したJoyo。「従来のコピー製品の上位互換モデル」といった感じのようです。多少お値段は上がったものの、1万円もあれば買えます。ギタリストたちに浸透するかわかりませんが、機会があったら試してみたいものです。

By黄昏症候群

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