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スティーヴィー・レイ・ヴォーンに影響を与えたギタリストたち
今回でスティーヴィー・レイ・ヴォーンの機材研究も5回目になりました。彼のサウンドはとても個性的なもので、まさに無二の存在であると言えるでしょう。
しかし、そんなレイもさまざまなギタリストの影響を受け、それをミックスし昇華させることによってサウンドを作り出しました。
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ここではレイがどのようなギタリストの影響を受け、サウンドを形成して行ったのかについて考えてみましょう。
レイの最初のギターヒーロー
この機材研究でも何度か触れましたが、幼少時代のレイにもっとも大きな影響を与えたギタリストは実兄のジミー・ヴォーンでしょう。
レイが初めてギターに触れた10歳当時、ジミーはすでにダラスでは良く知られた人気ギタリストとなっていました。
ギターを手にしたばかりのレイが彼に憧れないはずはありません。この兄こそが彼の最初のギターヒーローにしてアイドルだったのです。
このジミーはレイの音楽に強い影響を与えています。
兄の趣味によって、ヴォーン家では常に古いブルースが流れ続けていました。これによってレイのブルースフィールは育まれました。
もし、ジミーが好んだ音楽がブルースではなく、ジャズやハードロックであったら、レイはまったく違ったギタリストになっていたかもしれません。
ジミ・ヘンドリクスからの強い影響
ジミーと同じくらいにレイが強い影響を受けたと語っているギタリストがジミ・ヘンドリクスです。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンがギターを手にした当時の夢は「ジミと一緒にステージに立つこと」でした。結局、ジミはすぐに他界してしまい、その夢は果たされませんでしたが、プレイスタイルやサウンド作りに大きな影響を与えられています。
まず、レイの音源を聴いてみましょう。定番のブルースカバーであっても、ジミのヴァージョンで演奏されているものがほとんどです。また、彼のオリジナルソングもいくつもカバーしています。
当然、多くの曲をカバーしてきただけあって、フレージングもとても似ており、特に長尺のソロをとる際には、一瞬ジミなのでは?と思ってしまうパートがあるほどです。
そこにスティーヴィー・レイ・ヴォーンならではのサウンドをプラスすることによって、一つの大きな個性となったのです。
ジミとナンバーワンの関係
世界でもっとも有名なストラトの一本である「ナンバーワン」。このギターにもジミへのリスペクトが込められていると言われます。
このギターのスペック面の最大の特徴は、左利き用のトレモロアームユニットが搭載されているという点でしょう。
これは左利きのジミが右利き用のギターを逆さまにして使用していたことに由来すると言われています。
結果として、このアームユニットによって独特なアーミングや低音弦を中心に大きく音程を変化させるというレイのプレイスタイルは誕生しました。
そもそも、ジミへの強い憧れがなければストラトキャスターというギターを選ばなかった可能性すらあるでしょう。
もしかすると、デビュー前の一時期に使用していたリッケンバッカーが「ナンバーワン」のポジションにあったかもしれません。
ハリケーン・ギターの原点となった男ヒューバード・サムリン
激しく、勢いのあるスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギタープレイはデビュー当時からまるでハリケーンのようだと評されてきました。
そんなレイの一面に強い影響を与えたギタリストがヒューバード・サムリンです。ハウリン・ウルフ・バンドのギタリストとして知られる彼の特徴は何と言っても、勢い任せの自由奔放なプレイです。
時には豪快にスケールアウトしてしまいますし、コード感をまるで無視したフレージングをすることも少なくありません。
そのため、ギタリストとしての評価は分かれてしまいますが、レイはそんな彼からとても強い影響を受けました。
時折レイが見せる勢い任せのプレイはまさしくサムリンから学んだものです。
強烈なチョーキングはアルバート・キング譲り
顔を歪ませながら太い弦を持ち上げるチョーキングもレイの大きな特徴の一つです。
ブルースギターにおけるチョーキングといえば、アルバート・キングでしょう。レイは少年時代からアルバートを崇拝しており、テレビプログラムで共演を果たすことができた時には「夢の一つが叶った」と語ったほどです。
アルバート自身もレイの才能を高く評価しており、さまざまな場面で共演を果たしています。
二人が共演している音源はレイの死後である1999年にリリースされた「イン・セッション(アルバート・キング・ウィズ・スティーヴィー・レイ・ヴォーン)」で聴くことができます。
二人ともリラックスした雰囲気ではありますが、それぞれの持ち味を生かした掛け合いを楽しむことのできる名盤です。
多くのギタリストからの影響によって育まれた個性
あまりにも強い個性を持っていることから、彼が受けた影響について考えた際、迷ってしまうことも少なくないでしょう。
しかし、スティーヴィー・レイ・ヴォーンは多くのギタリストを敬愛し、大きな影響を受けています。
レイが彼らの単なるフォロワーの一人ではなく、大きな存在になることができた所以はマネをするのではなく、うまく吸収し、それを自分の音楽として表現することができたからでしょう。
さまざまなギタリストの影響を受けることによって、その個性を育んできたのです。
少し機材研究というタイトルからは今回は少し脱線してしまいましたが、彼のサウンドを追求する上では絶対に無視することのできないものです。
本気でレイのギターの本質をつかみたいのであれば、彼が影響を受けたギタリストたちのプレイにも耳を傾けてみるべきでしょう。
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