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ボーカルのミックスがみるみる上達する簡単テクニック

「ボーカルをミックスしたけど浮いてしまう…」という経験はありませんか?ボーカルのミックスは意外と難しいもの。初心者は特に苦労するはずです。

今回は、自身のオリジナル曲はもちろん、最近ネットで話題の初音ミクをはじめとする「ボーカロイド」や、さまざまな楽曲を自分で実際に歌ってみる「歌ってみた動画」にも使える簡単ミックステクニックを紹介します。

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ミックス初心者はリバーブをかけて音に広がりを出そう

DAW上で動くリバーブのプラグイン▲DAW上で動くリバーブのプラグイン。フリーでも良質な物がたくさんある。

ボーカルはオケ(伴奏)が完成してからミックスするのが一般的です。なので、もともと存在するオケの空気感に、これから録音するボーカルの空気感を加えると、「うまく馴染まないのは必然的」です。

たとえるなら、ある学校のクラスに転校生が来るようなもの。「クラス」という、もともと存在する集合体に「ボーカル」という転校生が馴染むまでには時間がかかりますよね。

今回の場合は時間が解決する訳もなく、あらゆる加工をしてうまく馴染ませるようにします。その1つの手段が「リバーブ」という空間エフェクターです。

リバーブとは「空間を疑似的に表現するエフェクター」のことで、大ホールの響きを再現したり、狭い部屋の鳴り方を再現するなど、ミュージシャンにとって馴染み深いエフェクターです。

これをボーカルにかけることで、音像の輪郭をにじませ、自然な感じでオケに馴染むようになります。ただ単に通すだけでも違うのですが、ポイントは「ごく薄くかける」ということ。深くかけすぎると逆に浮いてしまいます。

そして、「プリセットを使う」こともポイントです。それぞれのサウンドに合わせた最適なセッティングが用意されているので、初心者の方はそのまま使えば良いです。

オリジナル曲の場合、オケに使っている設定をそのままボーカルに使えば良いので、比較的簡単に馴染むことでしょう。「歌ってみた」の場合は、あらかじめ用意している音源に馴染むようなセッティングを見つけなければなりません。

多少時間はかかりますが、オケ(音源)に対して最適なポイントを見つけるのも、良いミックスをする上で必要です。このエフェクターについて詳しく知りたい方は、筆者の「リバーブはシンプルだけと奥が深い~」という記事を読んでみてください。

使いこなせれば中級者。イコライザーを使ったミックステクニック

男女別のイコライザー調整例▲男女別のイコライザー調整例。それぞれにおいしいポイントがある。(画像1)

昔のAMラジオのようなサウンド▲昔のAMラジオのようなサウンド。一度はやって見て欲しい。(画像2)

ボーカルをオケに馴染ませる上で、リバーブを通すよりも効果的なテクニックがあります。それが「イコライザー」です。イコライザーは音の帯域を調整できるエフェクターで、「不要な帯域をカット」、「欲しい帯域をブースト」することもできます。

ちょっとイメージがつきませんか?リバーブは通すだけでも効果を実感できましたが、イコライザーは自分で調整しなければ効果を実感することができません。

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イコライザーにはさまざまな種類があります。「グラフィックイコライザー」と「パラメトリックイコライザー」です。詳しいこと割愛しますが、ミックスで使われるのは大半がパラメトリックです。

イコライザーの調整に関する詳しい話は、筆者の「ミキシングの基本的な考え方は弁当作りから学ぶのが一番です!」という記事を参考にしてみてください。

さっそくですが、画像1をご覧ください。男女別のイコライザー調整例を用意しました。左が男性、右が女性といった具合です。

共通しているポイントとしては、「100Hz以下のローをカット」していることです。ローはサウンドに存在感を与えます。ローをカットすればするほど薄っぺらなサウンドになってしまいます。バンドにベースがいない状態と同じです。

とはいえ、オケにはベースという低音を担当するパートがあるので、ボーカルにはローが不要になります。画像1のように、100Hz以下のローをバッサリカットしましょう。さらにカットしても良いですが、削りすぎるとペラペラになるので注意してください。

また、「男性は2kHzから4kHz付近」、「女性は4kHzから8kHz」をブーストすると良いです。このあたりは倍音に相当するのですが、実音をより倍音をブーストした方が抜けるサウンドになります。

ちなみに、ラジオ風の声にしたい時はハイとローを削ります。画像2のように、2kHz付近にミドルを集めるとラジオっぽいサウンドになるので試してみてください。楽曲中でリスナーを驚かせたい時に使うと効果的です。

最高のミックスに仕上げるために。テンポディレイを使おう

Waves社製のテンポディレイ▲Waves社製のテンポディレイ。プロも仕事に使っている。

最後に上級者向けテクニックを紹介します。一定間隔で元音が跳ね返ってくる、テンポディレイを使ってみましょう。

このテンポディレイを通すことで、音に「厚み」と「奥行き」を加えます。リバーブだけでも効果はありますが、より馴染ませたいという方はテンポディレイの使用をオススメします。

このエフェクターはBPMに合わせて左右に反響するのが特徴です。この「反響音」がオケに馴染むので、原音がより馴染みやすくなるという仕組みですね。リバーブ同様、ごく薄くかけるのがポイントです。

このように「リバーブ」と「イコライザー」を基本として、「テンポディレイ」のようなスパイスを利かせると、より自然な形でオケに馴染むようになります。いろいろと試行錯誤をして、自分が満足するミックスになるように心がけましょう。

By黄昏症候群

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