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アップライトベースが渋すぎる~ベーシストなら一度はチャレンジしたい
アップライトベースという楽器をご存じでしょうか?
おそらくベーシストの方なら多くの方がご存じでしょう。ストレイキャッツのライブ映像を見たことのある方なら、ベーシストがアップライトベースを振り回しながら演奏している映像を見たこともあるかもしれません。
ロックンロールやジャズなどではそれほど珍しくもないアップライトベースですが、それでも、「何か難しそう…」というイメージが先行する楽器であることは間違いありません。今回は、実際にアップライトベースを所持している筆者が、その魅力に迫りたいと思います。
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楽器の名前の不思議 「ベース」は楽器?
▲ベースにはいろんな使い道があります。(笑)
まず初めに楽器のおさらいから。
ジャズなどで出てくる「ウッドベース」。ロックンロールなどで出てくる「アップライトベース」。クラシックで出てくる「コントラバス」。
これらの楽器はすべて同じ楽器です。一つの楽器にさまざまな名前がついている、と言うのは、それだけさまざまなジャンルに使用されているということですね。
ここで面白いのは楽器の名前です。たとえば「ギター」「バイオリン」「フルート」「サックス」。これらはすべて楽器の名前です(当たり前ですね…)。
これらの楽器の中でも低い音の出るものには「『バリトン』ギター」や「『アルト』サックス」のように。高い音の出るものには「『ピッコロ』フルート」や「『ソプラノ』サックス」のように形容詞がつくわけです。
そこで先ほどのベースの話。そもそも「ベース」とは「基本」の意味です。楽器の名前ではなく、「音楽の基本」という意味ですね。
「ウッドベース」は「木でできたベース」。「アップライトベース」は「縦向きのベース」。(エレキベースに対してこう呼ばれます)
「コントラバス」は「とても低いベース」。(“コントラ”は強調の形容詞)
言わずもがな、「エレキベース」は「電気の通ったベース」。
このように「ギター」や「サックス」にあたる楽器の名前に当たる単語は一切出てきません。これは音楽史上の謎の一つでもあります。何と、ベースには楽器の名前がないのです。
逆に言うと、「あって当たり前」の楽器がベースだったんですね。ベースのいない音楽などありえなかったことから、特に名前がつかなかったのです。それだけ大切な楽器なのです。
大きさは成人男性以上!!
▲もし楽器を背負うとこんな感じに…
長くなってしまいました。続いて、アップライトベースの特徴です。
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何と言っても初めに目に飛び込んでくるのがその大きさ。まっすぐ立てると約2メートル。一般的な成人男性よりも大きいですね。
横幅は楽器にもよりますが、アコースティックのアップライトベースですと、電車の自動改札機をまっすぐ通れない(横を向くと通れます)くらいの幅があります。
このような規格外の大きさを持っているので、手持ちで運ぶのには限界があり、車移動の方が多いです。(クラシックの世界では、コンサートホールに備え付けてある楽器を使うベーシストもいます)
フレットレスの恐怖
▲フレットレスの指板は他の楽器よりも難しそうに見える…
続いてのアップライトベース特徴は「フレットレス」。ここに壁を感じるプレイヤーは多いのではないでしょう。たしかにフレットに慣れている弦楽器奏者にとって、フレットがないということは大きな恐怖です。
この恐怖を解消する方法は、もちろん練習しかないのですが、一つ発想の転換をしてみてください。
あなたは演奏中にフレットを確認しながら弾くことが、どれくらいありますか?
ある程度演奏に慣れているプレイヤーであれば、よほどの移動がないかぎり、演奏中にフレットを確認する作業はそれほど多くないことがほとんどです。
実際に演奏しながらフレットを見ないと間違えてしまうフレーズがあるかどうかを確認すると、実感してもらえると思います。
結局フレットがあっても見ていないんですね。
フレットレスの楽器を練習するときに、音程を取る練習が重要であることは間違いありませんが、その練習の目的は「感覚で仮想のフレットの位置を認識すること」です。
もともとフレットのついている楽器で練習している方にとっては、この基礎がしっかりとできていることになるのです。
言葉で説明してもなかなか分かりにくいと思いますが、実際に楽器を持ってみると、「意外と弾けるじゃん!」という感覚をもたれることではないかと思います。
意外なところに落とし穴?指板が長いんです
▲格好良くアップライトベースを弾きこなしたい!
最後にアップライトベースの大変なところを一つ。おそらくエレキベースから持ち替えたときに一番違和感を覚えるであろうポイントです。
さて。あなたは一般的なジャズベースを構えて、人差し指を1フレットに置いたとき、小指はどこまで届きますか?筆者は頑張って5フレットまで届きました。恐らく4~5フレットまで届く方が多いでしょう。
アップライトベースは、楽器の大きさからも分かるとおり、(仮想の)フレット間の長さが非常に長くなります。
一般的な成人男性が思い切り指を広げたときに、人差し指が1フレットなら小指は3フレットです。かなり手の大きな外人男性でも4フレットに届く人はなかなか存在しません。
つまり、エレキベースよりも演奏中のポジション移動の回数が増えることになります。このポイントさえ押さえておけば、あとは日ごろの練習しだいで、アップライトベースを弾きこなすのはそれほど難しくはないでしょう。
何よりも魅力となるアップライトベースにしか出せない渋い音は、今も多くのリスナーを魅了してやみません。あなたもぜひアップライトベースに挑戦してみてください。
By 藤原 篤
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