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定番ディストーションProcoのRAT2をモディファイしてみた結果は?
ジェフ・ベックなどの使用で有名なProcoの定番歪みペダルRAT。クランチから激しい歪みまで、どんなサウンドにも対応できる半面、かなり使いにくいエフェクターです。
そんな暴れん坊ProcoのRAT2をモディファイすると一体どうなるのでしょうか?実際にやってみることにしました。
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まずは中を開けてみよう。改善点をいろいろと考えてみた
▲ネジを外してみた。堅牢なボディなので、基板を取り外すのが大変だ。(画像1)
▲ケースを外してみた。白い基板がかっこいいUSA製だ。(画像2)
さっそくネジを取り外し、分解してみます。ケースは2枚の金属製ボディを組み合わせたような形で、かなり頑丈です。上蓋を取った状態では画像1のようになります。部品数は一般的で、どちらかといえば少ないような気もしますね。
画像2はケースを取り外した様子です。専用の白い基板がかなりかっこいいです。このRATは「USA製」で、現行モデルとは違います。現行品は中国製で、基板はもちろん使われている部品もまったく別物です。
古いモデルほど良くできていると聞きますが、実際に弾いたことがないので何とも言えません。しかし、各年代の部品を調べたことがあったのですが、やはりビンテージ物は貴重なコンデンサやオペアンプを使っているようです。
特に有名なのが「RAT1」ですね。現行よりも歪む上に「音抜けが良い」のが特徴で、今ではプレミア価格で流通しています。それに対してRAT2はコスト削減の面から、良い部品が使われなくなったようです。それが音抜けの悪さに繋がっているのかもしれません。
とはいえ、現行モデル(中国製)よりは、このUSA製の方が優れているのは確かだと思います。使っている部品もそれほど悪い物ではありません。画像1の左下にある青い部品を見ればわかるように、一部の抵抗には「金属皮膜」を使っていたりします。
とりあえず今回は
・音抜けの悪さを改善
・バイパス音の改善
・LEDの変更
といった定番のモディファイでいこうと思います。そのためには「電解コンデンサの総交換」や、「セラミックコンデンサの交換」がメインの作業になるでしょう。定数の変更はせず、とりあえず部品だけをオーディオ用の物に取り換えます。
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モディファイの基本。電解コンデンサを取り変えてみよう
▲電解コンデンサを取り外した後。(画像3)
▲基板に「+」の表記がある。足が長い方が+なので、合わせて挿しこんでいく。(画像4)
▲基板裏の画像。足を少しだけ開いて固定する。(画像5)
▲「富士山型」を意識する。ハンダは多すぎてもダメだ。(画像6)
以前からさまざまなモディファイを紹介してきた筆者。ここでモディファイの基本となると、「電解コンデンサの交換方法」を改めて解説したいと思います。
そもそも電解コンデンサとは、「大容量の電気を溜める」部品です。通常、各メーカーが販売しているエフェクターに使われているのは「コスト削減のための安価なもの」です。
これは仕方がないことです。部品でコストを削減しなければ、大量生産をすることができません。電解コンデンサは音質を左右する重要な部品なので、これを良質な物に変えるだけで相当変わってきます。
第一に、音抜けが良くなります。コード弾きの分離感も上がり、バイパス音の劣化も軽減されます。
「オカルトの世界じゃないの?」と思うかもしれませんが、それなら「キーリー」や「アナログマン」などの世界的なモディファイメーカーが世の中に出てくることはなかったでしょう。
また、電源周りの電解コンデンサを交換するだけでも大きな効果があります。やって損はない、手軽なモディファイの1つです。
さっそく取りかかっていきます。画像3をご覧ください。元々ついてあった部品を取り外した画像です。注目すべきは「+」という記号ですね。電解コンデンサには極性があって、足が長い方が「+」、短い方が「-」となっています。
基板にあるように、足が長い方を+に挿していきます。その様子が画像4です。極性を間違ってしまうと破裂する可能性があるので、絶対に正しい方向に挿すようにしましょう。
足を通すと、画像5のような状態になります。ハンダごてで足とランド(銀の部分)を暖めてください。3秒程度で十分です。次にハンダを溶かしていきます。ジワーっと流れていくので、「富士山」のような形になったら離してください。
そしてハンダごてを離します。ハンダ→ハンダごてという順番に離すと良いでしょう。うまくいくと画像6のように富士山型になります。溶かし込む量は「多くても少なくてもダメ」です。何回も練習して、最適な量を試行錯誤するしかありません。
これで電解コンデンサの交換は終了です。とても簡単なので、チャレンジしてみてください。
モディファイ終了。「暴れん坊」のRATが「お利口さん」になった
▲最終的にこうなった。良質なコンデンサを贅沢に使っている。(画像7)
すべての作業が終了しました。結果としては画像7のようになりました。金色が眩しい、何とも派手な基板になってしまいましたね。ちなみに中央に移っている緑色の電解コンデンサは、「無極性」です。極性自体がないので、どの方向に挿し込んでも良い製品です。
それ以外はすべて「ニチコン製」に変えました。これも以前から登場している定番メーカーですね。セラミックコンデンサが何個かあったのですが、音がペラペラになってしまうので、すべて交換しました。
気になるサウンドですが、一言でいえば「大人しく」なってしまいました。オリジナルより立体感があるサウンドで、大人しい暴れ方になりました。「使いやすくなった」とも言えますね。
また、ノイズが軽減した気がします。待機時のホワイトノイズが減り、音が前に出るようになりました。明らかにオリジナルより音抜けが良いです。
今回のモディファイは比較的簡単な部類に入ると思います。どちらかと言うと、ケースから基板を取り外す方が難しかったです。今回の記事を参考に、あなたのRATをグレードアップしてみてはいかがでしょうか?
By黄昏症候群
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